カンボジア経済

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プノンペン環状3号線を習近平大通りと命名

2024年06月07日 | 経済
 5月28日、カンボジアのフン・マネット首相は、2023年8月に完成したプノンペンの環状3号線を中国の習近平国家主席の名前を冠し「習近平大通り」と命名するとして、式典を開催しました。式典には、フン・マネット首相、王文天駐カンボジア中国大使等が参加しました。
 環状3号線は、国道1号線の新プノンペン港付近からスタートして西に向かい、バサック川を越えて国道21号線と交差し、ワールドブリッジ経済特区の南を通り、国道2号線と交差、北西に向かって国道3号線と交差した後、北に向かい国道4号線を越えて、ロイヤルゴルフコースの前を通って向きを東に変え、国道5号線に連結し、プレックプノウ橋でトンレサップ川を渡り、ウィンウィンモニュメントの前を通過して国道6号線に至ります。延長約53キロメートル、片側2車線、コンクリート舗装の道路です。なお、新プノンペン港近辺からメコン河を渡る橋を建設し、対岸の「プノンペン~ベトナム高速道路」の起点と連結する計画もあります。
 このうち、中国が支援対象としたのは南側の1号線から4号線までの部分になります。総工費2億7300万ドルのうち、2億5900万ドルは中国政府の借款により賄われました。建設工事は中国の上海建工集団が請け負いました。工事は、2019年1月に着工し、2021年末の完成を予定していましたが、新型コロナの影響や土地取得の遅れ等もあり、工期が大幅に遅延しました。
 プノンペンには、カンボジアの要人だけでなく、なぜか外国の要人の名前をつけた通りがたくさんあります。シャルル・ドゴール(元仏大統領)通り、ネルー(元インド首相)通り、パスツール(仏の細菌学者)通り、毛沢東(元中国国家主席)通り等に加え、金日成(元北朝鮮国家主席)通りまであります。日本人では、故小渕恵三元首相の名を冠したオブチ通りがあるそうです。カンボジアの要人ですと、ノロドム(カンボジアの王家)通りやフン・セン(前首相)通りがあります。
 カンボジアは「親中国」とも言われますが、綱渡り外交を続けている小国としてはこうしたあざといこともできないと、厳しい米中冷戦の中でうまくやっていくことはできないものと見られます。なお、今回の環状3号線は、東京で言うと外郭環状線のような道路で、かなり郊外を走っています。中心部の主要道路である毛沢東通りとは、相当の差が感じられます。
(写真は、AKPより)



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