英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

将棋雑感 ~「羽生三冠、今期勝率8割に」「ワンサイドの竜王戦」他~

2012-11-03 22:46:35 | 将棋

 11月に入り、今期も7カ月を過ぎた。昨年は9月終了段階で2011年度上半期棋士活躍度ランキングを集計していた。今年もと思ったが、羽生三冠が名人戦で敗れたものの、棋聖、王位を防衛、王座戦も優位に進めていたので、心に余裕があったため(集計するまでもなく、1位は安泰。昨年度は、名人失冠、棋聖防衛、王位に復位したものの王座はストレート負けで失冠していた)、省略させていただいた(かなり大変なんですよ)。

羽生三冠、今期勝率8割に
 今年度の羽生三冠は名人戦で敗退した後、10連勝と怒り狂ったように勝ち続けた。7月末の2連敗後、8月は6勝1敗、9月6戦全勝、10月6勝1敗、一段階レベルアップしたかのような強さを発揮し、10月末現在で36勝9敗で勝率が8割に到達した。
 名人戦以後は28勝4敗、勝率.875、ここ三カ月は18勝2敗で、何と9割である。名人戦で敗れたのが不思議で仕方がない。

 このタイミングで記事に取り上げたのは、理由があった。その理由とは、通算成績が1213勝461敗、勝率は.7246で、通算勝数が谷川九段と並んだのである。谷川九段に追い付くのはまだ先だと思っていたが、谷川九段の不調(今期3勝9敗)と羽生三冠のハイペースにより、予想より早く追いついてしまった。
 これで、歴代1位の大山15世名人1433勝、2位タイの中原十六世名人、加藤九段の1308勝に次ぐ歴代4位タイとなった。
 それにしてもハイペースである。森内名人の通算勝率は.6395(816勝460敗)でかなりの高率であるが、森内名人が現在の羽生三冠の成績に並ぶには、397勝1敗という漫画的勝率が必要となる。


ワンサイドの竜王戦
 名人戦の結果と同様に、あれだけ勝っている羽生三冠がどうして挑戦者じゃないのだろうと思ってしまう竜王戦。
 挑戦者は本戦トーナメント進出者決定戦(1組4位決定戦)で羽生三冠に勝ってしまった丸山九段。丸山九段は昨期A級を陥落し、今期B級順位戦も振るわず、更に今年度の成績も14勝15敗と冴えない。これは一時的ものだと思っていたら、さっそく竜王位挑戦、流石である………と思っていたが
 昨年と同じ顔合わせだが、戦型も結果も昨年のVTRを見るかのようだ。
 戦型が同じでも結果が同じでも構わないが、その内容があまりの出来。終局時間も中継開始の遥か前というのも興業的にも問題であるが、内容が面白ければ許される。
 しかし、定跡(研究)手順をなぞっていき(第1局は変化する可能性もあったが丸山九段が研究形に戻した)、そこから離れてすぐ大勢が決してしまった。
 これでは、「最終回スペシャル」と銘打ったドラマが、延々過去のハイライトを流されてて、最後の10分だけラスト(しかも予想されたもの)を見せられたようなもので、まったく面白くない。
 丸山九段は対局料を返上した方がいいのではないだろうか。第3局も同様だったら、丸山九段は投了時に自慢の扇子をビリビリ破るぐらいのパフォーマンスを見せて欲しい。

羽生さん、強いよね
 A級に昇級して喜び過ぎたのか、順位戦は4連敗、その他の棋戦も精彩がない橋本八段、NHK杯のインタビューではやってくれた。
 「豊島?強いよね」の佐藤紳哉六段の完全コピーを披露した。対局相手が羽生三冠であるので、やるんじゃないかと思っていた。
 それにしても、身体の揺れや、咬むところまで再現するとは(笑)
 結果は、羽生三冠の勝ち。五連覇に向けて発進した。


その他の棋戦
 A級順位戦は羽生三冠と三浦八段が4戦全勝、渡辺竜王と佐藤王将が3勝1敗で続いている。2勝2敗の屋敷九段と深浦九段も挑戦の可能性を残しているが、ほぼ4人に絞られたと考えて良いだろう。降級は橋本八段と高橋九段が4戦全敗、郷田棋王と谷川九段が1勝3敗と厳しい状況。
 棋王戦は渡辺竜王、羽生三冠、佐藤王将、広瀬七段がベスト4。このうち渡辺-広瀬戦は渡辺竜王が勝ち、本戦決勝に進出した。
 王将戦は、深浦九段が3勝0敗、渡辺竜王が2勝0敗、羽生三冠が2勝一敗。他の4名(久保九段、豊島七段、郷田九段、飯島七段)は2敗以上しており、挑戦権は難しい。次局に渡辺-深浦戦が組まれており、この1局が挑戦権の行方を大きく左右する。
 将棋日本シリーズは、準決勝の久保-丸山、羽生-佐藤康戦が行われ、決勝は羽生-久保戦となった。羽生三冠は三連覇まであと1勝。
 この準決勝を含め、羽生-佐藤戦が重要なところでぶつかる。A級順位戦は次局、棋王戦は本戦準決勝、王将戦も羽生三冠が挑戦者となる可能性がある。
 女流王座は、第2局も加藤女流王座が勝ち、防衛まであと1勝となった。2連敗の本田女流三段は苦しくなった。実力的にもやや差があるように思われるが、斬り合いではなく、加藤女流王座の攻めをプレッシャーを与えながら受け、カウンターや加藤女流王座の攻め急ぎを誘うような展開になれば勝機があるかもしれない。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする