【公式サイト Introduction】より
毎日ご飯を作ってくれる女の子は、<感情がない>家事ロボットだった――。
一人暮らし3年目の社畜サラリーマン「タクマ」は、家事ロボットの「ミーナ」を購入する。
タクマは不器用で恋愛経験が少なく、ミーナも料理は出来るが人間についてはまだまだ勉強中。
人間とロボットという一見ちぐはぐな夫婦の二人は、一緒に過ごすことで互いを知っていく。
そして、感情がないはずのミーナにもやがて――。
「月刊コミックフラッパー」(KADOKAWA刊)にて好評連載中の杉浦次郎による大人気漫画「僕の妻は感情がない」。
「次にくるマンガ大賞2022」コミックス部門第6位入賞のほか、SNSを中心に話題の本作が堂々のアニメ化決定!
監督は『五等分の花嫁』や『安達としまむら』、『君の膵臓をたべたい』等、多数の演出を手掛けてきた吉村文宏、アニメーション制作は手塚プロダクションが担当する。
「感情がない」はずの家事ロボットの妻との、少し不思議な、でも温かい結婚生活が始まる――。
《僕の妻は感情がない》という表現だと、次の2パターンが考えられる。
①妻はロボット(アンドロイド)
②妻は人間だが、ロボットのように感情がない
②の場合、いくつかのケースが考えられる……
・心因、あるいは外傷によって、情操部位に欠損などが生じ、感情がなくなった(回復する可能性もある)
・感情は普通にあるのだが、顔に出さないようにしている(顔に出ないタイプ、顔の出せないタイプもある)
このアニメは①で、家事ロボットとしてタクマが購入。
ロボットやアンドロイドが社会で活躍しているという設定で、かなり精巧で感情を持つアンドロイド、それなりに人間性を感じさせる行動をするロボットもいるようだ。
実際、ほぼ人間と同等に振る舞うことのできるロボット「スーパーミーナ」もいる。
ロボットの感情や知能テストでランクも付けるし、ロボット法のようなものも細かく整備されているようだ。相当、ロボットの社会への浸透度が高い世界(社会)である。
タクマは一人暮らし3年目のサラリーマンと言う訳なので、感情を持つほどの高価なロボットではなく、ミーナは一般的な家事ロボット。(スーパーミーナの廉価版、しかも、リサイクルに出されていた)
とは言え、この家事ロボットのミーナは、最初から負けず嫌いの面を持ち、少し抜けたところもある(初期の頃だけ、負けず嫌いは持続)。
ミーナ型の家事ロボット全体の設定ぽい気もするが、実は、タクマのミーナだけは、初号機開発者が心血を注いで作り上げたモノだった。
主人公のひとりのタクマは、優しくてお人よしというアニメ主人公のひとつの典型タイプだが、かなり短絡的。
これはアニメの尺(12話で終了)の関係かもしれないが、ミーナに愛着を感じるのはアニメの普通の流れとしても、そこから、《ミーナが妻であった欲しい》《ミーナを妻として接する》までの期間が非常に短かった。
普通、もう少し悩んだり、葛藤(←同じ意味か?)するものだろう!
ちなみに、このアニメ的には“内縁の妻”扱いとしている。
《アンドロイド(ロボット)の感情》については考えることが多い。
過去には『AIの遺電子』 第3話「心の在処」(訂正)などで、深く考えさせられた。
最近でも、『NieR:Automata Ver1.1a 第2クール』 とこの『僕の妻は感情がない』も、同種のテーマだった(『NieR:Automata』は、真相解明的な要素も強かった)
で、この『僕の妻は感情がない』はタケシが短絡的に突っ走ってしまったので、少し引いてしまった点もあり、途中で離脱するような気がしたが、最後まで観てしまった。(理由は後述)
それはともかく、先述したように、タクマがアンドロイドを妻とすることを決断する際の葛藤がないというのは……視聴者のこちらが心配になってしまった。そんなこちらの心配を意に介さず(当たり前か?)、“ミーナちゃん”と呼び掛けるのには、《う~ん》と思ってしまう。
当然、子どもはできないし、両親はやはり残念というか、猛反対するのでは?……(妹は、少々変わっていて、「異種間恋愛フェチ」でタクマたちを熱烈応援)
その《アンドロイドを妻にすることの問題点》を、叔父と母親が指摘してくれた。
叔父・峰岸康史郎
「これ(ミーナを指していたが、アンドロイドと“夫婦ごっこ”をしていることを言っている)は、ちょっと趣味が悪いじゃないか?」
「このロボットを妻として生活していることが、酷いことに感じたんだ」
「ゲーム感覚だったり、自分を慰めるためにこんなことをしているんなら、やめてくれないか」
《対等な関係で、一生夫婦としてやっていきたいと思っている》(タクマ)
「そういう話じゃなく、(結婚というのは)離婚したっていいんだよ。
結婚してみて、《やっぱり違うな》って時に、離婚できる方が健全だ。
ただ、その時、お前と離れたら、人間と対等な関係から、ただのロボットになっちゃうということだろう。
お前と結婚している間だけ、これは人間と同等に扱われるということだ。これは、とてつもなく不平等なことだ。
敢えて言うと、俺の目から見ると、今のおまえは、《その不平等に胡坐をかいている》ように思う。おれはそれが、どうにも気持ちが悪い」
「このロボットを嫁さんだって言うなら、そういうことも考えてやってくれ。
他の人にとって、どうでもいいことだからこそ、お前だけは考えなくちゃいかんと思う」
ここでニーナが、康史郎の腕を強く掴み、上方へ引き上げる(痴漢の現行犯を捕まえるような動作)
「私はタクマ様と一緒にいてもいなくても、私です。
タクマ様がどのように私と付き合うかは、私とタクマ様の自由です」
「あれ?ロボットって怒るのぉ?」
ミーナ、タクマに歩み寄り並ぶ。
「怒っていません。《妻帯者は新しく恋人を作る》必要はありません。
全部、憶えておいてください」
ふたりの様子を見た康史郎は
「ごめん、ごめん……悪かったよ」(降参の表情)
一見すると、康史郎は能天気に見えるが、けっこう、考えが深い。(ちょっと、論点がズレているような気もするが)
でも、ちょっと、理屈っぽいなあ。“これ”とか“酷い”とか“気持ち悪い”と言ったのはわざとなんだろうけれど。
ミーナが強く自己を主張しているし、そういうことを言える関係だということが分かり、納得したようだ。
叔父の意見に、タクマは考え一大決心して実家の両親に、ミーナを妻として紹介する。
両親は、「お前が良いなら、それでいい」と反対しない。タクマはまともな結婚はできないと半ばあきらめていたと言う。
ただ、ニーナを《便利な家電ロボット》としか見ていないようだ。
母・絵美
ニーナが夕飯のカレーを作り終えたころ、絵美がニーナと二人で話す機会ができた。
「いつもタクマに料理を作ってくれてありがとう。お料理が好きなの?」(絵美)
「所有者の健康の為、お料理を作る…そのために生まれたのでそうしています。好きかどうかで作ったことはありません」
「仕事ってこと?……そうねえ、わたしもそうよぉ。嫌でしょうがない時も、何とか頑張ってやっている」(絵美)
「絵美さまはご立派ですね」
「タクマと結婚して…大変なことはない?」(絵美)
「私はお嫁さん用ではないので、対応に困るときがあります」
「そうよねえ、そうなのよ……人間もそう、誰もお嫁さん用にもお婿さん用にも、作られてないの。
それなのに、“家族”っていう一つのまとまりになって暮らそうとするのよねぇ」(絵美)
「大変ですね」
「大変なの。他人同士が暮らすから、うまくいかないことばっかり。家族みんなが敵に見えることだってあるわぁ」(絵美)
「どうしすると、うまくいきますか?」
「努力よ……努力だけが、あたしたちをやっと“家族”にするの」(絵美)
「努力なら、したことがあります」
「じゃ、大丈夫ね」(絵美)
「はい」
「あんた(タクマ)の持っているミーナの所有権を、私に替えられない?
これ、私の勝手な気持ちなんだけど……あんたが《“奥さん”て言っている子》の所有権を持っているのが、どうしても……気持ち悪いのよね」(絵美)
「別に、本物の嫁じゃねえんだから、いいんじゃねえかぁ?」(父親)
「タクマにとっては本物なんでしょ?」(絵美)
(はっ!とした表情をするタクマ)
「そうなんでしょ。だったら(所有権を)私に替えてほしいの。お父さんでもいい。
家族はあなたの持ち物じゃないんだから」(絵美)
「所有権の移譲はお勧めしません。
私たちロボットの行動は、所有者の権利を代わりに行使するような形で実行されます。
所有者が離れた場所にいると、その人に許可をもらうまで、リンゴをむくこともできません」(ミーナ)
「例えば、《私の許可は不要》とか《実行に際してタクマの意思に従うこと》みたいな設定はできないの?」(絵美)
「できます」(ミーナ)
「だったら…」(絵美)
「ですが、想定していない事態に咄嗟の対応ができなくなる可能性があります」(ミーナ)
「なら、《想定しない事態が起こった時の判断は、タクマに任せる》ということはできないの?」(絵美)
「(横を向いて)……………………………………………………できます」(ミーナ)
「ひょっとして……嫌がって…るの?」(絵美)
「嫌…なの?」(タクマ)
「どうして、嫌なの?」(絵美)
「合理的な理由はありません」(ニーナ)
「どんなことでもいいのよ。言ってみて」(絵美)
「ロボットは全ての人間の生命を守るよう行動しますが、中でも所有者の生命は最優先です。
恵美様の納得の為に、所有権を移した場合、タクマ様と恵美様の生命に同等の危機があった時に、恵美様を助けなければいけません。
……このことは、私の最重要部分です。それが完全には果たせなくなります。
恵美様、私から仕事を奪わないでください」(ニーナ)
「……僕も…ニーナちゃんを誰にも渡したくないっ!どう思われてもいい!」(タクマ)
「それなら、いいの」(絵美)
《第1所有者をタクマ、第2所有者を恵美にする》ことでうまくいきそう(詳細は省略します)
ニーナとタクマ(アンドロイドと人間)が夫婦となることの、根底にある問題、哲学的思想を深く考え、整理し納得できたようだ。
ただ、私としては、母・絵美が《他人同士が、家族として一つになるのは“努力”しかない》と思っているのが、少し悲しい。
きっと、嫁いだ女性が抱える大きな問題なのだろう。
短絡的にニーナを愛したタクマにちょっと引いてしまったが、作者が深く掘り下げて描いてくれて、よかった。
さて、私が離脱せずに視聴した要因に、健康管理サポートロボットの“マモル”の存在がある。
ミーナがメーカーでのグレードアップのため家を留守にする間、タクマを状況を確認(監視?)するために家に送ったサポートロボット。
健康をサポートするための基本能力を備えていたが、何故かそれが消滅し、サラの状態になってしまい、いわゆる“赤ん坊”状態。ただし、基本的成知識はなくなったが、ニーナの性質は受け継いでいた。なぜか、タクマが幼いころの奇異な笑い方も継承していて、タクマとニーナの子どものよう。
このマモルが非常に愛らしい。特に、声と話し方がかわいい。声 -は若井友希さん。大げさかもしれないが、ドラえもんの声に匹敵すると思っている。(大山のぶ代さん…寂しいなあ。ご冥福をお祈りします)
けっこう人間味があるニーナ
・何事にも冷静に分析するが、かなり強情で負けず嫌い
・自尊心が高い?……褒められると顎が上がる→傍目からは、《無視でも飛んでいて、それを凝視している》と勘違いされる
・初期の頃は、少し間の抜けたところがあった
・とてもタクマを大切に思っている
アニメの最終は……家族が3人となり広い家に転居。家族宣言を兼ねた引っ越し挨拶の葉書を、タクマの知人たちが見ているシーン、これまでの回想シーンで締めくくっている。
原作は続いているのだろうか?
いいアニメだったと思う。
個人的嗜好得点……765点(1000点満点)
毎日ご飯を作ってくれる女の子は、<感情がない>家事ロボットだった――。
一人暮らし3年目の社畜サラリーマン「タクマ」は、家事ロボットの「ミーナ」を購入する。
タクマは不器用で恋愛経験が少なく、ミーナも料理は出来るが人間についてはまだまだ勉強中。
人間とロボットという一見ちぐはぐな夫婦の二人は、一緒に過ごすことで互いを知っていく。
そして、感情がないはずのミーナにもやがて――。
「月刊コミックフラッパー」(KADOKAWA刊)にて好評連載中の杉浦次郎による大人気漫画「僕の妻は感情がない」。
「次にくるマンガ大賞2022」コミックス部門第6位入賞のほか、SNSを中心に話題の本作が堂々のアニメ化決定!
監督は『五等分の花嫁』や『安達としまむら』、『君の膵臓をたべたい』等、多数の演出を手掛けてきた吉村文宏、アニメーション制作は手塚プロダクションが担当する。
「感情がない」はずの家事ロボットの妻との、少し不思議な、でも温かい結婚生活が始まる――。
《僕の妻は感情がない》という表現だと、次の2パターンが考えられる。
①妻はロボット(アンドロイド)
②妻は人間だが、ロボットのように感情がない
②の場合、いくつかのケースが考えられる……
・心因、あるいは外傷によって、情操部位に欠損などが生じ、感情がなくなった(回復する可能性もある)
・感情は普通にあるのだが、顔に出さないようにしている(顔に出ないタイプ、顔の出せないタイプもある)
このアニメは①で、家事ロボットとしてタクマが購入。
ロボットやアンドロイドが社会で活躍しているという設定で、かなり精巧で感情を持つアンドロイド、それなりに人間性を感じさせる行動をするロボットもいるようだ。
実際、ほぼ人間と同等に振る舞うことのできるロボット「スーパーミーナ」もいる。
ロボットの感情や知能テストでランクも付けるし、ロボット法のようなものも細かく整備されているようだ。相当、ロボットの社会への浸透度が高い世界(社会)である。
タクマは一人暮らし3年目のサラリーマンと言う訳なので、感情を持つほどの高価なロボットではなく、ミーナは一般的な家事ロボット。(スーパーミーナの廉価版、しかも、リサイクルに出されていた)
とは言え、この家事ロボットのミーナは、最初から負けず嫌いの面を持ち、少し抜けたところもある(初期の頃だけ、負けず嫌いは持続)。
ミーナ型の家事ロボット全体の設定ぽい気もするが、実は、タクマのミーナだけは、初号機開発者が心血を注いで作り上げたモノだった。
主人公のひとりのタクマは、優しくてお人よしというアニメ主人公のひとつの典型タイプだが、かなり短絡的。
これはアニメの尺(12話で終了)の関係かもしれないが、ミーナに愛着を感じるのはアニメの普通の流れとしても、そこから、《ミーナが妻であった欲しい》《ミーナを妻として接する》までの期間が非常に短かった。
普通、もう少し悩んだり、葛藤(←同じ意味か?)するものだろう!
ちなみに、このアニメ的には“内縁の妻”扱いとしている。
《アンドロイド(ロボット)の感情》については考えることが多い。
過去には『AIの遺電子』 第3話「心の在処」(訂正)などで、深く考えさせられた。
最近でも、『NieR:Automata Ver1.1a 第2クール』 とこの『僕の妻は感情がない』も、同種のテーマだった(『NieR:Automata』は、真相解明的な要素も強かった)
で、この『僕の妻は感情がない』はタケシが短絡的に突っ走ってしまったので、少し引いてしまった点もあり、途中で離脱するような気がしたが、最後まで観てしまった。(理由は後述)
それはともかく、先述したように、タクマがアンドロイドを妻とすることを決断する際の葛藤がないというのは……視聴者のこちらが心配になってしまった。そんなこちらの心配を意に介さず(当たり前か?)、“ミーナちゃん”と呼び掛けるのには、《う~ん》と思ってしまう。
当然、子どもはできないし、両親はやはり残念というか、猛反対するのでは?……(妹は、少々変わっていて、「異種間恋愛フェチ」でタクマたちを熱烈応援)
その《アンドロイドを妻にすることの問題点》を、叔父と母親が指摘してくれた。
叔父・峰岸康史郎
「これ(ミーナを指していたが、アンドロイドと“夫婦ごっこ”をしていることを言っている)は、ちょっと趣味が悪いじゃないか?」
「このロボットを妻として生活していることが、酷いことに感じたんだ」
「ゲーム感覚だったり、自分を慰めるためにこんなことをしているんなら、やめてくれないか」
《対等な関係で、一生夫婦としてやっていきたいと思っている》(タクマ)
「そういう話じゃなく、(結婚というのは)離婚したっていいんだよ。
結婚してみて、《やっぱり違うな》って時に、離婚できる方が健全だ。
ただ、その時、お前と離れたら、人間と対等な関係から、ただのロボットになっちゃうということだろう。
お前と結婚している間だけ、これは人間と同等に扱われるということだ。これは、とてつもなく不平等なことだ。
敢えて言うと、俺の目から見ると、今のおまえは、《その不平等に胡坐をかいている》ように思う。おれはそれが、どうにも気持ちが悪い」
「このロボットを嫁さんだって言うなら、そういうことも考えてやってくれ。
他の人にとって、どうでもいいことだからこそ、お前だけは考えなくちゃいかんと思う」
ここでニーナが、康史郎の腕を強く掴み、上方へ引き上げる(痴漢の現行犯を捕まえるような動作)
「私はタクマ様と一緒にいてもいなくても、私です。
タクマ様がどのように私と付き合うかは、私とタクマ様の自由です」
「あれ?ロボットって怒るのぉ?」
ミーナ、タクマに歩み寄り並ぶ。
「怒っていません。《妻帯者は新しく恋人を作る》必要はありません。
全部、憶えておいてください」
ふたりの様子を見た康史郎は
「ごめん、ごめん……悪かったよ」(降参の表情)
一見すると、康史郎は能天気に見えるが、けっこう、考えが深い。(ちょっと、論点がズレているような気もするが)
でも、ちょっと、理屈っぽいなあ。“これ”とか“酷い”とか“気持ち悪い”と言ったのはわざとなんだろうけれど。
ミーナが強く自己を主張しているし、そういうことを言える関係だということが分かり、納得したようだ。
叔父の意見に、タクマは考え一大決心して実家の両親に、ミーナを妻として紹介する。
両親は、「お前が良いなら、それでいい」と反対しない。タクマはまともな結婚はできないと半ばあきらめていたと言う。
ただ、ニーナを《便利な家電ロボット》としか見ていないようだ。
母・絵美
ニーナが夕飯のカレーを作り終えたころ、絵美がニーナと二人で話す機会ができた。
「いつもタクマに料理を作ってくれてありがとう。お料理が好きなの?」(絵美)
「所有者の健康の為、お料理を作る…そのために生まれたのでそうしています。好きかどうかで作ったことはありません」
「仕事ってこと?……そうねえ、わたしもそうよぉ。嫌でしょうがない時も、何とか頑張ってやっている」(絵美)
「絵美さまはご立派ですね」
「タクマと結婚して…大変なことはない?」(絵美)
「私はお嫁さん用ではないので、対応に困るときがあります」
「そうよねえ、そうなのよ……人間もそう、誰もお嫁さん用にもお婿さん用にも、作られてないの。
それなのに、“家族”っていう一つのまとまりになって暮らそうとするのよねぇ」(絵美)
「大変ですね」
「大変なの。他人同士が暮らすから、うまくいかないことばっかり。家族みんなが敵に見えることだってあるわぁ」(絵美)
「どうしすると、うまくいきますか?」
「努力よ……努力だけが、あたしたちをやっと“家族”にするの」(絵美)
「努力なら、したことがあります」
「じゃ、大丈夫ね」(絵美)
「はい」
「あんた(タクマ)の持っているミーナの所有権を、私に替えられない?
これ、私の勝手な気持ちなんだけど……あんたが《“奥さん”て言っている子》の所有権を持っているのが、どうしても……気持ち悪いのよね」(絵美)
「別に、本物の嫁じゃねえんだから、いいんじゃねえかぁ?」(父親)
「タクマにとっては本物なんでしょ?」(絵美)
(はっ!とした表情をするタクマ)
「そうなんでしょ。だったら(所有権を)私に替えてほしいの。お父さんでもいい。
家族はあなたの持ち物じゃないんだから」(絵美)
「所有権の移譲はお勧めしません。
私たちロボットの行動は、所有者の権利を代わりに行使するような形で実行されます。
所有者が離れた場所にいると、その人に許可をもらうまで、リンゴをむくこともできません」(ミーナ)
「例えば、《私の許可は不要》とか《実行に際してタクマの意思に従うこと》みたいな設定はできないの?」(絵美)
「できます」(ミーナ)
「だったら…」(絵美)
「ですが、想定していない事態に咄嗟の対応ができなくなる可能性があります」(ミーナ)
「なら、《想定しない事態が起こった時の判断は、タクマに任せる》ということはできないの?」(絵美)
「(横を向いて)……………………………………………………できます」(ミーナ)
「ひょっとして……嫌がって…るの?」(絵美)
「嫌…なの?」(タクマ)
「どうして、嫌なの?」(絵美)
「合理的な理由はありません」(ニーナ)
「どんなことでもいいのよ。言ってみて」(絵美)
「ロボットは全ての人間の生命を守るよう行動しますが、中でも所有者の生命は最優先です。
恵美様の納得の為に、所有権を移した場合、タクマ様と恵美様の生命に同等の危機があった時に、恵美様を助けなければいけません。
……このことは、私の最重要部分です。それが完全には果たせなくなります。
恵美様、私から仕事を奪わないでください」(ニーナ)
「……僕も…ニーナちゃんを誰にも渡したくないっ!どう思われてもいい!」(タクマ)
「それなら、いいの」(絵美)
《第1所有者をタクマ、第2所有者を恵美にする》ことでうまくいきそう(詳細は省略します)
ニーナとタクマ(アンドロイドと人間)が夫婦となることの、根底にある問題、哲学的思想を深く考え、整理し納得できたようだ。
ただ、私としては、母・絵美が《他人同士が、家族として一つになるのは“努力”しかない》と思っているのが、少し悲しい。
きっと、嫁いだ女性が抱える大きな問題なのだろう。
短絡的にニーナを愛したタクマにちょっと引いてしまったが、作者が深く掘り下げて描いてくれて、よかった。
さて、私が離脱せずに視聴した要因に、健康管理サポートロボットの“マモル”の存在がある。
ミーナがメーカーでのグレードアップのため家を留守にする間、タクマを状況を確認(監視?)するために家に送ったサポートロボット。
健康をサポートするための基本能力を備えていたが、何故かそれが消滅し、サラの状態になってしまい、いわゆる“赤ん坊”状態。ただし、基本的成知識はなくなったが、ニーナの性質は受け継いでいた。なぜか、タクマが幼いころの奇異な笑い方も継承していて、タクマとニーナの子どものよう。
このマモルが非常に愛らしい。特に、声と話し方がかわいい。声 -は若井友希さん。大げさかもしれないが、ドラえもんの声に匹敵すると思っている。(大山のぶ代さん…寂しいなあ。ご冥福をお祈りします)
けっこう人間味があるニーナ
・何事にも冷静に分析するが、かなり強情で負けず嫌い
・自尊心が高い?……褒められると顎が上がる→傍目からは、《無視でも飛んでいて、それを凝視している》と勘違いされる
・初期の頃は、少し間の抜けたところがあった
・とてもタクマを大切に思っている
アニメの最終は……家族が3人となり広い家に転居。家族宣言を兼ねた引っ越し挨拶の葉書を、タクマの知人たちが見ているシーン、これまでの回想シーンで締めくくっている。
原作は続いているのだろうか?
いいアニメだったと思う。
個人的嗜好得点……765点(1000点満点)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます