カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

IMF 古澤副専務理事のカンボジア訪問

2017年06月21日 | 経済
 国際通貨基金(IMF)の古澤満宏副専務理事がカンボジアを訪問し、6月7日に王立法律経済大学で講演しました。古澤副専務理事は、カンボジアの経済成長を高く評価する一方、カンボジア経済の様々な課題について述べた後、イノベーションによる経済発展への期待を強く表明しました。
 まず、カンボジアは、過去20年の経済成長トップ10か国の1カ国であり、すでに低所得国ではなく、低位中所得国となっており、貧困率も2005年の50%から2014年の13.5%まで引き下げられていることを高く評価しました。また、低インフレ、外貨準備の増加、低い財政赤字と公的債務、賢明な経済政策により、経済成長の基盤となるマクロ経済の安定を達成したとしています。今年以降も、縫製業や建設業に牽引されて7%程度の成長が見込まれると述べました。
 課題としては、雇用創出の重要性を指摘しています。特に、縫製業は、過去の経験では、労賃の安い国へ移っていくため、カンボジアが縫製業に頼りすぎることに警鐘を鳴らし、産業多様化が必要であると指摘しました。具体的には、電力・運輸等のインフラ開発、ビジネス環境の改善、ガバナンスの改善等が重要であるとしています。
 この観点から、カンボジア政府が策定した産業開発政策を評価し、着実な執行が重要であるとしています。特に、厳しい国際競争に備えることが必要で、そのための教育や、農村部への金融包括の進展が必要であるとしています。
 他方、カンボジアの若者への期待として、イノベーションの重要性を訴え、「イノベーションは、シリコンバレーやバンガロールの専売特許ではなく、カンボジアでも起こしうることである。」と指摘して、学生の奮起を促しました。
 経済の現状や課題を前提にして、若者が取り組むべきことや、そのチャンスについて述べた素晴らしい内容の講演です。英文ですがぜひご一読ください。

IMFのサイト
http://www.imf.org/en/News/Articles/2017/06/06/sp060717-the-cambodian-economy-outlook-risks-and-reforms?cid=em-COM-123-35372



↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする