英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『空飛ぶ広報室』 第4話「美女がオッサンになった理由」

2013-05-06 21:08:49 | ドラマ・映画
「女が職場で戦うには二つの方法がある。
 女を武器にするか、女を捨てるか」
「男と女が、男と女にしかなれない世界なんて、つまらないと思う」

(男と女の友情があってもいい)


今回は職場における男女差別(女性への偏見)
 リカの臨時上司の理不尽な扱いをきっかけに、柚木(水野美紀)がオッサンになったの過去のトラウマが主題
 今回は細かい説明は不要。意味のある思いのこもった台詞が多かった。


「女はダメ」という色眼鏡でしか見ない男性上司を、罠に嵌めるリカ
「恩を売っても喧嘩は売るな」と釘を刺した阿久津チーフディレクター(生瀬勝久)に叱られる。
その阿久津の言葉
「でも」、「だって」、「だから」…女はすぐそれだ。…ああ、女は関係ない、女房の口癖だ」

私は普通に働きたいだけなんです、男も女も関係なく。
 だから、女を理由に馬鹿にする男がいたら、私はできる限り戦います。
 トイレで黙って泣くくらいなら、面と向かって「理不尽だ」って言ってやった方がいいと思うんです」
「まんまと相手をハメて、言いたいことを言って、さぞかし気分がいいでしょうねぇ。
 自分はただのヘルプだしぃ…でも、同じ場所でずっと働かなければいけない女性が、あなたみたいな軽率なことしたら、どうなると思う?
 『理不尽だ』って叫べば叫ぶほど、泥沼にはまることもある
……自分の知っている世界だけがすべてだと思わないで」


 柚木は、女性幹部候補として部隊で特別扱いを受け、「私が女だからって、特別扱いしないでください」と訴え、余計にこじれて、孤立した過去があった。
 男所帯の部隊で女たったひとりで孤立。そうなると、女性ということが邪魔にしかならず、オッサンになった(女を捨てた)

 槙(高橋努)は、柚木の後輩で、柚木の細やかな気遣いの中に凛とした女性の強さを感じ、思慕の情を抱いていた。


 そんなある日、リカ、柚木、空井、槙は防衛大学を訪れる。
 そこで、剣道部の女子部員が稽古の厳しさに耐えられず、物陰で泣いているのを目撃する。
 声を掛けようとするリカを止め、税金を使っている学生に優しい言葉は不要と言う。

「女だから、体力も力も負けていて、全然かなわなくて…。
 でも一番悔しいのは、こんなことぐらいで泣いてしまう自分自身です」(剣道部員)

そんな彼女をやるせない表情で見つめ、立ち去る柚木に
「何か一言ぐらい」(リカ)
「言うことなんてない。彼女の言ったことはその通りだし、ここは女だからって、甘やかしてくれるような場所じゃない。
 今はまだいい。仲間もいる。でも、ここを出たら、新米幹部としてひとりで現場に着かなきゃなんない。待っているのは自分よりベテランの部下、右も左もわからない女の上司なんて、煙たがられるのがほとんど」

「女を捨てることで……そうするしかないんですか?さっきの子にもそう言うしかないんですか?
 女を捨てるのって、敗北じゃないんですか?
 私は女を武器にするのも、捨てるのも、どっちも嫌です。
 普通に仕事をして、普通に認められたいんです。
 柚木さんのいる世界では、それ、無理なんですか?
 何か、あの子にあげられる希望みたいなもの、ないんでしょうか?

「私たち、あの子よりずっと長いこと女をやってきたわけでしょう。
 なのに、『女も案外、悪くないよ』って、言ってあげること出来ないんでしょうか?」


槙、柚木に竹刀を渡す……

……道場で、次々に部員たちを打ち負かす柚木。
  その姿を見て、勇気づけられる女子部員。


「後輩に稽古を付けながら言っていた。
 『訓練は、勝ち負けじゃない。昨日までの自分を超えることだ』って」

「戦うべき相手は男ではなくて、自分自身か…」


「やめませんか、もう!無理にオッサンひけらかすのは。
 過去のことは…超えればいいじゃないですか!きつい思いをしたかもしれないけど」
「ずっと思ってました。いつまで過去を引きずって、いつまでオッサンの芝居を続けるんだろうって」

「あんたには分からない!弾かれたことのない、あんたには」
『女のくせに』、『だから女は』って、私はそれしか言われなかった。………だから私は…」
「鷺坂室長はどうなんです?広報室のみんなは?……みんな、あなたがオッサンだから、仲間として接しているわけじゃない。なのに、一人で引きずって、オッサンの振りして…滑稽ですよ」
「見てて痛々しいんです。……今まで先輩が、どんなやつらと接してきたのか知らない。
 だけど、俺たちを…俺を、そんな奴らと一緒にするなあ!」
 


 
【ストーリー】番組サイトより
 初めての自分の企画が好評でホッとしたリカ(新垣結衣)と、初めてメインで担当した企画が好評で喜ぶ空井(綾野剛)。リカは次の企画も任せてもらえることになり、女性自衛官を取り上げたいと柚木(水野美紀)に新企画の協力を求める。だが、自分に女性目線を期待するなんてどうかしていると一喝されてしまう。
 一方、入間基地でマスコミ向け公開訓練を行うことを柚木に伝える鷺坂(柴田恭兵)は、「本来なら柚木を行かせるところだが…」と口を濁す。昔、柚木の下にいた古賀准尉(的場浩司)が訓練に参加することにどうやら理由があるようだ…。


 ひょんなことから珠輝(大川藍)と空幕広報室のメンバーとの合コンをセッティングさせられたリカ。合コンにノリノリの片山(要潤)より無骨な槙(高橋努)が女性陣に人気があり不思議に思っていると、空井から企画の参考にもなるからと、防衛大出身の槙と防衛大に見学に行かないかと誘われる。
 見学当日、リカが空井との待ち合わせ場所で待っていると、リカの前に現れたのは空井ではなく柚木だった。槙と同じく防衛大出身の柚木が学生時代に所属していた剣道部へと向かうと、剣道場から飛び出してきた女子学生(石橋菜津美)が泣いているところに遭遇する。心配するリカに反して、柚木は厳しい言葉を投げつけるだけ…。
 そんな2人の後をこっそりと追っていた空井と槙。柚木の態度を見かねた槙は、学生時代の柚木をリカらに打ち明け、過去が徐々に明かされていく…。
コメント (6)
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『八重の桜』 第18話 「尚之助との旅」

2013-05-06 01:45:22 | ドラマ・映画
尚之助と八重の周辺諸藩見聞の旅
背炙峠(大砲の鋳造所予定地)、猪苗代湖南(大砲の輸送経路)、白河の関(激戦の過去を思い、今後の会津を憂う)、白河小峰城(白河だるまを買う)、二本松(幼年者の銃の修練場を見学)などを巡る。
 今後の戦に備え、策を練ることが目的であったが、「会津周辺の史跡名勝巡り」という趣も。
 白河の幼年者が、銃の修練に励む姿を視るのは心が痛む。
 銃を撃つお手本を見せる八重だが、引き金を引く寸前に力が入りすぎ、銃身を後ろに引っ張ってしまうのは、いただけない。

尚之助の仕官
「居候では外聞が悪い」という権八だが、尚之助は「学問や銃のためには、今のままが都合がよい」
と理由を付けるが、「男手のいない家を守るため」だと八重は察する。
「会津に来てもう10年です。……ここは私にとっても、住み慣れた我が家なのですよ」
「……はい」

 尚之助は、各地の見聞録や軍備増強策を提出するが、守護職就任以来かさみ続ける出費により、もはや藩には尚之助の献策を実現させる余力はなかった。
 それでも、他の策を見出そうとあきらめない尚之助だった。

尚之助はヤン・ウェンリー
 今回まで、「1を聞いて10を知る」「運動は苦手」「柔軟な発想」「金や権力にこだわらない」「柔らかな物腰」「思慮深く、人を思いやる」などの人間性を見せてきた尚之助だが、これらは『銀河英雄伝説』のヤン・ウェンリーと合致する。
 今回、乏しい財力でも、それなりの策を見出そうとする姿、妻に後れを取る体力などを見て、その意が強くなった。
 八重は、さしずめ、アッテンボローかユリアンか。

 
一方、京の会津藩
秋月悌次郎(蝦夷)、山川大蔵(独・仏・露)が復帰
「美しかったぞぉ、八重殿の花嫁姿ぁ」
「そうか、美しかったかぁ、あのお転婆があ」
「(うん、うん)」(嬉しそうに、感慨深げに頷く大蔵)

覚馬は、薩摩も長州も戦力が揃っていて、今、戦をすれば、ねじ伏せられるのはこちら(幕府・会津)だと自覚。

「ええじゃないか踊り」の世相、民衆の気持ち(政治への不満や鬱憤)を大垣屋清八が代弁。

幕府政治派共和政治派、それぞれの動き
 「幕府・武士の統領=徳川家」と、徳川家に尽くす会津藩だが、当の徳川慶喜は、徳川家さえ守れさえすればよいと大政奉還を受け入れると腹を決める。(豊臣家の末期に似ている)
 とは言え慶喜も、260年続いた徳川幕府の幕を引くことにストレスを感じ、食欲に走り紛らわそうとするが、戻してしまう。

 共和政治派も土佐藩と薩摩・長州藩では方向性が異なっていた。
 土佐藩の倒幕は、徳川家による幕府政治を終わらせることで、「大政奉還」を迫る。
 薩摩・長州の倒幕は、徳川家を滅ぼしてこそ新しい時代が来るというもので、今にも戦を始める意志。
 しかし、慶喜に大政奉還されてしまっては、戦の大義名分がなくなってしまう。
 そこで、岩倉具視が朝廷に「徳川家・会津藩を討て」との勅命を出させようとする。さらに、朝敵討伐の証として、天皇から官軍の大将に与える錦の御旗(にしきのみはた)のねつ造も謀る。


【ストーリー】番組サイトより
 会津の防衛に不安を抱いた尚之助(長谷川博己)は、八重(綾瀬はるか)を連れて周辺諸藩見聞の旅に出る。二本松に立ち寄った2人は、熱心に砲術教練に励む少年隊士たちに出会う。二本松藩では変事に備え、藩士は皆、鉄砲を学ぶようにとの通達が出されていたのだ。
 会津に戻ると、尚之助の仕官が許され、八重も権八(松重豊)や佐久(風吹ジュン)と喜び合う。尚之助は早速、各地の見聞録や軍備増強策を提出するが、守護職就任以来かさみ続ける出費により、もはや藩には尚之助の献策を実現させる余力はなかった。
 そのころ、京にいる慶喜(小泉孝太郎)や会津藩士のもとに、薩摩兵千人が大坂に入ったという知らせが入り…。
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