カンボジア経済

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カンボジア初のLNG火力発電所を建設へ

2023年12月12日 | 経済
 11月30日、ドバイで開催された国連気候変動枠組条約第28 回締約国会議(COP28)に参加中のケオ・ラタナック鉱業エネルギー大臣は、コッコン州にカンボジア初の液化天然ガス(LNG)火力発電所(800MW)を建設する計画を発表しました。完成は2030年以降となる見込みです。カンボジアは、脱炭素化を進めるために新規の火力発電所を建設しない方針を打ちだしており、ロイヤルグループが計画していた700MWの石炭火力発電所の代替としてLNG火力発電所を建設する計画としたとしています。火力発電所と合わせて、LNGを輸入するための陸上基地も建設したいとしています。
 LNG火力発電とは、液化天然ガス(LNG)を燃料として使用する火力発電のことです。LNGは、天然ガスを液化させたもので、環境面や経済性に優れた火力発電の燃料として利用されています。また、 LNGは、石炭や石油と比較して、燃焼時のCO2排出量が最も少なく、硫黄酸化物(SOx)や煤塵を排出しない点も石炭等と比べて有利な点とされています。通常は、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせたコンバインドサイクル発電設備を使用し、発電効率を高めています。
 カンボジアにとって、電力の安定供給、低廉な価格での電力供給は、経済発展のために欠かせない重要な課題となっています。他方、脱炭素化のために石炭火力発電所の新設を行わないとすると、代替電源として、太陽光発電等の不安定な電源の割合が増えることとなります。LNG火力発電は、起動が早く発電量の調整も容易であるため、こうした再生可能エネルギーの不安定さを補強する点からも、必要性が高いと言えます。カンボジア政府のバランスの取れたエネルギー政策が期待されます。
(写真は、シアヌークビル近郊の中国系石炭火力発電所)


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