カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

シアヌークビル州投資促進特別プログラム2024発表 効果は未知数

2024年02月16日 | 経済
 1月31日、フン・マネット首相は、「シアヌークビル州投資促進特別プログラム2024 (the Special Programme to Promote Investment in Preah Sihanouk Province 2024)」を発表しました。シアヌークビルでは、中国を中心とする外資による不動産開発が多く行われましたが、中国の不動産不況や新型コロナの影響を受けて、多くの事業がとん挫しており、放置されている未完成の不動産物件の取り扱いが課題となっています。
 カンボジア政府によりますと、未完成の建物が362棟、完成したものの使用されていない建物が176棟に達しているとのことです。これらを完成させるには11億6100万ドル(約1720億円)の資金が必要だとしています。
 特別プログラムでは、税制優遇などによって、未完成物件を完成させるなどして景気刺激につなげたいとしています。具体的には、未完成物件を完成させる事業に対する優遇措置を導入します。優遇の内容は、所得税の減免、未完成物件の完成または改装終了までの付加価値税免除、不動産賃貸に対する源泉徴収税の5年間免除、不動産税の免除等です。事業の認可・免許の交付の迅速化、不動産に投資する外国人向けの長期滞在ビザ発給等も行うとしています。投資関連のトラブルを法廷外で解決する仕組みも導入する計画です。
 未完成物件を完成させる事業以外にも、投資事業を奨励する計画です。輸入関税、特許税、看板税、不動産賃貸の源泉徴収税、不動産登録料等への優遇措置を導入します。中小企業による投資には、さらに所得税の免除、付加価値税の軽減などの措置も併せて行うとしています。
 中国の大手不動産会社の破綻が続く中で、こうした優遇措置によりどこまで新規投資を呼び込めるかは未知数と見られます。投資家が、「火中の栗」を拾ってくれることを期待するほかない状況です。今後の動向が注目されます。
(写真は、未完成物件が数多くみられるシアヌークビル)



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中央銀行 年次会合開催 経済は安定的

2024年02月15日 | 経済
 1月25日・26日に、カンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行(NBC)は、2023年の実績を評価し、2024年の業務の方向性を明らかととするための年次会合を開催しました。チア・スレイ総裁は、カンボジアのマクロ経済は安定的であると述べました。
 NBCは、「2023年のマクロ経済と金融セクターの発展及び2024年の見通し」と題するレポートを公表しています。GDP成長率は、2022年5.2%、2023年5.5%から、2024年は6.4%に達すると予測しています。成長要因としては、観光の回復と縫製以外の製造業の堅調を挙げています。他方、縫製業、建設・不動産業の不振は続くものと見ています。
 物価上昇率は、2022年5.4%から、2023年2.1%、2024年2.5%と落ち着いてくるものと予測しています。為替については、NBCは2023年に1億3910万ドルの市場介入(ドル売り・リエル買い)を実施しました。その結果もあって、為替レートは安定的に推移しており、2023年末は4110リエル/ドルとなっており、物価の安定にも寄与しているとしています。
 対外収支については、貿易赤字が8.6%減少する一方で海外直接投資が14.5%増となり、総合収支は黒字となっています。この結果、2023年末の外貨準備は20億ドルを超え、輸入の7か月分という十分なレベルにあります。
 また、カンボジアでは電子支払の浸透が進み、2023年の電子支払総額は、78%増となり、GDPの7倍に達したとしています。電子支払は、金融包摂やリエルの使用促進にも寄与したと分析しています。
 リスクとしては、中国や欧米の経済減速の投資・輸出・観光への影響、世界的金融引き締めの長期化、地政学的緊張、サイバー犯罪等を挙げています。また、不良債権比率の増加、需要減退による建設・不動産業の弱含みにも懸念を示しています。
(写真は、NBCのチア・スレイ総裁。NBCのフェイスブックより)

カンボジア国立銀行のフェイスブック
https://web.facebook.com/nationalbankofcambodiaofficial/posts/pfbid0CbbMkxtSbc4VsZUTBBLyBN2SScN3srG9bMK2wo1tQATF1bNasZm4EYv5c9Vu5kvtl


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海上油田開発 カンボジアとタイ 首脳会談で前向き合意

2024年02月14日 | 経済
 2月7日、タイを訪問したカンボジアのフン・マネット首相は、タイのセター首相と会談しました。タイ湾にある国境係争中の重複主張海域(Over-wrapping Claim Area: OCA)にある油田・ガス田の共同開発に向けて協議することで合意したと発表しました。同海域を巡る交渉が約15年ぶりに本格再開する見通しとなりました。重複主張海域での共同開発に向けて、カンボジアとタイの領有権問題を棚上げして検討を進める方向と見られます。ただ、国境問題が絡んでいることもあり、交渉の妥結は容易でないとの見方もあります。
 タイでは、タイ湾岸産のガス量が減少し、発電用のLNGの追加輸入が必要になっている状況ですが、ウクライナ危機の影響で天然ガス・LNGの価格は暴騰しています。また、タイ国内で消費する天然ガスの約15%を隣国のミャンマーに依存している状況ですが、天然ガスの購入はミャンマーで実権を握る国軍の資金源になるとの批判もあり、これ以上輸入量を増やすことは難しくなっていると言われます。OCA開発によって、中長期的な天然ガスの安定供給を目指しているものと見られます。
 カンボジアとタイの間では、タイ湾の海上の国境線が確定しておらず、双方が領有権を主張する2万6400平方キロメートルの重複主張海域が存在しています。この海域では、石油・天然ガスが豊富に埋蔵されていると見られており、以前から領有権問題を棚上げして、両国で共同開発を行う方向で協議が進められてきました。タイ側は、タクシン政権時代にこの考えに合意し、2001年にカンボジアと覚書の調印まで至りましたが、アピシット政権になってからこれを覆し、交渉は暗礁に乗り上げていました。
 重複主張海域からの原油産出量は、5億バレルとも見込まれており、天然ガスも豊富と見られます。タイとしても既存の海上油田・ガス田が早晩枯渇する可能性が高いことに加え、将来的には再生可能エネルギー等の台頭で石油やガスの需要が減少する恐れも出てきているため、重複主張海域の早期開発に前向きとなっているものと見られます。足元では新型コロナ終息に伴い需要の増加も期待され、国際石油価格は70~80ドルで推移しており、新規油田開発には順風が吹いている状況であり、このタイミングを逃さず開発すべきとの大局観と見られます。
 カンボジア領海内の海上油田ブロックAについては、開発していたシンガポール系のクリスエナジーが破たんして開発は暗礁に乗り上げた形であり、隣接する重複主張海域での開発にカンボジア側でも期待が高まっています。
(地図は、JOGMECサイトより。Area1~4がOCA)

石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)のサイト
タイとカンボジアに跨る未境界画定水域
https://oilgas-info.jogmec.go.jp/info_reports/1007679/1007750.html


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日本商工会議所ミッション カンボジア訪問 首相とも面談

2024年02月13日 | 経済
 2月1~5日、日本・東京商工会議所が事務局を務める日本メコン地域経済委員会は、カンボジアとベトナムに経済ミッションを派遣しました。ミッションには、同委員会の鈴木善久委員長(伊藤忠商事専務理事)を団長に18人が参加しました。カンボジア・プノンペンでは、フン・マネット首相と会談したほか、現地経済団体、日本人商工会などとの懇談会や経済特区視察などを実施しました。
 フン・マネット首相との会談には、ヘン・スアー労働職業訓練大臣、キット・メンカンボジア商工会議所会頭ら政財界首脳も同席しました。日本側からは、各社のカンボジアにおける事業展開について説明するとともに、現地日系企業への継続的な支援、2025年の「大阪・関西万博」期間中の訪日について要請しました。フン・マネット首相は、「物流」「デジタルテクノロジー」「人材育成」「農業」などの分野の同国の取り組みに触れ、カンボジアは進出企業のニーズに合わせ臨機応変に対応する国であり、そのために民間セクターとの懇談が重要との考えを表明しました。また、設置を予定している日本企業に特化した経済特区について、「カンボジア政府として、日本企業が直面する課題の解決、中小企業の進出しやすい環境づくりに取り組む」と述べたとのことです。
 プノンペンのほか、シェムリアップも訪問し、州知事らと懇談しました。また、開発が進む新空港エリアの視察を実施したほか、日本政府が技術協力するスマートシティプロジェクトについてJICAから説明を受けたとのことです。
(写真は、AKPより)

日本商工会議所の発表
https://www.jcci.or.jp/news/jcci-news/2024/0209120638.html


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IMF IV条協議報告書2023 カンボジア経済は回復傾向

2024年02月12日 | 経済
 国際通貨基金(IMF)は、IMF協定第IV条に基づき、毎年加盟国政府と政策協議を行うこととなっています。2023年10月18日から31日に行ったカンボジアとの協議結果詳細について、1月31日にIMFから発表がありました。
 カンボジア経済は、新型コロナからの回復が進み、2022年のGDP成長率は5.2%、2023年は5.3%となっています。電気部品等の縫製品以外の輸出が堅調であることや観光が回復してきていると指摘しています。今後も好調が続くと見ており、GDP成長率は2024年6.0%、2025年6.4%に達すると見ています。他方、リスクとしては、欧米の景気減速や金融引き締めを挙げています。特に中国経済の動向が重大なリスクであると指摘しました。また、国内の民間貸付が高いレベルにあることにも懸念を示しています。
 物価上昇率は、変動はあるものの落ち着きを示しており、2022年5.3%から、2023年2.3%、2024年3.0%となると見ています。財政については、新型コロナ対策の現金支援等によって、財政赤字が拡大しましたが、2021年の赤字(対GDP比)は7.1%にとどまり、2022年1.0%、2023年3.6%、2024年2.0%と落ち着いてくると見ています。
 国際収支は、経常収支の赤字(対GDP比)が2021年42.0%まで拡大したものの、2022年26.1%、2023年2.1%、2024年5.9%と落ち着いてくるものと予測しています。外国直接投資等が堅調で、2023年末の外貨準備は208.69億ドルと輸入の7.4カ月分、2024年末233.48億ドル(同7.7か月分)という十分なレベルと予測しています。2023年の公的債務返済比率は1.5%であり、対外債務の状況について「低リスク(青信号)」に分類しています。
 IMFの理事会では、このレポートに基づき、カンボジアの新型コロナからの経済回復を評価しました。しかし、これまでの主力輸出品である縫製品の輸出が弱含んでいることには懸念を示しました。また、中期的な中国の構造的経済減速の影響に強い懸念を示しました。理事会は、カンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行に対して、銀行監督の強化と金融政策の平常化を提言しています。また、中期的な課題として、変化する経済環境に適応した人的資源の確保、運輸・電力・通信等の基盤インフラへの投資の必要性を指摘しています。
 非常に詳細な英文のレポートですが、統計数字等については最も信頼が置けます。下記のIMFのサイトをご覧ください。
(写真は、日本の円借款で整備された国道5号線)

IMFの発表(英文です)
https://www.imf.org/en/News/Articles/2024/01/30/pr2431-cambodia-imf-executive-board-concludes-2023-article-iv-consultation?cid=em-COM-123-47831


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メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2024年02月12日 | 一般
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中国正月2024

2024年02月11日 | 社会・風土
 2月10日は旧正月で、アジア各国ではお休みのところも多かったと思います。カンボジアでは、1月1日のインターナショナル・ニューイヤーに加えて4月にクメール正月があります。この2月の旧正月も「中国正月」と呼ばれ正式なお休みでは無いのですが、華僑系の方々を中心になんとなくお休みだったり、お年玉が行きかったりと言うところが多いようです。プノンペンの街中は車やバイクも少なくなっていて、閑散としています。
 街には中国舞踊団が繰り出し、鉦や太鼓に合わせて獅子舞や龍の舞を披露して回っています。ご先祖様のために、家の前で紙のお金や車を燃やしています。燃やす紙のお札が100ドル札だったり、紙の車がレクサスだったりします。
(写真は、エクスチェンジスクエアの正月飾り)

コンビニでもお年玉用の中華風ポチ袋を並べています。


イオンで売っていた燃やしてご先祖様に届けるための偽ドル札。精巧です。ユーロやバーツもありましたが、円はありませんでした。



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シェムリアップ 日本人パティシエのカフェ CAFE Roly Poly

2024年02月10日 | 生活環境
 シェムリアップ東部の日本人パティシエのご夫妻が経営されているカフェ「CAFE Roly Poly Home Roasted Cambodian Coffee」です。シェムリアップでも落ち着いた地区にあり、一軒家カフェなので、静かな雰囲気です。メニューは、こだわりのコーヒーや素晴らしいスイーツが並んでいます。フード類も豊富で、カレーも人気だそうです。今回は、植木鉢に入ったティラミス(写真上)、クリームキャラメル、水出しコーヒー等をいただきました(アイスコーヒーに入っている氷もコーヒーを凍らせたものです)。プレゼンも味も素晴らしいものでした。お客さんは日本の方や西洋系の方が多いようでした。お子様連れの方もいらっしゃいました。午後の時間帯でしたが、満員の盛況でした。ここはお薦めです。シェムリアップ訪問の際はぜひお立ち寄りください。

CAFE Roly Poly Home Roasted Cambodian Coffee
https://web.facebook.com/cafe.rolypoly

店内は明るく落ち着いた雰囲気です。この後、あっという間に満員になってしまいました。



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2023年第4四半期 カンボジア信用機構報告 不良債権比率が警戒水域に

2024年02月09日 | 経済
 2月1日、カンボジア信用機構(CBC)は、消費者信用指標四半期報告(2023年第4四半期)を発表しました。CBCは、多重債務者を防止する目的で、金融機関から集めた信用情報を集積し、各金融機関の貸付審査にその情報を提供しています。四半期報告では、消費者信用申請状況、消費者信用供与状況、消費者信用の不良債権情報等を取りまとめています。
 今回の報告では、消費者信用申請については、対前期比で、件数は5%増、金額は10%減となりました。その内訳は、個人向け貸付が件数7%増、金額11%減、住宅ローンは件数7%減、金額1%減、クレジットカード利用は件数14%減、金額6%減となっています。
 消費者信用供与状況では、消費者信用借入人数が、対前期比4.5%増の約176万人となっています。残高は、前期末比0.5%増の150.1億ドル(約2兆2210億円)となりました。
 不良債権比率は、2020年第1四半期1.61%、第2四半期2.64%、第3四半期2.42%、第4四半期1.91%、2021年第1四半期2.24%、第2四半期2.57%、第3四半期2.56%、第4四半期2.03%、2022年第1四半期2.35%、第2四半期2.47%、第3四半期2.60%、第4四半期2.51%、2023年第1四半期3.28%、第2四半期3.96%、第3四半期4.71%、第4四半期5.14%と推移しています。借入人の29.9%が複数の機関から借り入れを行っています。新型コロナの影響で返済に困っている借入人については、各金融機関が返済期限の延長等に応じてきましたが、この支援措置が2022年6月末で終了したこともあり、不良債権比率が上昇しており、ついに5%を超えて警戒水域に入ってきました。
 新規貸付需要は新型コロナの国内感染の拡大を受けて2021年~2022年は概ね横ばい状態でした。2023年は、第1四半期の大幅増、第2四半期の減少の後、第3四半期・第4四半期は盛り返しています。しかし、不動産向けの落ち込みが続いており、不動産向けの貸付需要の減退が現実化してきたものと見られます。
 なお、こうした基礎情報が、定期的に公開されることは、金融セクターの健全性維持の観点からも重要性が高いものと見られます。
(写真は、プノンペン南部の大規模開発)

カンボジア信用機構の発表(英文です)
https://www.creditbureau.com.kh/press/consumer-credit-index-report-quarter-4-2023/


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2023年 カンボジアから日本向けの輸出 順調に増加

2024年02月08日 | 経済
 日本の財務省貿易統計によりますと、2023年(1月~12月)のカンボジアから日本への輸出額は、対前年比5.8%増の2690億7707万円でした。また、カンボジアの日本からの輸入額は、対前年比4.8%増の704億8709万円でした。
 カンボジアから日本への主力輸出品である縫製関係は横ばいでした。衣類(構成比59.4%)は対前年比0.0%減の1598億4600万円、はき物(構成比11.7%)は3.0%増の313億9816万円、バッグ類(構成比8.6%)は7.4%増の230億2084万円となりました。日系企業が製造していると見られる自動車部品のワイヤーハーネス等の電気機器(構成比10.4%)は、37.7%増の280億4521万円と大幅増加でした。
 日本からの輸入品では、電気機器(構成比18.3%)は、対前年比38.0%増の129億2250万円となっています。一般機械(構成比11.9%)は28.9%減の83億9380万円となりました。輸送用機器(構成比17.3%)も6.7%減の122億958万円となりました。自動車(構成比6.9%)が20.5%増の48億7144万円となった一方、自転車及び同部品が26.2%減の39億8229万円となったためです。この他、肉類(構成比12.3%)は21.7%増の86億9080万円となりました。日本の高級牛肉と思われますが、その大半は中国に再輸出されていると言われています。
 2023年の対日貿易については、新型コロナの影響を引き続き受けるものと見られていました。しかし、輸出については、予想以上の健闘を見せた縫製・はき物・バッグ等の伝統的輸出品に加えて、日系企業が製造していると見られる電気機器の輸出が増加して、総額でも増加となりました。なお、2023年は円安が進んだために円建てでの金額が大きくなっているという要因もあるものと見られます。
 カンボジアからの輸出先(2023年)は、1位は米国で対前年比0.8%減の88億9744万ドル(約1兆2900億円)で、全体の39.3%を占めています。2位ベトナム、3位中国に次いで、日本は4位となっています。日本向けの輸出が順調に伸びていることは、輸出先の多様化や輸出品目の多様化といったカンボジア経済にとって重要な課題への対応にも貢献するものです。引き続き日本向けの輸出振興に向けた官民協力しての努力が期待されます。
(写真は、日本からの円借款等の支援で整備されてきたシアヌークビル港) 

日本の財務省のサイト
https://www.customs.go.jp/toukei/search/index1.htm


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2023年交通事故件数は引き続き増加 飲酒運転取り締まり強化へ

2024年02月07日 | 経済
 国家交通安全委員会によりますと、交通事故件数は、2021年2670件、2022年2976件から、2023年3317件(対前年比11%増)へと増加を続けています。死亡者数は、2021年1497人、2022年1709人、2023年1590人(同7%減)となっています。負傷者数は、2021年3615人、2022年4026人、2023年4515人(同12%増)となりました。なお、届出されていない事故や死傷も多数あると見られます。新型コロナの影響で交通量が減ったことと、2020年5月から交通違反罰則金を大幅に引き上げる等の交通法規の厳格化がなされたこと等から、2020年~2021年は交通事故が減少していましたが、2022年~2023年は再び増加に転じました。
 交通事故の主な原因としては、スピード違反、飲酒運転、未熟運転・無謀運転・不注意運転、無理な追越し等が挙げられています。また、オートバイの死亡事故、特にヘルメット不着用の死亡事故が目立つと指摘されています。国家交通安全委員会が国連開発計画(UNDP)と共同で行った調査によりますと、交通事故による損害額の合計は4億6600万ドル(約690億円)に達するとのことです。
 日本国内における2023年中の交通事故による死者数は2668人です。車の台数等を考えると、カンボジアでは日本と比較して約100倍も死亡事故が発生していると言われます。
 交通事故は、カンボジアにとって重大な問題となりつつあります。カンボジア政府も取り組みを進めており、フン・マネット首相は、1月23日にカンボジアの交通事故で大きな原因となっている飲酒運転の取り締まり強化・アルコール飲料の広告規制強化等を表明しています。また、富裕層に有利と言われ、国民の怨嗟を招いている交通事故関連裁判についても迅速化を図る方針です。この他、交通事故を起こした違反者の資産差し押さえ等も強化される見込みです。
 カンボジアでは、交通安全教育や交通インフラにおける安全対策等によって、交通事故を減らしていく努力が引き続き必要とみられます。また、海外からの支援についても、今のところ交通安全対策は重点となっているとは言い難いところがあるため、ドナー各国や国際機関にその重要性を訴えていく努力も必要と見られます。特に、交通事故死亡者数を大幅に減らしてきた日本のノウハウをカンボジアで活かす機会も十分にあるものと見られます。
(写真は、首相の取り締まり強化指示の契機となった飲酒運転事故。プノンペンポスト紙より)



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北九州市 カンボジアで上下水道セミナー

2024年02月06日 | 経済
 1月16日~18日に、北九州市等は、プノンペンで「日本・カンボジア上下水道セミナー2024」を開催しました。北九州市は、カンボジアに上下水道分野で長く協力を続けており、プノンペンの上水道を劇的に改善した「プノンペンの奇跡」の立役者です。上下水道セミナーもこの一環で、2008年から開催され、今回で16回目となります。セミナーには、ハェム・ヴァンディ工業化学技術革新大臣、兼尾明利北九州市上下水道局長他300人以上が参加しました。
 今回のセミナーでは、日系企業の海外での事業展開やカンボジアの水道普及が安全かつ持続可能となることを目指して、カンボジアの関係者・行政機関と議論を行ったとのことです。また、ワークショップや日本の企業による展示会も実施されました。
 上水道セッションでは、カンボジアの国家目標である水道普及率の向上等に向けて、「高機能なこれからの水道システム」をテーマにパネルディスカッション等が行われました。下水道セッションでは、下水道管の維持管理及び浸水対応能力向上をテーマとしました。
 北九州市は、20年以上に渡りカンボジアの上下水道の普及・改善に協力しています。その結果、まず、首都プノンペンの上水道が劇的に改善し、世界でも珍しい「飲める水道水」を実現しました。また、引き続き、地方都市の上水道普及にも大きく貢献しています。更に、昨年完成したカンボジア初の下水処理場についても多大な協力を行っています。これまでの関係者の方々のご尽力に感謝するとともに、今後とも息の長い協力の継続を期待しています。
(写真は、カンボジア初の下水処理場)

北九州市の発表
https://www.city.kitakyushu.lg.jp/files/001071208.pdf


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GIZ報告書 EUからの直接投資を誘致するカンボジアの魅力

2024年02月05日 | 経済
  2023年12月に、ドイツの国際協力公社(GIZ)は、「EUからの直接投資を誘致するカンボジアの魅力」と題するレポートを公表しています。このレポートは、カンボジア欧州商工会議所と協力して、カンボジア等の東南アジア諸国に進出している主要企業へのヒアリング結果を基にまとめられたものです。
 報告書では、EUからのカンボジアへの投資は、周辺諸国向けに比べて低調であるとしています。そのため、EUからカンボジアへの投資を促進する魅力、カンボジアへ投資する際の優先分野、投資を阻害している要因等について調査しています。
 調査結果は、政策(法規制・投資環境)、労働(労働コスト・技術レベル)、エネルギー(電力の信頼性とコスト)、物流(物流の状況と物流ハブへの連結性)、促進策(魅力ある投資先国としての認知度)、支援策(政府等によるビジネス開始・拡大のための支援)等の分野別に取りまとめられています。
 カンボジアについて、直接投資誘致において周辺諸国と比較して大きな潜在力があると見ています。特に、チャイナプラスワンのトレンドに沿った軽工業分野での投資に可能性があると分析しています。他方、投資誘致の課題としては、複雑な税制、不透明な通関、官僚的な対応、熟練労働力の不足等が挙げられています。

GIZの報告書(英文です)
https://data.opendevelopmentcambodia.net/en/dataset/650e865f-209a-446e-8038-e2eff72248ba/resource/eb585ff9-2a81-4dbe-96ca-da157f9c0535/download/659bb412826598d3bfafb3b6_eu_fdi_market_attractiveness_report.pdf


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メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2024年02月05日 | 一般
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バッタンバン 和食が味わえるカフェ Café HOC

2024年02月04日 | 生活環境
 バッタンバン中心部にある和食も味わえるカフェ「Café HOC」です。HOCは、Hope of Childrenの略ということで、ノリア孤児院の子供たちに職業訓練と働きの場を提供しているとのことです。この孤児院は、日本人女性の方が長く支援を続けていらっしゃいます。日本語を話すスタッフの方もいました。店内は、池があったり、牛車が置いてあったりして、落ち着いた雰囲気で、孤児院の写真等も展示されています。メニューは、和食とクメール料理がメインです。野菜は、自家農園で育てているものを使っているそうです。今回は、餃子と肉巻き野菜をいただきました。普通の和食で、美味しくいただけました。朝ごはん、昼ごはんもやっているとのことで、定食、丼もの、麺類等、メニューは豊富です。お客さんは、海外の方も地元の方もいらっしゃいました。お勧めです。バッタンバンにお越しの際は、ぜひお試しください。

Café HOC
https://hopeofchildren.net/index.html
https://web.facebook.com/coffeehoc

餃子(3ドル)。美味しかったです。



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