カンボジアの新型コロナウイルスの感染状況は、ワクチン接種の進展に伴い市中感染は大幅に減少していました。2月に入ってオミクロン株の市中感染が拡大しましたが、3月中旬以降ピークアウトし、死亡者数・新規陽性者数はかなり低いレベルとなってきています。5月1日の保健省の発表によれば、死者は累計3056名(4月24日からゼロ名増)です。累計陽性者数は13万6252名(同36名増)となっています。治癒数は13万3095名(同174名増)です。先週の新規陽性者のうち、市中感染は36名、海外帰国・入国者の新規陽性はゼロ名でした。
カンボジアで初のオミクロン株の陽性者は昨年12月14日に確認されました。当初は海外からの帰国・入国者のみでしたが、1月8日にオミクロン株初の市中感染確認が発表されました。その後市中感染が拡大しましたが、3月中旬以降、ピークアウトの様相を示しています。5月1日発表で国内での市中感染は1万4449例(4月24日から36例増)が確認されているとしています。
4月26日、カンボジア政府は屋外並びに十分に換気された公共施設(例:通り、公園、開放された窓のある建物や部屋など)でのマスク着用義務を撤廃すると発表しました。今後、屋外等でマスク着用義務が撤廃される場所でのマスク着用は各個人の判断に委ねるものとされていますが、密空間や十分に換気されていない場所では引き続きマスク着用を勧奨することとされています。カンボジアでのマスクのコストは1日当たり10万ドル(約1300万円)を超えるという試算もあり、特に貧困層には負担になっていたものと見られます。フン・セン首相は、これまでマスクに使っていたお金を食品や服の購入、あるいは貯蓄に回してほしいと述べています。欧米や韓国でもマスク着用義務の撤廃は進んでいます。落ち込んでいる観光業を回復させるためにも、マスク義務の撤廃は有効な方法の一つと見られます。
5月1日から、タイ政府は入国規制を大幅に緩和しました。これにあわせて、5月1日からカンボジア・タイ国境のポイペトでも、人の往来が許可されました。これまでは、トラックによる貨物輸送のみが許可され、人の往来はできませんでした。
カンボジアでのワクチン接種については、世界的に見ても早いペースで接種が進んでいます。既に、5歳以上~成人についてはほぼ接種を完了していると言ってもよい状況と見られます。4月30日現在で、1493万8073人への第1回接種を完了しています。これは、カンボジアの人口(約1600万人)の93.4%に相当します。成人(18歳以上約1000万人)への接種について見ると、既に目標の102.9%に第1回接種を、99.5%に2回目を完了しています。また、世界に先駆けて、3歳~4歳児への接種を2月23日から開始しました。36万1724人への第1回接種を完了しています。
ブースター接種(3回目)も実施が進められ、4月30日現在854万5243人(うち成人621万8072人)が接種を完了しています。1月3日以降、12歳~18歳に対しても3回目接種を行っており、129万8890人が接種を完了しています。更に、6歳~12歳についても2月21日から3回目接種が開始され、101万1629人が完了しています。また、オミクロン株対策の一環として、4回目の接種を1月14日から開始しました。4月30日現在で170万732人が接種済です。
カンボジアでは、感染拡大に歯止めをかけるために2021年はプノンペン等のロックダウンに踏み切る等、厳しい規制を行ってきましたが、秋以降、大幅緩和となっています。なお、入国規制を含めて各種規制が頻繁に変更されていますので、大使館等のサイトで最新情報をご確認ください。カンボジアは、医療体制が脆弱という弱点があり、いわゆる医療崩壊の懸念がありますので、引き続き密を避けるといった対策の継続が必要と見られます。
(写真は、活況を取り戻しているセントラルマーケット。4月11日撮影)
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