カンボジア経済

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地方選挙 与党が7割で勝利 想定の範囲内

2017年06月06日 | 経済
 6月4日、カンボジア全土で地方選挙(コミューン評議会議員選挙)が実施されました。1646コミューン(村、地区等)で拘束名簿比例代表選挙が実施され、即日開票されました。注目の結果は、与党の人民党が、全体の70.7%に当たる1163コミューン、第一野党の救国党が29.3%に当たる482コミューンで多数を占めました。なお、クメール国家連合党(Khmer National United Party)が1コミューンで勝利しています。前回の2012年の地方選挙では、1632コミューンのうち97.5%の1592コミューンが人民党、22コミューンがサム・レンシー党、18コミューンが人権党(その後、サム・レンシー党と人権党が合併して救国党を設立)でしたので、今回の選挙では、与党が勝ったコミューン数が大きく減少し、野党が躍進した形となりました。幣研究所では、今回の選挙で与党が前回並みの大勝利となることは考えにくいと見て、与党勝利コミューン数が全体の8割以上で与党勝利、6割以下では与党敗北と見ていました。与党勝利が7割だった今回の結果は、多くの人にとって想定の範囲内だったものと見られます。このため、与党人民党も野党救国党も、自党が「勝利した」と喧伝しています。
 州別にみると、野党が勝利したコミューン数が与党を上回っているのは、コンポンチャム州(与党33、野党76)、プノンペン都(与党51、野党54)、シェムリアップ州(与党44,野党56)の3州でした。なお、投票率は、85.7%に達しており、カンボジアでの民主主義の定着、選挙への関心の高さを示しています。
 今回の選挙では、私も国際選挙監視団の一員として、プノンペンやコンポンチュナン州で選挙監視に当たりました。監視した投票所では、大きな問題なく投開票が行われていました。朝7時からの投票開始でしたが、涼しい朝のうちに投票を済ませたいということもあってか、朝の2時間程度がピークで、11時くらいまでには多くの有権者が投票を完了していたようです。
 2018年7月には、国民議会選挙が実施される予定であり、今回の選挙結果がどのように影響するかが注目されます。今後も、与野党の駆け引きが続くものと見られます。

追記(2017年6月7日)
 6月5日に国家選挙委員会は有権者総数786万5033人中704万594人が投票したとして、投票率を89.52%に上方修正しました。



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