英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『軍師官兵衛』 第37話「城井谷(きいだに)の悲劇」

2014-09-15 16:20:38 | ドラマ・映画
今回もいろいろ不満に感じることは多かったものの、
宇都宮鎮房謀殺のシーンは緊迫感があった


Ⅰ長政、待ち伏せに遭う
 鎮房の計略に嵌まり、待ち伏せに遭い、命からがら逃げかえった長政。
 筋としては妥当なのだが、あまりにも長政が浅はかなので、もう少し何とかならなかったのだろうか?
 たとえば、谷の入り口で狭い一本道を見て、待ち伏せの可能性を感じるのが普通であろう。
 そこで、参謀・又兵衛あたりが、用心の為、長政を最後尾に配置、それが効して難を逃れたぐらいにしないと、あまりにも無策で、逃げ延びたことも嘘っぽくなってしまう。

Ⅱ夫を信じる糸
 夫の窮地にも動ぜず、針仕事に励む糸。また、生還した長政を励ます糸。
 糸の肝の太さを表しているが、これとて、長政の才覚を信じてのことならともかく、そういうシーンはほとんどないので、現実味に乏しい。長政の才能とは言わず、せめて、糸が長政の人柄に惚れ込む描写がされていたのなら納得もできるのだが。

 少し言いにくいが、
 最近の大河は女性の優しさや芯の強さを描いて女性視聴者に媚びているような傾向があるように思えてならない。お鶴と侍女たちの和みのシーンもそう。
 さらに、子役を輝かせすぎる傾向も強い。この長政の少年期がまさにそれで、≪あの利発な松寿丸はどこに行ってしまったのか?≫と嘆きたくなるくらいである。

Ⅲあっという間の鎮房、和睦(服従)
 官兵衛対鎮房を描いて、軍師・官兵衛の恐ろしさを知った上での服従なら納得できるが、本編は≪えっ、もう降参しちゃうの?怒っていた割にはあっさりと屈するなぁ≫という感想しか持てなかった。余計な部分(秀吉出生の戯言も含む)を省いて、本腰を入れて描いてほしいものだ。

Ⅳ長政、鎮房を謀殺す
 部屋に案内された辺りから漂う不穏な雰囲気、酒を注ぐ家臣が緊張のあまりこぼしてしまう。
 冷たく乾いた表情の長政。
 この空気の中で、酒を勧められる鎮房……


   この緊迫感、まさに大河の醍醐味!


 それにしても、覚悟を決めて酒を飲んだ鎮房を斬り捨てるとは、非情すぎる!
 長政って、そこまで非道なのか?
 父の役に立ちたくて、猪突猛進で、酒のシーンそこそこに切りかかった方が長政っぽいと思うが。

 深く考えての謀殺なら、酒を飲むか飲まないかで鎮房への対処を決める。
 鎮房が酒を飲まなかったら斬り捨てるの方がスッキリするが、大河的には本編かなあ。
 ただ、本編のようにするなら、もう少し長政を何とかしてほしかった。



佐々成政について
 成政は私の地元にも縁のある武将。
 柴田勝家の家臣で、賤ヶ岳の戦いは消極的ではあったが勝家側に付いた(同じく勝家の家臣の前田利家はさっさと寝返った)。
 また、秀吉対家康の際には、家康側に付いたとある。
 秀吉が「成政は2度逆らった」と言ったのは、この2件のことであろう。もう少し説明してほしかった。
 最後の「おのれ猿め!」のセリフも浮いてしまっていた。
コメント (2)
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