英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『空飛ぶ広報室』 最終話「2年後の再会~二人で大空に描く未来 」

2013-06-24 19:53:58 | ドラマ・映画
 まず、最初に断わっておきますが、私は『空飛ぶ広報室』が今クールの中でベストドラマだと思っており、最終回も非常に良かったと思っています。
 今回、あれこれ書きますが、それは、ファンゆえの欲張りな我儘だとご理解ください。


 このドラマは、自衛隊を描くことと同時に、夢が破れた元パイロットと、ガツガツしすぎて弾かれてしまったテレビディレクターが、新たな夢と目標を見つけ成長していく物語であると言える。
 なので、東日本大震災を絡ませなくてもいいんじゃないか、前話で終わってもいいんじゃないか、と思った。もしかしたら、最終話は撮影協力した自衛隊の交換条件かと思ってしまった。
 しかし、原作者の有川氏は発刊を前に震災が起こり、松島基地の、そして航空自衛隊の広報室の3.11に触れないまま本を出すことは出来ないと判断し、「あの日の松島」を書き加えたとのことである。

 この最終話も、その有川氏の想いをしっかり汲み取り、丁寧な作りになっていた。

・津波警報が出てから津波到着まで30分あったのに、1機も退避することができなかった事情
・「自衛官は救助活動以外で私有地に入ることを禁じられている」ので、瓦礫の撤去や泥かきもしてはいけないなどの、自衛隊活動の不自由さ
・女性隊員は女性特有の生活必需品が不足して困っていたが、支援物資は被災者のためのものだからと手を付けなかったこと
・隊員の中にも被災者はいた

 自衛隊を語るうえで、震災を切り離すことはできない。取材で東北の現状を知ればなお、描かずにいられなかった有川氏や制作者の想いが感じられた内容だった。
 だから、最終話が震災の話になるのは共感できた。


 でも、震災と自衛隊を語るには、事象が大きすぎて10分延長くらいでは足りないと感じた。
 前話で「空井の思いを託したブルーインパルスの企画」「空井とリカの再会」「室長・鷺坂の退官」をひとまとめにしてしまい、詰め込み過ぎの感があり、今回の震災の話を考えると、前話を2つに分けて今クールは終了し、この最終話をスペシャル2時間(2時間半)でやって欲しかった。

 前回で半年後に飛び、今回、一気に2年経過してしまったので、時間経過に感覚が追いつけなかったのも、そう思う理由だ。

 さて、最終話のもう一つのテーマ、空井とリカの想いだが、お互いに深く相手のことを理解し、思いあう素晴らしいふたり、それ故、別々の道を歩もうとしてしまったふたり。
 ふたりの純な気持ちを知る登場人物、そして視聴者も、全員、二人は結ばれて欲しいと思ったにちがいない。ラストはそんな願いを成就させ、思わず「よかった」と思わせるラストだった。


 しかし、
「今まで、ありがとうございました。
 もう連絡しません。
 稲葉さん、どうか幸せになってください」
というメールが最後。

 というのでは、納得できないだろう。≪もしかしたら、向こうで彼女ができたのでは?≫、≪大けがしてしまったのでは≫とかいう想像もしてしまうのではないだろうか。
 非常事態で難しいかもしれないが、とにかく、一度会いに行くのではないだろうか。
 リカのことを思う空井の気持ちは理解できるが、お互いに近づかないというのは、あの二人の仲を知るだけに納得いかない。
 そこらあたりのふたりの気持ちを、スペシャル版で丁寧に描いてほしかった。


 2年後に広報室を尋ねた時、比嘉の顔が見られたときは、リカではないがホッとした。嬉しかった。
 そのあと、バラバラになった広報室のメンバー(空井と鷺坂以外)のメンバーが揃い、雰囲気が変わっていなかったのもうれしかった。
 エピローグで、難題な依頼を受け、早歩きで廊下を急ぐ比嘉さん、いいなあ。このドラマで、ムロツヨシさんのファンになっちゃったよ。

 サンドウィッチマンの富澤さんも出演していた。この方の芸風は「まじめな顔をしてボケる」なので、真面目に演技されるとボケているように見えてしまった(笑)
 相方の伊達さんは、人相が悪すぎて?不参加(笑)。あ、いえ、私ファンです、サンドウィッチマン。


 間違いなく、今クールのベストドラマである。 

【ストーリー】番組サイトより
 2013年4月 ―― 震災から2年、ブルーインパルスが松島基地へ帰還するニュースを 藤枝 (桐山漣) が伝えていたころ、リカ (新垣結衣) はこの2年間の仕事ぶりから、公正な目で取材できるだろうと松島基地へ震災の取材に行かないかと 阿久津 (生瀬勝久) に薦められる。
震災当時を思い出すリカ。松島で被災した 空井 (綾野剛) を心配し、メールでのやり取りがしばらく続いていたが、空井が志願して松島基地に異動したことをきっかけに、一切連絡をとっていなかった…。
 ある夜、藤枝と飲んでいたリカの元へ、柚木 (水野美紀) から呼び出しの電話が入る。いつもの居酒屋 「りん串」 に駆けつけると、元気そうな柚木・比嘉 (ムロツヨシ)、そして 片山 (要潤)・槙 (高橋努) まで昔の広報室のメンバーが集まった。
それぞれ新天地で勤務している面々だが、久しぶりに東京で集まりリカを呼んだのには訳があった。柚木たちは、リカ自身の目であの日の松島を見てきて欲しいと説得をしに来たのだが、リカの答えは…。
 広報室の面々はどのような人生を歩んでいくのか…
 リカと空井の選択は… !?
コメント (4)
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