英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『ガリレオ2』 #10 #11「聖女の救済(前・後編)」

2013-06-25 16:18:59 | ドラマ・映画
不可能に近い可能
1年間の執行猶予のため、1年間、一度も浄水器を使わない(使わせない)とは……
       ………………何という忍耐力、精神力

 ここだけに着目して、満足すればいいのだろうが、前シリーズを知っているとどうしても不満を感じてしまう。

原因Ⅰ……………
 トリックや犯行が浅く、しかも、物理があまり関係せず湯川でなくても解ける謎が多かった。この最終話は、その犯行(トリック)はあり得ないほどの精神力のなせる業であり、単純で物理とは関係なかった(もちろん、絶対に物理がらみのトリックでないとダメと言うわけでない)。湯川でなければ解けなかったという点では及第点であろう。
 今回のトリックで不満だったのは、「立証不可能な完全犯罪」と湯川も認めたが、残っている可能性のあるヒ素を現場に戻って回収、処分しなければならなかったこと。
 しかも、完全犯罪が破たんする可能性(ヒ素の残留)というのは、盲点でも何でもなく、普通に考えられることであったことが大いに不満。
 しかも、犯行の露見が鉢植えのバラが枯れてしまったというあまりにストレートな現象。植え替えても再び枯れてしまうほどヒ素が残留するとは、とても「立証不可能な完全犯罪」とは言えない。
 ヒ素の回収にしても、遺体が発見の連絡を受けて北海道から帰宅するまでの間に、鑑識に検出されてしまう可能性も大きい。

 それに、バラが枯れてしまったことを強調したため、犯行のトリックがある程度、見当がついてしまったのもマイナス。
 どうせなら、浄水器に仕掛けがあったと匂わせておいて、埃のたまり具合から、1年間、その元栓付近をいじった形跡がないことをもっと強調して、犯行が不可能と思わせる。
 そして、悩んだ挙げ句、1年間という時間がトリックになったと解明するべきだった。


原因Ⅱ……………
 うざい女、美砂。
 時折、無垢な魅力が垣間見られるが、基本的には、図々しく礼儀知らずで、学歴もプライドも高いが、それに見合う知性を感じさせない。そのうえ、ろくに捜査もせず湯川に頼る。
 今回は靴の底が減るくらい捜査をしたみたい(湯川が唐突に美砂の靴底をチェックする演出も変)だが、湯川に立証できないと告げられて、ただ悔しがり涙を流し、太田川刑事に八つ当たりするだけ……魅力、感じないよね。

ドラマの魅力
・事件の見せ方がうまく引き込まれる
・湯川の研究室で見られる実験や、湯川の講義内容が面白かった
「現象には必ず理由がある」「再現性が高い現象は必ず科学的に実証できるはずだ」などの論理的な考え方に惹かれ、湯川が語る実証論(今回の場合は恐竜の化石で不要と思われていた土が、実は心臓だったという話)が面白い

 湯川本人の魅力がドラマを成り立たせていたように思う。


【ストーリー】番組サイトより
≪前編≫--------------------
帝都大学の湯川学(福山雅治)を訪ねた岸谷美砂(吉高由里子)は、会社社長が毒殺された事件について話し始めた。

被害者はエムシステムズの社長・真柴義之(堀部圭亮)。事件当日、自宅で仕事をしていた義之は、朝10時のテレビ会議までは元気だったが、夕方4時の会議の際に連絡が取れなくなり、自宅のダイニングで倒れているところをかけつけたホームセキュリティー会社の社員に発見されていた。義之が飲んでいたコーヒーから猛毒の亜ヒ酸ナトリウムが検出されたことから、計画殺人の可能性が高かった。朝10時の会議の際にも義之がコーヒーを飲んでいたこと、セキュリティー会社の在宅警備システムがセットされており義之が外出していないことから、犯人は、義之が自分で入れていたコーヒーの1杯目と2杯目の間に家に侵入し、毒物を仕込んだというのだ。そして、午後2時過ぎに、ひとりの訪問者があったこともわかっていた。しかし、その日は昼過ぎから雨が降っており、女性と思われるその訪問者の顔は傘で隠れてわからなかった。

話を聞いていた湯川は、傘の女性を探せばいいだけだ、と美砂に告げた。すると美砂は、事件当日は北海道に里帰りしていた義之の妻が、湯川の中学時代のクラスメイトだった三田綾音(天海祐希)であることを打ち明ける。

義之の葬儀会場を訪れた湯川は、綾音と20数年ぶりの再会を果たす。そこで湯川は、警察の捜査に協力することを綾音に告げ…。

≪後編≫--------------------
湯川学(福山雅治)は、会社社長の真柴義之(堀部圭亮)毒殺事件を通じて、義之の妻で、中学時代の同級生でもある綾音(天海祐希)と再会する。綾音は妊娠をきっかけに義之と結婚した。が、何者かに自転車で衝突され流産していた。

湯川は、綾音が営んでいる幼児教室で、子どもたちにある実験を見せた。それは、電気ポットを使って、次々とお湯の色を変えてみせるというものだった。その話を知った貝塚北署の岸谷美砂(吉高由里子)は、その実験が事件に関係あるものだと考え、湯川を訪ねる。そこで湯川は、犯人は義之が自宅にいる時間に侵入してヤカンの水にヒ素を仕込んだのではなく、あらかじめ何らかの方法で仕込んだのではないか、と美砂に告げる。もしそうならば事件当日北海道にいた綾音にも犯行は可能だ、と続ける湯川。美砂は、その可能性を否定し、勝手に綾音に接触しないよう、釘をさす。

そんな折、美砂は、事件当日義之の家を訪ねている紫の傘の女性を見つけるが…。
コメント (2)
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