英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

入玉将棋のテクニック

2013-07-13 23:01:47 | 将棋
『電王戦 第4局「Puella α VS 塚田九段」 その6』で、「(ニコニコ生放送の木村八段の)解説の変化で示された入玉将棋特有の手筋などは面白かった。(余力があれば取り上げたい)」と書いてしまったので、その後始末?です。


 図は先手・プエラαが▲7八金と指したところ。一見、後手のと金から逃げただけの手に見えるが、ちょっとした変化を内包している。
 実戦は図以下、△5七と▲8二玉△6七と▲同金と進み、実際も「と金から逃げただけの手」になってしまったが、龍を捕獲する手があったのだ。△5七とに▲7九金打と蓋をする手もあるが、分かりやすくするため仮想手順として、▲7七金寄に△5六と▲7九金打(入玉技1図)と進んだと仮定する。


 ▲7九金打の狙いはもちろん龍の捕獲(▲8九金打)。なので、それを防いで△8八香(入玉技2図)と抵抗。

 ▲8八同金寄なら△7九龍、また、▲8八同金上なら龍が生還できる。香車1枚を犠牲に龍を助ける手だ。しかし、▲9八金!(入玉技3図)があった。

 有無も言わせず△9八同龍と引き寄せ、▲8八金寄△9九龍▲8九金寄(龍が詰んだ図)で龍を捕獲。詰将棋を思わせるテクニックだ。


 『将棋世界』誌で「突き抜ける現代将棋」を連載している勝又六段も、この電王戦第4局に反応して7月号(先月号)、「入玉をめぐる冒険」と銘打ち、入玉将棋をテーマに解説している。
 講座と取り上げる順番は違うが、まず、澤田-糸谷戦(2011年6月、棋聖戦)。

 先手は現局面で25点が確保できる上限で、持将棋に持ち込めるかどうかのライン上だ。しかし、後手の次の一手で投了に追い込まれてしまった。
 自信のある方は、ここで考えてみてください。(数行下に解答があります)








 △6三銀!

 ただ捨て、しかも、先手の入玉を助長するような手である。
 さて、この手の意味は?(次回、解説)



 1998年12月、棋王戦。この将棋、持将棋(176手)の指し直し局で、△8九龍寄は通算364手目。
 持将棋に1点足りない島八段(当時)が、8六の銀に狙いをつけた手だ。しかし、佐藤九段の次の一手に島八段は投了に追い込まれている。



 1979年10月、王将リーグ。(当時の段位・称号がよく分からないので「15世名人」「16世名人」と記します)先手の中原16世名人は、後手陣左翼の駒をさらうことができれば、24点が確保できる状況。
 難問です。敢えて、ヒントを書きません。ノーヒントで分かったら、大山名人です。

解答編に続く



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2 コメント

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ほぼ正解です ()
2013-07-16 12:25:54
ぴょん太さん、こんにちは。
お付き合い下さり、ありがとうございます。

 問題1、問題2はともに正解です。さすがです。
 受け側はうっかりしそうですね。

 問題3は、惜しいです。
 正解は△4三銀。これは次に△5二金を狙っていて、これを先手は▲4二金と防ぎましたが、こうして持ち駒の金を使わせて、それから、ぴょん太さんが考えた△9一金と打てば、取る一手になります。
 戻って、△4三銀に飛車を▲2二飛成と非難する手も考えられますが、強引に取りに行く手がありそうです。(詳しくは、解答編で)
返信する
考えてみました… (ぴょん太)
2013-07-16 02:03:26
書いていいのかな…汗

問題図1:
同玉か8三玉なら7一桂~8三銀
7三玉は7二金
7五玉か6五玉なら7四金で、いずれにしても龍を捕獲

問題図2;
9九金ですね
どちらの龍で取っても9八金

問題図3:
これはちょっとわかってないです…
9一金と打って同となら7一金でウマいのですが、
取らずに受けられた時がよくわからないです…
8二金と打たれたりしたら困りそう

考え方を変えて、3一金として後手左辺の小駒を守りつつ、4一金~5一金を狙う手もありそう
返信する

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