カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

第19回日本ASEAN交通大臣会合

2021年11月17日 | 経済
 11月12日、第 19 回日ASEAN交通大臣会合がテレビ会議にて開催されました。会合では、カンボジアのスン・チャントール上級大臣兼公共事業運輸大臣及び中山展宏国土交通副大臣が共同議長を務めました。大臣会合では、「日ASEAN交通連携ワークプラン2020- 2021」に基づき実施された27のプロジェクトの着実な進展が歓迎されました。また、ワークプランの下での活動の成果物として、「過積載車両対策のためのICTソリューション実証実験報告書」及び「日ASEANコールドチェーン物流認証審査ガイドライン」を承認しました。更に、ASEAN地域における連結性を高めていくため、「日ASEAN交通連携ワークプラン2021-2022」を承認しました。この新ワークプランには「ビックデータの活用によるモビリティの向上」が含まれることとなりました。
 カンボジアは、ベトナムのホーチミン、カンボジアのプノンペン、タイのバンコク、ミャンマーのダウェーを結ぶ南部経済回廊の要衝に位置しており、ASEANの物流にとって重要な役割を果たしています。日本も協力して、この南部経済回廊等の交通・物流の改善を行っていくことは、ASEAN各国だけでなく、日本、特にASEANに進出している日系企業にとって、重要な課題と言えます。日本が様々な協力を行い、各国の改善努力を継続的に支援していくことが期待されます。
(写真は、共同議長を務めたスン・チャントール大臣)

国土交通省の発表
https://www.mlit.go.jp/report/press/sogo05_hh_000260.html


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外務省海外在留邦人数調査統計2021 カンボジアの在留邦人数は増加

2021年11月16日 | 経済
 外務省は、「海外在留邦人数調査統計 令和3年版」の結果を発表しています。この統計は、在外公館が2020年10月1日現在で、それぞれの管轄区域内に在留する邦人数を調査した結果を集計したものです。2020年10月1日時点で海外に在留する邦人総数は135万7724人で、前年より5万2632人(約3.7%)の減少となり、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響を受けた結果となったと分析しています。国別では、米国に在留邦人全体の約31.4%(42万6354人)、中国に約8.2%(11万1769人)がそれぞれ在留していて、両国で在留邦人の約4 割を占めています。3位以降は、オーストラリア9万7532人、タイ8万1187人、カナダ7万937人、英国6万3030人、ブラジル4万9689人、ドイツ4万1767人、韓国4万500人、フランス3万7134人の順となっています。
 カンボジアの在留邦人は、27位の5057人となりました。前年は、29位4216人でしたので、19.9%の大幅増加となりました。各国で在留邦人数が減少する中でカンボジアは大幅増加しており、上位50カ国中では最大の伸び率となっています。これまでの増加を見てみると、2012年1479 人(前年比23.2%増)、2013年1793人(21.2%増)、2014年2270人(26.6%増)、2015年2492人(9.8%増)、2016年3049人(22.4%増)、2017年3518人(15.4%増)、2018年3934人(11.8%増)、2019年4216人(7.2%増)と毎年大幅増加が続いてきています。2009年には889人しかいませんでしたので、11年間で5.7倍になっています。
(写真は、2019年10月の日本人会盆踊り大会)

外務省のサイト
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/tokei/hojin/index.html


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メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2021年11月15日 | 一般
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新型コロナ カンボジアの状況 11月15日 ワクチン済入国者は隔離不要に

2021年11月15日 | 経済
 カンボジアの新型コロナウイルスの感染状況は、ワクチン接種の進展に伴い市中感染は減少傾向にあるものと見られます。11月14日の保健省の発表によれば、死者は累計2867名(11月7日から38名増)です。累計陽性者数は11万9536名(同444名増)となっています。治癒数は11万5924名(同467名増)です。先週の新規陽性者のうち、市中感染は397名、海外帰国・入国者の新規陽性は47名でした。
 11月1日、フン・セン首相は、カンボジアの経済社会の全部門での完全再開を宣言しました。10月以降、感染防止対策規制は順次緩和されてきています。11月14日、フン・セン首相は、ワクチン接種完了済の入国者(カンボジア人・外国人)については、入国時のラピッドテスト(抗原検査)で陰性であれば、ホテル等での隔離を免除すると発表しました。11月15日から適用されます。これまでは、ワクチン接種済でも最短3日間のホテル等での隔離が義務付けられていました。これまで外国人がほとんどゼロだった観光業界は息を吹き返すものと期待されます。なお、ワクチン未接種の場合は14日間の強制隔離とPCR検査が引き続き義務付けられています。また、11月12日には、結婚式や宗教行事等の人数制限も解除しました。バーやカラオケ等の規制業種も12月1日から営業が可能となる見込みです。ただ、ワクチン接種ができない幼児が集まる幼稚園等については、再度閉鎖が命じられました。このため、カンボジア政府では、3~4歳児へのワクチン接種も検討するとしています。
 他方、日本の入国規制については、ワクチン接種証明書を保有し、受け入れ企業による保証等について審査を経て許可された場合、実質的な隔離期間が最短3日間に短縮されると発表されましたが、実態上は、手続きがあまりに煩雑で、監督官庁の事前許可も混乱している模様です、日経新聞でも、この入国規制について「緩和のフリ 批判殺到」と厳しく批判する記事を掲載しています。面子を完全につぶされた形の経団連は激怒しているとの情報もあります。早期の見直しが期待されるところです。なお、11月14日現在、カンボジアのワクチン接種証明書は、日本政府の手続において有効とは認められておりませんのでご留意ください。
 ワクチンについては、世界的に見ても早いペースで接種が進んでおり、「カンボジアのワクチンミラクル」と呼ばれ始めています。11月13日現在で、1405万1925人(うち12歳~17歳179万9190人、6歳~11歳196万7018人、5歳22万9627人)への第1回接種を完了しています。これは、カンボジアの人口(約1600万人)の87.8%に相当します。成人(18歳以上約1000万人)への接種について見ると、既に目標の100.6%に第1回接種を、96.8%に2回目を完了しています。なお、中国製ワクチンの効果が不十分であることから、ブースター接種(3回目)を実施しています。11月13日現在202万8554人が3回目接種を完了しています。
 カンボジアでは、感染拡大に歯止めをかけるために4月にはプノンペン等のロックダウンに踏み切る等、厳しい規制を行ってきましたが、大幅緩和の方向となっています。ただ、引き続き様々な規制があり、州毎に状況が異なっていますので、日本大使館のサイト等を十分にご確認ください。なお、カンボジアは、医療体制が脆弱という弱点があり、いわゆる医療崩壊の懸念がありますので、引き続きマスクやアルコール消毒といった対策の継続が必要と見られます。
(写真は、プノンペン北部の高層ビル街。明るさが戻ってきている感じです。)

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在カンボジア日本国大使館のサイト
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久しぶりのエレファントバー Rasffles Hotel Le Royal

2021年11月14日 | 生活環境
 カンボジアでは、新型コロナ対策でずっとアルコール禁止が続いていたのですが、10月に解除となったので、久しぶりにラッフルズホテルのエレファントバーにお邪魔しました。今回は、プロセッコとワインの飲み放題(お一人様22ドル!)というイベントでした。生ガキ、チーズの盛り合わせ等も楽しめました。
 プノンペンのラッフルズホテルのメインバーは、像がモチーフとなっていて、エレファントバーと名付けられています。天井に多数の象の絵が描かれています。コロニアルな雰囲気を残す、大変良い雰囲気のバーです。シンガポールのラッフルズホテルのロングバーは、すっかり観光地となっていて艶消しですが、ここは昔ながらの良い雰囲気が残っていて大変好ましいと思っています。夜には生演奏も入って、落ち着いたなかにも南国らしい明るい雰囲気を漂わせます。お客さんは、西洋系の方が多いように感じます。お勧めです。ぜひお試しください。
 なお、新型コロナでご苦労もあったようで、様々なイベントが企画されているようです。11月18日は、ボジョレーワインのイベントだそうです。

Rasffles Hotel Le Royal
https://web.facebook.com/RafflesPP/

今回はこちらのプロセッコが飲み放題。飲み放題と言われると、つい飲み過ぎてしまう気がします。


さすがラッフルズホテルと思わせてくれるチーズの盛り合わせ。プレゼンも味も素敵です。



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独立記念日2021

2021年11月13日 | 社会・風土
 11月9日は、カンボジアの独立記念日でした。1953年11月9日に、故シアヌーク前国王陛下のご尽力(「独立十字軍運動」と呼ばれています)により、フランスからの独立を果たしました。独立を目指して1953年4月から5月にかけて、故シアヌーク前国王陛下は、フランスから、カナダ(モントリオール)、アメリカ(ニューヨーク、ワシントン、サンフランシスコ、ホノルル)を経て、日本(東京)まで、各国で独立キャンペーンを行われました。日本では、昭和天皇陛下ともお会いになっています。日本も外務省を中心に様々な協力を行いました。この東京滞在中にフランスから大きな譲歩を勝ち取り、5月13日に帰国され、半年後に独立宣言に至りました。なお、ご帰国当日にシハモニ国王陛下が誕生され、故シアヌーク前国王陛下は「東京は素晴らしい」として、お生まれになったばかりのシハモニ国王陛下の幼名を「トーキョー」と名付けられたとのことです。
 第二次大戦末期の日本軍による仏印処理(1945年3月~)により、インドシナ3国は独立を認められ、カンボジアも1945年3月12日に故シアヌーク前国王陛下が王位につかれて、独立を宣言しました。しかし、終戦後にフランスに再進駐され、再度フランスの保護国となってしまいました。それでも、故シアヌーク前国王陛下は、日本の支援を受けた1945年のこの独立が果たした役割は大きかったと述懐されていたそうです。
 独立記念日には、独立記念塔で記念式典が開催されました。シハモニ国王陛下、フンセン首相は、暑い中ずっと歩かれ、お疲れになられるのでは無いかと心配になるほどでした。今や、米中冷戦の狭間にあって、綱渡り外交を続けているカンボジアですが、覇権国に飲み込まれることなく、真の意味での独立を維持していくことが重要と見られます。
(写真は、AKPより。プノンペンの独立記念塔で開催された記念式典)


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コマツ カンボジアの地雷除去に協力 今後も継続

2021年11月12日 | 社会・風土
 11月8日、建設機械製造大手のコマツは、2021年11月15日~19日にオランダ・ハーグにて開催される対人地雷禁止条約第19回締約国会議のサイドイベントにおいて、コマツと、日本地雷処理を支援する会(JMAS)が提携して行っている、カンボジアおよびラオスでの対人地雷除去活動が紹介されることとなったと発表しました。対人地雷禁止条約第19回締約国会議は、164カ国の対人地雷禁止条約締約国による国際会議であり、世界中の政府機関やNGO等が一堂に集い、各国の地雷問題について議論する会議です。
 コマツとJMASは2008年より提携し、対人地雷の被害に苦しむ地域の地雷や不発弾の除去活動、ならびに復興までのコミュニティ開発事業のプロジェクトを行っています。2021年9月末までの実績として、累計で8,000個以上の対人地雷や不発クラスター子弾を処理し、10校の小学校の建設、90kmを超える道路整備を行いました。また、2020年からは、ブレードの高さを自動コントロールする機能(レーザーマシンコントロール)を有した農業ブルドーザーで水田を均平化するなどの稲作支援も開始しています。
 カンボジア地雷対策庁(Cambodian Mine Action and Victim Assistance Authority :CMAA)の発表によりますと、1979年から2021年9月までの累計で、地雷等被害者は6万4954名(うち死者1万9807名)となっています。1996年には、死者911名、負傷者3409名(うち手足切断443名)に達していましたが、2021年1月~9月は被害者数34名(うち死者10名)にまで減少しています。多くの関係者の努力により、死者数を100分の一にまで減少させたことは高く評価されるものです。日本も政府開発援助(ODA)だけでなく、自衛隊OBの方々を中心としたJMAS等のNGOやコマツ等の民間企業も協力して、カンボジアの地雷除去に大きく貢献してきました。
 CMAAは、国家地雷対策戦略(2018年~2025年:National Mine Action Strategy (NMAS) 2018-2025)に沿って、引き続き地雷・不発弾対策及び被害者への支援に取り組んでいくとしています。コマツも「今後もカンボジアとラオスにおける対人地雷や不発弾の除去活動、ならびに地域復興支援プロジェクトを継続して支援していきます。」としています。こうした活動が今後も継続されていくことが期待されます。
(写真は、新聞発表より)

コマツの新聞発表
https://www.komatsu.jp/ja/newsroom/2021/20211108


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RCEP 2022年1月発効へ 各国の批准手続き進む

2021年11月11日 | 経済
 地域的な包括的経済連携(RCEP)協定が、2022年1月1日に発効することとなりました。RCEPは、関税の削減などを通じて貿易の自由化を進める協定で2020年11月に15カ国(ASEAN10か国、日本・中国・韓国・オーストラリア・ニュージーランド)が署名しました。参加国の国内総生産(GDP)と人口の合計は世界の3割を占める規模となります。環太平洋経済連携協定(TPP)に比べると貿易自由化率やルール水準は低いものの、中国が参加する唯一の大型自由貿易協定となる見込みです。
 RCEP協定は、参加しているASEAN10カ国のうちの6カ国と非ASEAN5カ国のうちの3カ国の批准書がASEAN事務局長に寄託された日から60日後に発効すると定められています。これまでに、ASEAN6か国(ブルネイ、カンボジア、ラオス、シンガポール、タイ、ベトナム)、非ASEAN2か国(日本、中国)が批准手続きを完了していましたが、11月2日にオーストラリアとニュージーランドも批准書の寄託を完了したため、2022年1月1日の発効が決まりました。
 二国間で多数の自由貿易協定が結ばれると、民間の輸出入者からは制度が分かりにくくなり、「スパゲッティボウル」とも呼ばれる多数の協定内容が絡み合った状況になりやすいため、日本はRCEPやCPTPPといった地域的多国間協定を推進してきました。また、物品貿易の関税削減に留まらず、サービス貿易、人の移動、知的財産権、紛争解決等を包括的に定めたRCEPが、アジア地域では主たる協定となると見られます。
 中国は、米国と同盟国による中国包囲網が強まる中で、「中国抜き」の貿易の枠組みが進展しないうちにRCEPをテコにASEANで地域貿易の主導権を握る狙いを有していると見られています。カンボジアも中国の意向を受けて、RCEP歓迎方針を強く打ち出すととともに、RCEP批准手続きを前倒しで進めていました。RCEPがカンボジアにどの程度の輸出拡大効果をもたらすかは、今後の推移を見守る必要があるものと見られます。
(写真は、日本の支援で整備されたシアヌークビル港)

日本の外務省の発表
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_009162.html



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カンボジアも 石炭火力発電所の新規開発停止

2021年11月10日 | 経済
 カンボジア鉱業エネルギー省のスイ・セン大臣は、在カンボジア英国大使との面談で、今後新規の石炭火力発電所の建設を行わない方針を伝えました。英国で開催される第26回気候変動枠組条約締約国会議(COP26)を意識した発言と見られます。
 カンボジアの2020年の電力供給の内訳は、国内での発電量が68.1%、ベトナム、タイ、ラオスからの輸入電力が31.9%となっています。国内の内訳は、水力41.0%、石炭火力46.8%、石油火力8.0%、太陽光発電3.3%、バイオマス0.9%となっており、石炭火力が最も高い比率を占めています。また、現在、石炭火力発電所2カ所(合計1400W)の建設が進められています。このため、当面、石炭火力発電所の全面的廃止を行うことは難しいものと見られます。しかし、設備容量を見ると、既存の石炭火力発電所の合計が675MWで、建設中を加えても2075MWであり、先進国等と比べると非常に小さい規模です(日本の石炭火力発電所の総設備容量は約4万8000MW:2020年)。
 スイ・セン大臣は、今後、発電燃料を液化天然ガス(LNG)や水素に転換していくとともに、太陽光発電等の再生可能エネルギーを振興するとしています。現在、アジア開発銀行の支援を受けて策定中の電力開発計画においては、再生可能エネルギーによる発電の比率を59%にまで高める方向で検討中であるとのことです。これは、これまでの開発計画に比べると温室効果ガスの排出量を34%減少させる効果があるとしています。カンボジアでは太陽光発電所の計画・建設が進んでおり、2023年までに新規の太陽光発電所(合計495MW)が完成する見込みで、太陽光発電の全体に占める割合は20%程度にまで高まるものと見られます。
 カンボジアは。洪水や干ばつ等、気候変動の影響を受けやすい国の一つであり、電力セクターでの再生可能エネルギー比率の上昇を目指すことは、カンボジアとっても重要な政策となってくるものと見られます。
(写真は、シアヌークビル郊外スタンハウの中国系石炭火力発電所。700MWの増設工事を実施中)


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2021年第3四半期CBC報告 消費者向け信用は減少

2021年11月09日 | 経済
 11月1日、カンボジア信用機構(CBC)は、消費者信用指標四半期報告(2021年第3四半期)を発表しました。CBCは、多重債務者を防止する目的で、金融機関から集めた信用情報を集積し、各金融機関の貸付審査にその情報を提供しています。四半期報告では、消費者信用申請状況、消費者信用供与状況、消費者信用の不良債権情報等を取りまとめています。
 今回の報告では、消費者信用申請については、対前期比で、件数は38%増、金額は45%増とV字回復しました。その内訳は、個人向け貸付が件数38%増、金額42%増、住宅ローンは件数39%増、金額56%増、クレジットカード利用は件数38%増、金額62%増となっています。
 消費者信用供与状況では、消費者信用借入人数が、対前期比1.7%増の約132万人となっています。残高は、前期末比5.8%増の113億7000万ドル(約1兆2960億円)となりました。
 不良債権比率は、2020年第1四半期1.61%、第2四半期2.64%、第3四半期2.42%、第4四半期1.91%、2021年第1四半期2.24%、第2四半期2.57%、第3四半期2.56%と推移しています。借入人の26.9%が複数の機関から借り入れを行っています。
 新型コロナの影響で返済に困っている借入人については、各金融機関が返済期限の延長等に応じていることもあって、不良債権比率は2%台にとどまっています。来年以降に想定される支援措置の終了に伴い、不良債権比率が上昇する懸念があります。
 新規貸付需要は、2021年第1四半期・第2四半期は新型コロナの国内感染の拡大を受けて伸び悩んでいました。4月以降のロックダウン等の影響を受けて、継続的な貸付低迷の懸念がありましたが、段階的な規制緩和を先取りする形で2021年第3四半期は、大きく盛り返しました。
 なお、こうした基礎情報が、定期的に公開されることは、金融セクターの健全性維持の観点からも重要性が高いものと見られます。

カンボジア信用機構の発表(英文です)
https://www.creditbureau.com.kh/press/consumer-credit-index-report-quarter-3-2021-released-november-2021/


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2021年11月08日 | 一般
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新型コロナ カンボジアの状況 11月8日 完全再開を宣言

2021年11月08日 | 経済
 カンボジアの新型コロナウイルスの感染状況は、ワクチン接種の進展に伴い市中感染は減少傾向にあるものと見られます。11月7日の保健省の発表によれば、死者は累計2829名(10月31日から41名増)です。累計陽性者数は11万9092名(同570名増)となっています。治癒数は11万5457名(同730名増)です。先週の新規陽性者のうち、市中感染は507名、海外帰国・入国者の新規陽性は63名でした。
 11月1日、フン・セン首相は、カンボジアの経済社会の全部門での完全再開を宣言しました。10月以降、感染防止対策規制は順次緩和されてきています。11月1日からは、全ての学校も再開されました。プノンペンでは、11月2日から、これまで運休していた都バス、水上バスの運行も再開されています。また、観光の再開を期待して、マレーシア航空(プノンペン~クアラルンプール)、バンコク航空(プノンペン~バンコク)、カンボジア航空(プノンペン~バンコク)等が今月中に順次運行を再開する見込みです。
 新型コロナ治療薬については、11月3日、カンボジア保健省は米国の製薬大手メルクが開発を進めている軽症者向け経口薬「モルヌピラビル」の緊急使用を許可しました。ワクチンについても、インドのCovaxinワクチンの緊急使用を許可しています。
 11月5日、日本政府は、ワクチン接種証明書保持者に対する入国後の行動制限の見直しを決定しました。経団連等の日本の産業界からの強い要望もあり、経済正常化に向けてビジネス目的の往来を中心に入国規制を段階的に緩和するものです。入国の多い観光客は対象外となっています。ワクチン接種証明書を保有し、受け入れ企業による保証等について審査を経て許可された場合、実質的な隔離期間が最短3日間に短縮されます。しかし、手続きは日本で人手不足となっている技能実習生を念頭に置いた形となっている模様で、提出書類も相当な量に及び、所管官庁による事前審査も必要となっています。このため、日本人出張者や海外からの出張者に関する規制緩和を期待していた日本企業側からは、手続きがあまりに煩雑で、そのコストもばかにならないとして、全くの期待外れだったとの声が出ている模様です。なお、11月7日現在、カンボジアのワクチン接種証明書は、上記の日本政府の手続において有効とは認められておりませんのでご留意ください。
 ワクチンについては、世界的に見ても早いペースで接種が進んでおり、「カンボジアのワクチンミラクル」と呼ばれ始めています。11月6日現在で、1395万1323人(うち12歳~17歳179万5411人、6歳~11歳195万1126人、5歳17万1784人)への第1回接種を完了しています。これは、カンボジアの人口(約1600万人)の87.2%に相当します。成人(18歳以上約1000万人)への接種について見ると、既に目標の100.3%に第1回接種を、96.6%に2回目を完了しています。なお、中国製ワクチンの効果が不十分であることから、ブースター接種(3回目)を実施しています。11月6日現在195万1126人が3回目接種を完了しています。また、カンボジア政府では、これまでの12歳~17歳、6歳~11歳に加えて、11月1日から5歳児にも接種を実施しています。
 カンボジアでは、感染拡大に歯止めをかけるために4月にはプノンペン等のロックダウンに踏み切る等、厳しい規制を行ってきましたが、ようやく緩和の方向となっています。ただ、引き続き様々な規制があり、州毎に状況が異なっていますので、日本大使館のサイト等を十分にご確認ください。なお、カンボジアは、医療体制が脆弱という弱点があり、いわゆる医療崩壊の懸念がありますので、引き続きマスクやアルコール消毒といった対策の継続が必要と見られます。
(写真は、営業が再開された映画館。「鬼滅の刃」も上映中です。)

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変貌するプノンペン駅 ショッピングモールに

2021年11月07日 | 生活環境
 プノンペン北部にあるプノンペン駅は、フランス植民地時代に建設された瀟洒な建物です。外見は、白亜のどっしりとしたイメージ(写真上)ですが、内部はアーチ構造が目立つレトロモダンなデザインです。内戦後は、荒れていたそうですが、鉄道の復活に際し、アジア開発銀行の支援を受けてリノベーションされていました。その後もがらんとした感じだったのですが、客車や蒸気機関車を利用したトレインカフェが人気を集めてきました。このため、駅舎もショッピングモール化する計画が立ち上がり、「ロイヤル・トレイン・スクエア」としての工事が実施されています。現在のところ、内部にはカンボジアの著名な画家の絵画が飾られ、表側にはカフェが3軒開店しています。今後、レストラン等が入居する予定とのことです。エレベーターも整備されましたが、2階、3階はまだ手付かずの状況です。場所も良く、旅客鉄道が全面回復すれば、人出も期待できる場所ですので、今後の発展が楽しみです。

駅舎内部はアーチ構造が目立ちます。シャンデリアも相まって、レトロモダンな雰囲気です。


2階から見た駅舎内部です。著名な画家の絵画が多数飾ってあります。


駅前に面した側にはカフェが3軒開店しています。


看板には、多数のレストランが出ていて、今後が楽しみです。


プノンペン駅の歴史的な写真も展示されていました。


駅舎の裏には、蒸気機関車(SL)も連結された「トレインカフェ」があり、若者たちの人気の場所になっています。



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パリ和平協定30周年を記念して3万リエル札を発行

2021年11月06日 | 社会・風土
 10月18日、カンボジアの中央銀行(NBC)は、1991年10月23日に締結されたパリ和平協定30周年を記念する3万リエル札を発行しました。中途半端な金額ですが、あくまでも「記念通貨」の位置付けであり、市中に出回る量は限定的と見られます。
 3万リエル札の表面には、故シアヌーク前国王陛下の肖像が描かれています(写真上)。裏面には、エッフェル塔や独立記念塔に加え、結んだ手を掲げる故シアヌーク公王陛下と若き日のフン・セン首相が描かれています。
 泥沼の内戦を終結に導いたパリ和平協定からわずか30年で、カンボジアは大きく発展しました。パリ和平協定とその後のカンボジアの発展に日本が果たした役割は大きいものがあります。こうした積み重ねの上にある日本とカンボジアの友好関係が今後も継続されていくことが期待されます。

カンボジア国立銀行のサイト 現行紙幣一覧
https://www.nbc.org.kh/english/about_the_bank/banknotes_in_circulation.php

裏面は、エッフェル塔が目立ちます。若き日のフン・セン首相(サングラスの人物)がうつむいてはにかんでいるように見えます。



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カンボジア 2021年9月の物価上昇率

2021年11月05日 | 経済
 国家統計庁から発表された2021年9月の物価上昇率(対前年同月比)は、0.0%で変わらずとなりました。物価上昇率は、2012年以降、安定的に推移しています。細かくみると、2017年初頭に4%台まで上昇しましたが、2017年5月以降は3%未満で安定していました。2018年10月以降3%台となる月が出てきています(2016年1月3.1%、2月2.3%、3月2.0%、4月2.8%、5月3.2%、6月3.3%、7月3.0%、8月3.0%、9月2.9%、10月3.4%、11月3.6%、12月3.9%、2017年1月4.4%、2月4.0%、3月4.2%、4月3.2%、5月2.5%、6月2.3%、7月2.3%、8月2.6%、9月2.7%、10月2.1%、11月2.3%、12月2.2%、2018年1月2.0%、2月2.3%、3月2.3%、4月2.4%、5月2.9%、6月2.8%、7月2.3%、8月1.9%、9月2.6%、10月3.1%、11月2.5%、12月1.6%、2019年1月1.6%、2月2.4%、3月2.3%、4月2.6%、5月2.3%、6月1.6%、7月2.2%、8月3.1%、9月1.7%、10月1.3%、11月1.8%、12月3.1%、2020年1月3.6%、2月2.7%、3月2.8%、4月1.9%、5月2.4%、6月3.2%、7月3.1%、8月2.0%、9月2.9%、10月3.7%、11月3.7%、12月2.9%、2021年1月2.6%、2月1.7%、3月2.1%、4月2.7%、5月3.0%、6月2.7%、7月3.3%、8月3.4%)。なお、8月と比べると9月は2.9%の下落でした。
 ガソリン価格は、政府による価格メカニズム導入の効果もあって細かく動いています。8月の4000リエル/リットルから、9月は3905リエル/リットルに若干値下がりしました。ディーゼルも、8月の3600リエル/リットルから、9月は3550リエル/リットルに値下がりしました。国際原油価格(ニューヨーク市場のWTI)は、最近は80ドル台に値上がりしています。カンボジアのガソリン価格も国際価格に概ね連動して動いており、足下では落ち着いた動きとなっていますが、今後、世界的な資源価格高騰等の影響を受けて、値上がりしてくるものと見られます。
 国際機関は、カンボジアの物価上昇率を引き続き安定的と見ています。2021年の物価上昇率について、アジア開発銀行は2.9%、世界銀行は3.2%、国際通貨基金(IMF)は2.5%と予測しています。
(写真は、プノンペン市内のガソリンスタンド。9月21日撮影)  



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