英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

林芳正外相、G20外相会合欠席で堕ちた信用を挽回するには?

2023-03-03 17:20:46 | 時事
「こうした情勢の中で、引き続き、普遍的価値を守り抜く覚悟、日本の平和と安全を守り抜く覚悟、そして、地球規模の課題に向き合い国際社会を主導する覚悟、これら三つの覚悟を持って、対応力の高い、「低重心の姿勢」で外交を展開していきます」

「日本がG7議長国として開催する広島サミットでは、力による一方的な現状変更の試みや核兵器による威嚇、その使用を断固として拒否し、法の支配に基づく国際秩序を守り抜くというG7の意志を、力強く示していきます。同時に、エネルギー・食料安全保障を含む世界経済、ウクライナやインド太平洋を含む地域情勢、核軍縮・不拡散、経済安全保障、また、気候変動、保健、開発などといった地球規模の課題などへの対応を主導していきます。私自身、昨年は11回のG7外相会合に参加しました。本年は、私が議長を務めるG7長野県軽井沢外相会合などを通じ、G7の緊密な連携を推進していきます。G20議長国であるインドとの連携も重視してまいります」

「G7議長国及び安保理非常任理事国として、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を堅持するための取組を更に推進します」

 上記の言葉は、自民党ホームページの「第211回国会における林外務大臣の外交演説」の中の言葉。

 林芳正外相が参院予算委員会への出席のためインドでのG20外相会合を欠席した
 これは、林外相や自民党が『国会(国内)>国際問題・外交(国外)』と考えていると考えられる。上記の「三つの覚悟」や「地球規模の課題などへの対応を主導していく」などの言葉は、全くの表面だけの言葉としか思われない。
 しかも、G7議長国であり安保理非常任理事国というのに、本気度の低さを露呈してしまった。もはや、主導していくに値する信用度は地に落ちた。今後、日本が「~していきましょう」と働きかけても、まともに取り合ってもらえないだろう。
 さらに、G20外相会合は欠席したが、クアッド(自由や民主主義、法の支配といった基本的価値を共有する日本、アメリカ、オーストラリア、インドの4か国の枠組み)外相会議には出席。つまり『アメリカ、インド、オーストラリア、日本以外の国は、ないがしろにしても良い』と考えていると受け取られてしまう。


 この件について、林外相や政府や総理は、各国への信頼度をどう回復していくのだろう?
 林外相が辞任する(辞任させる)しか、落とし前をつける手段はない。



 このG20外相会議は、全体だけでなく二国間での会合も盛んに行われており、日本はこういった国と国との連携に於いても大きな後れを取ってしまった。
 そもそも、国会(野党を含めて)は「基本的質疑は首相出席のもと全閣僚出席で行うことが原則だ」(自民党の野上浩太郎参院国対委員長)との主張が大勢で、今回のG20外相会合前に林外相欠席に強く批判していなかった。また、外務省も日程調整に積極的でなかった。(野党の会合開催前の批判の弱さは、敢えて政府(林外相)に失態を演じさせて、それを批判するのが狙いだったのかも?)
 政府、国会の議員・官僚……日本の中枢が、大局的な目を持っていなかったと言わざるを得ない。
 更に言うと、昨年2月ににインドネシアで開かれたG20財務相・中央銀行総裁会議への出席を見合わせて批判を受けたが、何の教訓にもなっていなかった


 岸田総理は総裁選で、「聞く力」をアピールしていたが……それは「上からの背後からのアメリカの……偉い人の声を聞く力」だった……
コメント (2)
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