カンボジア経済

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日本経済研究センター報告書 「デジタル通貨と競争政策」

2021年05月05日 | 経済
 4月28日、日本経済研究センターは、シリーズ企画「デジタル通貨と競争政策」として、「カンボジア、準CBDC「バコン」を導入―民間台頭に危機感、ブロックチェーンを活用」を公表しました。著者は、宗像藍子研究生と上原正詩主任研究員です。
 カンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行は、20年10月28日にスマホを使った小口決済システム「バコン」を導入しました。ブロックチェーン(分散型台帳)技術を活用したシステムで、中銀デジタル通貨(CBDC)に類似した仕組みです。リエル及びドルに対応した小口スマホ決済に必要なインフラを、末端のウォレット(財布)まで国・中銀が提供しています。
 報告書では、「カンボジア中銀がバコン導入を急いだ背景には、金融システムが未熟なまま携帯電話が普及したことにより、民間企業が手掛ける送金・決済サービスが台頭したことがある。さらに自国通貨以上に米ドルが使われる「ドル化」の現状を変え、通貨主権を取り戻す狙いもある。」と分析しています。
 経済が高度にドル化されているカンボジアでは、ドルに加えてデジタル通貨のフェイスブックのディエムやデジタル人民元が脅威となるものと見られており、先手を打って現地通貨リエルも使用可能なバコンの運用を開始したのは賢明であったものと見られます。また、既得権益層のしがらみが少ないカンボジアでは、こうした新たな取り組みに大胆に挑戦できるという利点もあったものと見られます。今回の報告書は、バコンについて、導入の背景や今後の発展についても的確な分析がなされています。中央銀行デジタル通貨(CBDC)にご関心をお持ちの方は、ぜひご一読ください。

日本経済研究センターのサイト
https://www.jcer.or.jp/research-report/20210428.html


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