英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

相棒 season21 第19話「再会」

2023-03-04 10:39:30 | ドラマ・映画
これまでの『相棒』を追想させる要素が多かった
・「神戸」「亨」「冠木」とこれまでの右京の相棒と同じ名前や名字
・しかも、部下・上司、同僚という絆や親近感を感じさせる
・冒頭の監禁シーンも、第三の男・陣川(原田龍二)と右京が監禁されていたところから始まるSeason7 第18話 「悪意の行方」を彷彿させる

 それにしても、不自然なシーンが多かった(例によって“重箱の隅突き”ですが、ご容赦ください)
《相棒に縁のある名前の三人》
・上記の相棒縁の名前の三人の所在理由が不自然で、《なぜ、こんなところにいるのだろう?》と感じた。(山小屋で俗世との遮断生活をしていた「神戸(かんべ)」は、まだ納得できるが、それでも出現の仕方が唐突……)
・右京がバス停で出会った青年(確か亨)があの山に入った目的も不明で、捻挫して面布を見つけ、それをサポーター代わりに使うのも無理がある
・スマホを借りる右京だが、なんだかんだと使用不能

《謎の集団の行為が不可解》
・自殺志望集団?自殺願望集団?……適切な呼び名が浮かばないが、とにかく不審な集団が爆破実験をして、その噂を“暇か課長”が聞き、特命係に調査を依頼、特命係が現場に向かう……かなり時間があったはず
 その爆破の後に集団がいろいろ話し合ったというが、特命係が現場に到着するまでには間があったはずで、解散して山を離れるのが自然(食事や風呂も不便だろう)
・特命係を襲撃する必要はなかった。暴行監禁罪を犯さず、さっさと遺留品を残さず山から離れるべき
・スマホで監視までしているのに、建物には鍵を掛けないのもおかしい
・マモルと連絡を取り合って、特命係を捉えようとするくらいなら、マモルを説得するか、爆弾を取り上げる方を優先すべき

《特命係の二人の行動も不可解》
・右京が解いた縄をわざわざ目立つ位置に置くのも変
・脱出した後、広い道に出たのなら、一旦、その道をたどって村まで戻った方が良いのでは?わざわざ別行動で山の中をさまようというのは不合理

《守(まもる)を説得するシーン》
 必死に守を説得する亀山だが、あまり説得力を感じなかった。
 守の死を悲しむのは亀山だけでなく、祖父母も悲しむはず。
 乗客や運転手を巻き込むのは非道であること。乗客の顔をもっと守に見せ、人が生きること、死ぬことの意味を考えさせてほしかった(時間はないけれど)
 サルウィンでこれからまだまだ生きてやりたいことがあった少女が命を奪われてしまった話をするとか…

《夢オチ》
 ”夢オチ”は好きではない。
 それはともかく、どこまでが現実だったのか?
 山中での騒動はあったはず。それが夢だとしたら、右京と相棒縁の三人のエピソードがあるので、右京の夢でなければならない。
 最後の右京と亀山の熱々会話が夢だと考えるのが自然か?
 夢オチにしなくても良かった。それとも、右京と亀山の会話も実際にあって、それを亀山が夢を見た。“こでまり”では右京が照れ隠しで惚けただけ。
 まあ、私としては、右京があの三人の顔を思い出し、神戸、亨、冠城の顔がフラッシュバックする……そして亀山を見て微笑む。それに対し亀山はきょとんとする……とか。


唯一おもしろかったシーン
「ぼくはもう少し覚えています……《回想》(亀山が殴打されて気を失うのを見て)亀山君!…ボカッ、うっ、バタッ」
「ほんとに少しですね」
(↑面白かったのはここまで)

「落ち着いていれば、かわせたものを……かわして2発目も君に当たっていれば、そのショックで君が目を覚ましたかもしれないと思うと残念です」
「俺には、その発想が残念です」
「褒めたつもりですがねぇ、丈夫な身体を」
(↑この会話は、右京は亀山を嫌いなのか?と思ってしまいそう……それとも、殴打を食らい気を失ってしまったことの悔しさから発したのか。私なら省く)

 今話を担当した徳永富彦氏は、あの南井(伊武雅刀)(season16 第7話「倫敦からの客人」など)『相棒』の多くの脚本を書いている。
 氏については、過去に『刑事7人』第3シリーズ 第8話「悪女 ~無差別殺人VS嘘まみれの女たちの危ない関係~」において、下記のように評している
【引用ここから】
=========================================
 徳永富彦氏の脚本は“虚構”をテーマにしたモノが多い
 その他の特徴としては、立体的構造(二重構造)や同時進行など凝った構造。
『相棒』
 season13…第4話「第三の女」、第11話「米沢守、最後の挨拶」
 season14…第5話「2045」、第17話「物理学者と猫」
 season15…第7話「フェイク」
『捜査一課9係』
 season10…第8話「3つの捜査線」
 season11…第8話「3つの大追跡」

『刑事7人』の今シリーズでは 第4話「死味」遺体を見て笑う男の正体!?V字の傷痕の謎!! を担当している。
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 PCやネットを題材に、複雑な構造の事件展開が好みのようだ。今回は、盛り込み過ぎて、矛盾や無理が生じてしまった。
【引用ここまで】

【徳永富彦氏の相棒脚本(私が記事にしたモノのみ)】
season20 第16話「ある晴れた日の殺人」
season19 第12話「欺し合い」
season18 第15話「善悪の彼岸~深淵」
season18 第14話「善悪の彼岸~ピエタ」
season17 第17話「倫敦からの刺客」
season16 第19話「少年A」
season16 第7話「倫敦からの客人」
season15 第7話「フェイク」
season14 第17話「物理学者と猫」
season14 第5話「2045」
season13 第11話「米沢守、最後の挨拶」
season13 第4話「第三の女」
season12 第6話「右京の腕時計」
season11 第13話「幸福な王子」
season11 第6話「交番巡査・甲斐享」
season10 第14話 「悪友」

【season21】
第1話「ペルソナ・ノン・グラータ~殺人招待状」(初回SP)
第2話「ペルソナ・ノン・グラータ~二重の陰謀」
第3話「逃亡者 亀山薫」
第4話「最後の晩餐」
第5話「眠る爆弾」
第6話「笑う死体」
第7話「砂の記憶」
第8話「コイノイタミ」
第9話「丑三つのキョウコ」
第10話「黒いコートの女」
元日SP第11話「大金塊」
第12話「他人連れ」
第13話「椿二輪」
第14話「まばたきの叫び」
第15話「薔薇と髭と菫たち」
第16話「女神」
第17話「定点写真」
第18話「悪役」

【ストーリー】(番組サイトより)
謎のグループが右京と薫を襲撃!
二人は恐怖の山を脱出できるか!?


 右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)は、角田(山西惇)から頼まれ、奥多摩の山中に足を運ぶ。大きな物音がしたという通報の確認を押しつけられたのだ。ところが、山間の集落で聞き込みをしていたところ、二人は何者かの襲撃を受けて拉致されてしまう。
 監禁場所を抜け出すことには成功するが、襲撃犯の目的も人数も不明で、スマホなどの通信手段も奪われていた。背後から追跡者が迫る中、右京と薫は敵を惑わすため二手に別れる。しかし、そこは地図もコンパスもない山の中。二人は遭難寸前の状態で歩き回ることに。
 そんな中、右京は偶然見つけた山小屋で、怪しげな男と遭遇。男は1か月ほど前、白装束に身を包んだ謎の集団を目撃したというが…!?いっぽう薫は、集落に住む山部守(田中奏生)という青年が、行方不明になっているという情報を耳にする。

孤立無援の山中で追い詰められる特命係
白装束の集団と謎の爆音の関係は!?
偶然の“再会”が驚きの結末をもたらす!

ゲスト:田中奏生

脚本:徳永富彦
監督:守下敏行
コメント (2)
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