カンボジア経済

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世界銀行報告書 開発に必要なイノベーションの重要性指摘

2021年03月11日 | 経済
 2月23日、世界銀行は、「東アジア開発途上地域に不必要不可欠なイノベーション」と題する報告書を発表しました。報告書では、これまでの東アジア開発途上地域(カンボジアを含む10か国)は、経済成長と貧困削減に成功してきたが、次第に生産性の低下、輸出志向型経済成長モデルの限界、気候変動等の影響が強まっており、新たな生産モードへの転換が必要となっているとしています。イノベーションが生産性の向上につながっていることは明らかであり、政策的にイノベーションを促進し経済の好調を維持する必要があると指摘しました。
 イノベーションを阻害する要因としては、新技術に関する情報不足、イノベーション事業の収益の不確実性、民間企業の能力不足、人材の技能不足、資金的オプションの不足、政策・組織と民間企業のニーズ・能力との不適合等を挙げています。これらを解決するためには、新技術だけでなく既存技術の普及、製造業だけでなくサービス業におけるイノベーションの振興、民間企業のイノベーション能力の強化、人材開発の強化、イノベーション向けの金融商品の拡充、政府機関と民間企業の連携強化等が必要不可欠と提言しています。
 カンボジアの産業開発政策では、労働集約型産業からイノベーション産業へのジャンプが目標とされています。カンボジアでは既得権益層とのしがらみが少ないこともあって、新技術の開発や運用が比較的容易に開始できるという利点があります。中央銀行デジタル通貨のバコンをはじめとするフィンテックや4G・5Gの通信網の発展等がすでに実現しており、イノベーション産業振興を目指した政策の展開が期待されます。
(写真は、カンボジア政府の電気通信郵政ICT研究所)

世界銀行の発表
https://www.worldbank.org/en/news/press-release/2021/02/23/greater-innovation-critical-to-driving-sustained-economic-recovery-in-east-asia


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