英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

将棋雑感 ~竜王戦、挑戦者決定戦は丸山×山崎~

2012-08-09 17:02:14 | 将棋
 渡辺竜王への挑戦者決定戦三番勝負は、丸山九段×山崎七段となった。
 私の予想は左の山は深浦九段、右の山は豊島七段だったが、見事に外れてしまった。

 左の山は、現A級で竜王戦一組優勝者で、実力とシードの優位さといった点を考慮したということもあるが、単純に渡辺×丸山戦より、渡辺×深浦戦の方が面白いと思ったからである。正直に言うと、今年も渡辺×丸山戦だったらガッカリである。
 右の山は山崎七段が出てくれば面白いと思っていたが、挑戦者決定戦に進出するには藤井九段×豊島七段戦の勝利者に勝ち、さらに飯島七段×佐藤(天)七段戦の勝者を破らなければならない。2連勝はともかく、初戦が大変だと見ていた。
 藤井×豊島戦は予想通り豊島七段が勝利した。こうなると山崎七段は苦しくなったと見ていたが、とんだ認識不足で両者の対戦は山崎七段にかなり分がある対戦となっていたようだ。
 将棋は大熱戦の末、豊島七段が勝利に近づいたと思われる局面となった。しかし、そこから豊島七段が変調になり、山崎七段の逆転勝ちとなった。

 この将棋を観て、両者の相性がよく分かった。
 山崎八段は玉の薄い将棋のツボを捉えている。薄い玉だが、どのくらい耐久性があるか、また、玉の脱出口をどこに見出すか、また、相手陣のどこが急所になるのかなど、局面把握能力が優れている。
 なので、対局相手にしてみれば、「ここは守りに手をかける」と思うところでも攻めてくるなど、読み筋が合わない。
 もちろん、山崎七段の手すべてが最善手ではないので(それなりの手であるのは言うまでもない)、意表を突かれても局勢としては均衡を保てていることは多い。
 とは言え、将棋の流れとしては意図しない方向に持っていかれるので、疲労度は大きい。特に、局面局面を読み切ろうとする豊島七段は、徐々に消耗していくのであろう。この将棋、比較的自然で優しい手を逃してしまったのも、そのせいだろう。

 挑戦者には、山崎七段に是非名乗りを上げていただきたいところだが、丸山九段の高潮(波ではない)に埋没してしまいそうな気もする。
コメント
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