英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

耐えられない手順、悲し過ぎる投了図 【名人戦第5局】

2013-05-31 19:32:55 | 将棋
 負けてしまいました。
 いいところなく、為す術もなく……。


 図の△3七銀は森内名人の新手。その2手前の△6五歩が前例は2局しかなく、それも最初の2局だけで、その後の23局はすべて△2四歩らしい。
 この△6五歩の時点で、森内名人の研究範囲だと推測でき、嫌な予感がした。そして図の新手△3七銀!。前例の2局は△2四銀と△1四銀の受けの手だが、この△3七銀は先手の攻めを真っ向から抑え込もうという手だ。△3七銀と打つ手は他の形ではあり、6五の歩の拠点もあり、良い手のように思えた。


 第1図より飛車が逃げ、銀が成り返り、桂取りを防いで▲1四銀と打った局面。
 この銀で先手の1筋の圧力は増したが、資本を掛け過ぎで▲1五香と走って端を突破できなければおかしい。その上、次に後手から嫌な手が見えると思っていたら……
 
 第2図以下△2五成銀▲同銀△1三桂と進み第3図。

 後手からすると桂銀交換の駒損だが、その損は△6六桂と打てばお釣りが貰えそう。しかも、▲2五同銀と引かされ、1三の歩を支えていた桂も銀の利きがなくなり、△1三桂と拠点の歩を払われてしまった。
 ただ、この端桂は悪形で▲1四歩や▲1四桂と打たれる弱点がある。
 この局面で羽生三冠が封じて1日目が終了。私はこの時点で勝てない気がした。△6六桂が痛すぎて良くなるとは思えない。先手の飛車と角の位置が悪すぎる。
 封じ手の候補は①▲1四銀、②▲3六銀、③▲3四銀が考えられ、①▲1四銀が本命だったが、羽生三冠の封じ手は②▲3六銀だった。結果論かもしれないが、③▲3四銀△同金▲1五香とすすめた方がましだった気がする。


 第4図の▲1四歩は封じ手の意思を継いだ手。1四に歩か桂を打つために3六に銀を引いたのだ。とは言え、後手の8六の歩が先手の喉元に刀を突きつけられているようで、相当な圧迫感だ。それを放置しての▲1四歩の勝負手………だったはず。

 第4図より△2五桂!
 桂を逃げた手だが銀で取られてしまう。一手掛けて取らせるという奇手と言っていいだろう。
 羽生三冠は取らずに▲4五歩。これなら、▲1四歩と指さずに▲4五歩の方が遥かに得。▲4五歩の狙いは▲4四歩△同金▲7一角の筋だが、それを避けて△8五飛(第5図)は気持ちよすぎる(次に△8七歩成がある)。



 泣く泣く▲8八歩と受け、△3七桂成を甘受。


 桂を取るために▲1四歩を打ったはずなのに……。△2五桂と取れと言われたのに取れず……。
 △3七桂成と成り込まれ逆に銀取り………
 銀を取られると4五に飛車を転回されるので▲7七桂と跳ねて飛車を追い▲4四歩と切り込むが、平然と△3六成桂と取られ▲4三歩成に△8七角を決められ△4三飛と結局4筋に転回されてしまった。



 悲し過ぎる投了図。
 先手の拠り所の1三の歩を桂で払われ、その桂を取りに行ったのに成り込まれ銀まで取られる。
 差し違えに行ったはずの4筋をを逆用され飛車を転回されてしまう。
 痛い△6六桂を喫し、8筋も破られた。
 先手は1筋さえも破れなかった……


 シリーズ1勝4敗で、スコアも内容も惨敗。
 羽生三冠の変調もあったが、森内名人の強さが際立った。
 正直、来期の名人戦は「森内×渡辺」戦を観たくなった。

 羽生三冠は残念過ぎる結果だったが、棋聖戦以降の巻き返しを望みたい。
コメント (8)
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歳時メモ ヒメジョオンの季節に

2013-05-31 15:48:23 | 歳時メモ
「歳時メモ」と勝手に銘打っていますが、このカテゴリーの意味は、植物の様子や気候などをメモして、翌年以降に現記事を振り返ると、季節の進み具合が分かりやすいかなと思い、記事にしています。

 フランスギク(マーガレットに似た花)は最盛期をやや過ぎた感じ、その代わり、オオキンケイギクが目立ち始めた。
 そして、ハルジオンに代わり、ヒメジョオンがあちこちで咲き始めた。以前、あちこちに咲くセイタカアワダチソウを揶揄して、「エブリホエア」と名付けたが、「至る所に」という意味では、ヒメジョオンの方が一枚上かもしれない。
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