英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

羽生四冠の過密日程……もう少し考慮してほしいものである

2014-09-23 23:38:08 | 将棋
 『週刊将棋』9月17日号は、“表”表紙、“裏”表紙(王位戦第6局、竜王戦挑戦者決定戦第3局)のダブルパンチの傷心の号であった。木村八段、糸谷六段(現七段)の会心の笑みの写真を見ると、やはり悔しい。取り返しの利く王位戦はともかく、竜王戦の敗退は痛い。
 負けたから言うのではないが、この時期は特に羽生四冠の日程が過密になっているような気がする。(ここで、断っておきますが、「過密だ、ああだこうだ」と言うのは私であって、羽生四冠が負け惜しみや言い訳や愚痴や文句を言っているわけではありません)
 今年度の場合、4月3局(3勝0敗、名人戦2局を含む)、5月3局(3勝0敗、名人戦2局)、6月4局(4勝0敗、棋聖戦2局)、7月5局(3勝2敗、棋聖戦1局、王位戦2局)、8月6局(4勝1持将棋1敗、王位戦3局、竜王挑決1局)、そして9月は20日現在6局(4勝2敗、王位戦1局、王座戦2局、竜王挑決2局)で、この後3局(タイトル戦2局)が組まれていて月間9局(番勝負が7局)。
 特に、8月15日以降の1か月半で13局(タイトル戦8局、竜王挑決を含めると11局)というハードスケジュールである。

8月15日 対糸谷六段 竜王戦 挑戦者決定戦 第1局  関西将棋会館
8月20・21日 対木村八段 王位戦 第4局  福岡市
8月27・28日 対木村八段 王位戦 第5局  神戸市
8月30日 対行方八段 将棋日本シリーズ 二回戦  札幌市
9月 2日 対糸谷六段 竜王戦 挑戦者決定戦 第2局  東京将棋会館
9月 4日 対豊島七段 王座戦 第1局  大阪市
9月 7日 イベント(トークショー)  東京
9月 8日 対糸谷六段 竜王戦 挑戦者決定戦 第3局  東京将棋会館
9月10・11日 対木村八段 王位戦 第6局  神奈川県秦野市
9月14日 イベント(チェス)  東京
9月15日 対村田顕五段 棋王戦 本戦3回戦  東京将棋会館
9月18日 対豊島七段 王座戦 第2局  神奈川県箱根町
9月22日 対高橋九段 NHK杯戦 2回戦  東京
9月24・25日 対木村八段 王位戦 第7局  神奈川県秦野市
9月27日 講演会(セミナー)  東京
9月30日 対豊島七段 王座戦 第3局  宮城県仙台市
       太字…公式戦 赤字…地方(遠征)

 タイトル戦の他、日本シリーズは札幌での対局、またNHK杯戦も通常の対局状況ではない。タイトル戦や地方での対局は前夜祭や移動日があり2日制のタイトル戦だと1局で4日間要する。なので、8月15日~9月30日の47日間の実働日数は35日に及ぶ。
 これに加えて、分かっているだけでイベントが3日ある。で、私が納得がいかないのは9月7日のイベントである。
 翌8日に竜王戦挑戦者決定戦第3局を控えているのに、なぜ?
 おそらく、イベントの方が先に決定していたと思うが、この時期、羽生四冠の日程が密なのは例年のことだし、竜王戦挑戦者決定戦がこの時期にあるのは分かっていたはずである。このイベントのコーディネーターとして名を載せている島九段、「コーディネーター」を名乗るならもう少し考慮してほしいものだ。
 しかも、このイベントの参加条件に「両国将棋学術会員の方と、会員よりご紹介のあった方(ビジター)に限る」とある。しかも、会場の都合上、定員70名と少人数。さらに「現在会員でない方も、8月29日までに入会手続きをしていただいた方につきましては、ご参加いただけます。女性・小中学生は年会費が割引になります。この機会に是非ご入会ください!」とある。
言葉は不適切かもしれないが、羽生名人をエサ扱いである。
 主催紙の都合もあるかもしれないし、複数タイトルを保持している羽生四冠では調整が難しいかもしれないが、将棋連盟ももう少し考慮してほしいものである。達人戦も外してほしい。羽生四冠は多大に連盟に貢献しているし、連盟もイベントなどに羽生四冠を酷使しているはずである。

 竜王戦挑戦者決定戦第3局、そして、この2日後の王座戦第6局と、終盤に崩れてしまったのは、多少なりとも過密スケジュールが影響しているのではないだろうか?
 

 ちなみに、羽生四冠の過密スケジュールは例年のことで、二年前の同時期にもこういった記事を書いている。

8月14日 対郷田棋王    A級順位戦   東京将棋会館
8月29日 対渡辺竜王・王座 王座戦第1局  仙台市
9月 1日 対森内名人    達人戦(非公式)有楽町・朝日ホールマリオン
9月 5日 対渡辺竜王・王座 王座戦第2局  横浜市
9月14日 対谷川九段    A級順位戦   将棋会館
9月17日 チェスイベント          神戸市
9月19日 対渡辺竜王・王座 王座戦第3局  盛岡市
9月22日 チェスイベント          東京スカイツリー併設施設
9月24日 対橋本八段    NHK杯    東京(将棋会館?NHK?)
9月27日 対木村八段    棋王戦     将棋会館
9月29日 対深浦九段    日本シリーズ  仙台市
9月30日 チェスイベント          渋谷ヒカリエ
10月3日 対渡辺竜王・王座 王座戦第4局  秦野市(神奈川県)
       太字…公式戦 赤字…地方(遠征)

 この時もハードスケジュールだが、今年はこれを上回っている。名人位を奪還しておいて本当に良かった(順位戦を戦わないで済む)。

 また、昨年の七月にも同様の記事を書いている。
コメント (2)
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