カンボジア経済

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2017年06月26日 | 一般
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サム・レンシー前党首の帰国禁止解除に

2017年06月26日 | 経済
 6月14日、カンボジア閣僚評議会は、最大野党・救国党のサム・レンシー前党首の帰国禁止措置を解除する通達を発出しました。サム・レンシー前党首は、名誉毀損容疑で逮捕状が出されたこともあり、逮捕を回避する形で2015年から事実上の国外亡命状態で海外に滞在していたことに加え、2016年10月には帰国禁止令が出されていました。但し、今回の通達は、前党首が受けた有罪判決には言及しておらず、帰国しても逮捕されないためには、国王による恩赦を得られるかが焦点になるものと見られます。
 今回の通達に関して、フン・セン首相の狙いは明確となっていません。カンボジアの法律が及ばない国外から救国党を宣伝し続けるサム・レンシー前党首に対して不満がたまっているのが原因ではないかとの見方もあります。前党首は、帰国すれば逮捕される可能性が高い一方、帰国しなければ支持者の失望感が高まるとの見方もあり、フン・セン首相は帰国禁止を解除することで揺さぶりをかけたとも言われます。
 今後の焦点は、国王の恩赦を受けられるかどうかに移っています。前党首は、2013年の国政選挙の際も、欧米からの圧力もあり、国王の恩赦を受けて選挙直前に帰国し、救国党の躍進を支えました。国王の恩赦については、サム・レンシー前党首とフン・セン首相が水面下で様々な取引を行っているとの見方も強いものがあります。
 6月4日の地方選挙で健闘した救国党が2018年7月の総選挙でも躍進する可能性も否定できません。その一方で、救国党が政権についた際の政策として、リスクの高い即時脱ドル化政策や最低賃金の大幅上昇、農村部の債務免除等、大衆迎合型ばらまき政策も打ち出されており、カンボジアへの投資誘致や、進出している企業への影響も懸念されています。
(写真は、6月4日の地方選挙の選挙監視活動)


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