カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

日系のサンライズ病院 イオンセンソックに分院を開業

2023年05月05日 | 経済
 4月28日、日系のサンライズ病院は、イオンモール・センソックシティに分院Sunrise Medical Centerを開業し、記念式典を開催しました。式典には、植野日本大使や、保健省次官等関係者多数が参加しました。
 サインライズジャパン病院は、日揮、産業革新機構、Kitahara Medical Strategies Internationalが合弁で設立したSunrise Healthcare Service社が2016年に開院したものです。資金面では、国際協力機構(JICA)も支援しています。この病院は、北原茂実先生が長年の熱意を実らせたもので、カンボジアにとって重要というだけでなく、日本の医療にとっても革新的な取り組みの第一歩となるものと言えます。プノンペンに脳神経外科を中核に救命救急機能を持つ日本式の病院を建設、日本の医療機器を数多く導入し、日本人医師が主導する質の高い医療サービスをカンボジア国民や在留外国人に提供するものであり、日本政府が提唱する「日本再興戦略」の一環である日本式医療の海外展開に沿った取り組みでもあります。
 プノンペンでは、イオンの開店等により、在留邦人にとっての生活環境が改善されてきましたが、日本品質の病院は欠くことのできないものであり、重要な役割を果たしています。今後の日系企業の進出に当って、日本人駐在員やご家族が安心してカンボジアに来ていただけるようになる効果もあるものと期待されます。カンボジアの方々にとっても、高品質の医療サービスが身近に提供される効果は大きいものがあると見られます。また、病院だけでなく、医療関連の事業や雇用が進展することにより、カンボジア経済にもプラスの影響を与えていくことが期待されます。
(写真は、サンライズ病院の発表より)

サンライズジャパン病院の発表(英文です)
https://www.sunrise-hs.com/index.php/news/458-grand-opening-ceremony-of-sunrise-medical-center-sen-sok


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海上自衛隊のうらがとあわじ シアヌークビル港に寄港

2023年05月04日 | 経済
 4月24日から26日まで、海上自衛隊のインド太平洋・中東方面派遣(IMED23)部隊の掃海母艦「うらが」、掃海艦「あわじ」がシアヌークビル港に寄港しました。シアヌークビル港ではカンボジア海軍による歓迎式典が開かれました。海上自衛隊では、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、カンボジア海軍との連携を強化するために親善行事及び親善訓練を実施したとしています。また、在留邦人を対象とした特別公開も実施されました。多くの邦人が、自衛艦を見学したとのことです。今年3月には、護衛艦「きりさめ」がシアヌークビル港に寄港しており、海上自衛隊艦艇によるカンボジア寄港は、日カンボジア外交関係70周年である本年、2回目の寄港にあたります。
 最近、シアヌークビル港には、中国海軍やフランス海軍等の軍艦が続々寄港しています。「親中派」とも言われるカンボジアでは、シアヌークビル近郊のリアム海軍基地等への中国軍進出疑惑も取りざたされ、米国も神経をとがらせています。カンボジアが中国との関係を重視するなか、日本としても寄港を通じてこの地域で影響力を強める中国をけん制する狙いもあるとの見方も出ています。他方、米中冷戦が厳しさを増している中で、小国であるカンボジアが日本に寄せる信頼感は増しているものと見られます。2022年4月には統合幕僚長の山崎幸二陸将、今年2月には陸上幕僚長の吉田圭秀陸将が、カンボジアを公式訪問して、フン・セン首相への表敬訪問等を行っています。日本が、長年のカンボジアとの友好関係を活かして、カンボジアが中国に傾き過ぎないように様々なルートで外交努力を続けることには大きな意義があります。
(写真は、掃海母艦「うらが」。海上自衛隊のサイトより)

海上自衛隊の発表
https://www.mod.go.jp/msdf/release/202304/20230427.pdf


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満栄工業 ヤシ殻活性炭を海外生産 カンボジアに進出へ

2023年05月03日 | 経済
 3月23日、活性炭製造の満栄工業は、国際協力機構 (JICA)の中小企業・SDGsビジネス支援事業ニーズ確認調査に採択されたと発表しました。2025年3月31日までの約8カ月で調査を行う予定としています。カンボジアにおいて廃棄されている椰子殻を利用し、椰子殻活性炭製造・販売の事業化による新たな雇用の創出、産業の発展・環境保全を目指すとしています。
 活性炭とは、椰子殻・石炭・木などを主な原料とした、化学物質の高い吸着能力を持つ炭素質であり、浄水場や食品加工において有害物質の吸着・除去に利用されます。現在、カンボジアではココナッツオイル等の椰子製品は製造されているものの、活性炭の原料となる部分は利用されていないため、未活用資源を利用した産業化が可能であり、製造された活性炭がカンボジア国内の水の浄化等に用いられると、安全な水の供給にも貢献できるとしています。
 満栄工業は、これまでは商社などを通じて輸入したヤシ殻を原料に活性炭を日本国内で製造していましたが、カンボジアでの調査を経て海外生産に乗り出す見込みです。日本向けの安定調達にとどまらず、安全な飲み水を求めるアジアでの浄化装置向けなど市場拡大を狙うとしています。ヤシ殻活性炭は石炭由来などに比べて環境負荷が小さく、今後、そのシェアも高まると見られます。当面はカンボジア現地のヤシ農家やヤシ製品メーカーに技術指導して炭化処理などを開始し、次の段階として現地に自社工場を設けたり、現地企業に出資したりして活性炭の生産を本格化することを想定しています。
 日本企業の高い技術力が、カンボジアで生かされて環境改善だけでなく農村部の所得向上等にも繋がると見られます。今後の発展が期待されます。
(写真は、満栄工業の発表より)

満栄工業の発表
https://www.man-ei.co.jp/3940


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新型コロナ カンボジアの状況 2023年4月30日 日本もようやく水際規制撤廃

2023年05月02日 | 経済
 カンボジアの新型コロナウイルスの感染状況は、感染が始まった2020年は低レベルでしたが、2021年2月から急増しました。発端は、陽性だった中国人女性が賄賂を使って隔離を脱走し、クラブ等で感染を拡大したという悪質なケースでした。2月20日市中感染事件と呼ばれるこの事件以降、感染が急拡大しました。このため、2021年4月15日からプノンペン等でのロックダウンが始まりました。その後、ワクチン接種の進展とともに感染は落ち着き始め、9月末から段階的に経済の再開が進められ、12月にはほぼ正常に戻っていました。2022年に入り、オミクロン変異株の登場で、感染者数は増加に転じましたが、5月には落ち着き、死者数、新規陽性者数ともに低レベルとなりました。9月以降は、陽性者数は減少し、10月~2023年4月には新規陽性者ゼロの日も増えています。
 5月1日のカンボジア保健省の発表によれば、4月末現在の死者は累計3056名(3月31日からゼロ名増)です。累計陽性者数は13万8733名(同8名増)となっています。死者数は、ここ12カ月間ほどはゼロが続いています。陽性者数も2022年7月以降一日数名~50名前後で推移しています。なお、PCR検査数が大幅に減少していることもあり、新規陽性者の数字の正確性については議論のあるところです。
 新型コロナ対策成功の要因となったのは、早期のワクチン接種であったと見られます。世界的に見ても早いペースで接種が進んでおり、既に、3歳以上~成人については2回接種をほぼ完了していると言ってもよい状況と見られます。4月30日現在で、1528万5197人への第1回接種を完了しています。これは、カンボジアの人口(約1600万人)の95.5%に相当します。成人(18歳以上約1000万人)への接種について見ると、既に目標の103.9%に第1回接種を、100.6%に2回目を完了しています。ブースター接種(3回目)も実施が進められ、1063万992人(うち成人699万257人)が接種を完了しています。第4回・第5回・第6回の接種も進められています。
4月19日、フン・セン首相は、全てのマスク着用規制、多数の人が集まるイベントでのラピッドテスト等の規制を撤廃すると発表しました。4月13日~15日のクメール正月で多くの人出があったにもかかわらず、感染がほとんど起きなかったことを勘案して決定したとしています。
 4月28日、日本政府は、4月29日から水際規制を緩和し、全ての入国者に対して、「出国前72時間以内に受けた検査の陰性証明書」及び「ワクチンの接種証明書(3回)」のいずれも提出を求めないと決定しました。なお、有症状の入国者に対して現在実施している入国時検査及び新型コロナウイルス感染症陽性判明時における施設等での療養は5月8日まで継続し、それ以降は感染症ゲノムサーベイランスを開始するとしています。日本政府の水際規制は、多くの入国者に、効果のないことに税金を費やしている、手続きが非効率に過ぎる等との批判を浴びていましたが、ようやく是正されることとなりました。なお、この変更に伴い、アプリ「Visit Japan Web」については、「検疫手続(ファストトラック)」ボタンが削除され、検疫関係の登録等が不要となっています。
 カンボジアでは、マスク着用義務も解除され、「アフターコロナ」と言っても良い雰囲気となっています。カンボジアへの外国人観光客数は激減していましたが、最近は西洋系の観光客をかなり見かけるようになっています。ワクチン接種への積極的な取り組みと「ウィズコロナ」の規制緩和が非常にうまくいったものと見られ、今後の経済回復が期待される状況です。
(写真は、クメール正月のプノンペン・ワットプノン。AKPより)



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2023年第1四半期 カンボジアからの輸出減少

2023年05月01日 | 経済
 カンボジア経済財政省の関税消費税総局の発表によりますと、2023年第1四半期(1月~3月)のカンボジアからの輸出は、対前年比5.7%減の53億9201万ドル(約7280億円)に留まったとのことです。輸入は、21.3%減の58億6013万ドル(約7910億円)でした。
 輸出先を国別にみると、1位は米国で対前年同期比15.2%減の18億2305万ドルで、全体の33.8%を占めています。2位はベトナムで19.9%増の9億980万ドル(シェア16.9%)、3位タイ5.0%増3億3416万ドル(シェア6.2%)、4位中国2.1%増3億2865万ドル(シェア6.1%)、5位日本0.9%増3億839万ドル(シェア5.7%)となっています。輸入は、第1位は中国で対前年同期比0.7%減の25億3377万ドル(シェア43.2%)、2位ベトナム0.6%減9億5761万ドル(シェア16.3%)、3位タイ15.3%減7億2596万ドル(シェア12.4%)、4位インドネシア42.2%増2億9265万ドル(シェア5.0%)、5位台湾27.1%減1億9410万ドル(シェア3.3%)となっています。
 品目別輸出では、縫製品が第1位で対前年同期比22.6%減の16億5463万ドル(シェア30.7%)、2位電気部品101.7%増7億3677万ドル(シェア13.7%)、3位穀物33.1%増5億3810万ドル(シェア10.0%)、4位旅行用品22.3%減3億8520万ドル(シェア7.1%)等となっています。品目別輸入は、1位石油製品7.8%増8億7003万ドル(シェア14.8%)、2位縫製原料24.0%減5億9190万ドル(シェア10.1%)、3位車輛18.0%減4億3467万ドル(シェア7.4%)、4位機械8.5%増3億6830万ドル(シェア6.3%)等です。品目別輸出で、日系企業等が製造・輸出している電気部品が大きく伸びたことが注目されます。他方、カンボジアの主力輸出品である縫製品、履物、旅行用品が軒並み2割以上の減少となっており、今後が懸念されます。品目別輸入では、石油製品の輸入金額が引き続き増加しています。他方、縫製品の受注が減少したため縫製原料の輸入も減少しています。
 カンボジアの輸出産業は、新型コロナの影響から予想よりも早く回復してきました。しかし、主要輸出先の米国・欧州の景気減速等の影響で、今年は逆風を受けることが懸念されています。中国への輸出、中国からの輸入は、概ね横ばいであり、2022年1月に発効した中国との自由貿易協定の効果は、現状ではカンボジア側には大きくなかったものと見られます。
(写真は、日本が支援して整備が進められてきたシアヌークビル港)

関税消費税総局の統計のサイト(英文です)
https://stats.customs.gov.kh/en


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2023年05月01日 | 一般
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