英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

「次元の異なる少子化対策」のたたき台……モヤモヤする

2023-03-31 23:20:20 | 時事
少子化対策の強化に向けた政府のたたき台がまとまった。

【以下は、『NHK NEWS WEB』の「政府の少子化対策たたき台 具体的な中身は?今後は」を参考(ほとんど引用)】
(『NHK NEWS WEB』の記事は、今日のNHK『ニュース7』の内容とほとんど同じ)
・児童手当は、今は一定以上の所得がある世帯で支給しないなどとしている「所得制限」を撤廃し、対象年齢を高校卒業まで延長
・子どもが3人以上の多子世帯への支給額を諸外国の制度も参考に見直し、増額する方針
・出産費用は、健康保険の適用の導入を含め、支援のあり方を検討
・学校給食費の無償化は、給食を提供している学校の割合なども確認し、課題の整理を行う
・大学や大学院など高等教育にかかる負担軽減策では、在学中は授業料を支払わず卒業後に、所得に応じて納付する制度を、令和6年度から修士課程の大学院生を対象に先行導入し、拡充を図る
・子育て世帯の住まいの支援では、公営住宅などへの優先入居のほか多子世帯などに配慮した住宅ローンの金利負担軽減策を検討
・保育の質の向上では、積み残しの課題となっている1歳児と4・5歳児の保育士の配置基準を改善する
・保育所の利用要件を緩和し、親が就労していなくても子どもを時間単位などで預けられる「こども誰でも通園制度」の創設を検討する
・育児休業給付は、出産後の一定期間内に両親が「産後パパ育休」制度などで共に育休を取得した場合、最長4週間は給付額を引き上げ手取り収入が変わらないようにする


 手厚い支援だが、財源は?……
例えば「児童手当」
・「特例給付」を含め、所得制限をすべて撤廃するには、試算では、1500億円程度の追加の財源が必要
・支給対象年齢を今の中学卒業までから高校卒業までに拡大し月額1万円を支給すると仮定すれば、4000億円程度の追加の財源が必要
・子どもが複数いる多子世帯への支給額を増やし、第2子には月額最大3万円、第3子以降は月額最大6万円支給するとすれば、数兆円規模の追加の財源が必要になるという試算もある

《保育士1人が見る子どもの数を定めた「配置基準」の改善》
現在、見るは「6対1」(子ども6人に対し保育士1人)、4歳児・5歳児は「30対1」(子ども30人に保育士1人)となっている
    ↓
これを1歳児は「5対1」に、4歳児・5歳児は「25対1」の配置に


 この説明が不親切。「1歳児の場合、現在は保育士が見る上限が6人で、1歳児が7人いれば保育士を2人配置しなければならない」と解釈すればいいのだろうか?
 この保育士1人が見る上限を5人に改善?すると言う事なのだが、1歳児が7人いる場合は、やはり配置する保育士は2人のままということになる。
 計算上は保育士の配置が2割増しだが、実際はそうならないのではないだろうか?
 保育士は人間なので自然数なのである。4人の2割増しは4.8人だが、実際には4.8人は有り得ない!

 保育士1人当たりの補助金が決まっていて、単純に「1人当たりの補助額」×4.8という計算が為されるのかもしれないが……

この他、
《「育児休暇」の取得推進》……実際の課題も挙げていた。(“育児休業”と“育児休暇”の違いも教えて欲しかった)
《奨学金制度の充実》……以前から奨学金の債務に苦しむ人が多かったが、改善されるのだろうか? 
 奨学金の問題に取り組む若者の団体は一定の評価をするとともに若い世代の債務となっている奨学金の問題について議論を続け減免措置の拡充を今後も進めるよう求めた。
 若者を支援するのは良いことだが、奨学金の返済を軽減するということは、税金を投入して穴埋めする……多少の軽減はやむを得ないが……

 そして、記事の最後(『ニュース7』の最後も)、
困窮家庭の子どもの学習支援などを行っているNPO法人「キッズドア」の渡辺由美子理事長(←少子化対策を検討する政府の会議に参加し、高等教育にかかる費用の負担軽減などを求めてきているそうだ)が登場し、「若い世代の所得を増やすというメッセージを打ち出したことは重要で、幅広くメニューを示したことも評価できる」一方で「どの施策も具体的な内容に今一歩踏み込んでいない」と指摘した。(踏み込んでいないのは、叩き台なので踏み込むのはこれからかの話だが)
 まあ、それは良いとして、
「近い将来に結婚したり子どもをもったりする可能性がある若い世代が今困っていることを把握する必要がある。この世代にとっては奨学金返済の負担が重いため返済の免除や高等教育の無償化などを検討すべきだ」その上で「少子化を食い止めるため残された時間は限られているので、示された施策を実行するため集中的に財源を投じる必要がある。少子化は現役世代だけの問題ではないので国民全体が負担に協力してもらえるよう国を挙げて取り組んで欲しい」

 人それぞれに「正義」がある……一つではなく、立場によって、真逆になる場合もある。だから、「正義」という言葉は嫌い
 私は、子どもたちの授業料に苦しんだ。なのに、今度は《現役世代だけの問題ではないので国民全体が負担に協力してもらえるよう国を挙げて取り組んで欲しい》だって?確か、岸田総理か政府の要人が同じようなことを言っていた
 そもそも、なんで、大学の授業料って、あんなに高いんだろう!
 冒頭の方で、児童手当も所得制限撤廃とか高校までとか言っているが……国民全体なら高所得者から協力してほしいし、高校生は“児童”とは程遠いだろう!


 「全世代型社会保障」と言うと、聞こえは良いが、………
 「年齢に関わりなく、全ての国民が、その能力に応じて負担し、 支え合うことによって、それぞれの人生のステージに応じて、必要な保障がバランスよく提 供されることを目指すもの」であるそうだ。

 財源は国民全体で支え合う→何らかの増税
 財源なら増額する防衛費から捻出してほしい。と言うか、防衛費を増額しないのなら、手厚い少子化対策を行って欲しい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする