英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

映画 『謎解きはディナーの後で』

2014-10-18 22:46:35 | ドラマ・映画
劇場版ということで、いろいろ頑張って製作されていた。

 豪華客船に豪華な俳優陣、練りに練ったストーリー……


 しかし、長所と短所は背中合わせ、連続ドラマを映画化した際にありがちな
「あれもこれも頑張ったため、空中分解、不協和音が生じてしまう」という落とし穴に落ちてしまった。


★複雑で絡み合い過ぎたストーリー
 ①李家復興の宿願を背負った男、②伝説の怪盗、③国際的怪盗、④おちゃらけたコソ泥2人組が、二つの宝「セイレーンの涙」と「Kライオン」を巡り絡み合う。
 絡ませ過ぎのように感じるが、『警視庁捜査一課9係 2時間ドラマスペシャル』ほど強引さは感じられず、防犯システムを解除するため死体にライフジャケットを付けて海に落下させる(エンジンを停止させ停電させる)など、練り込まれたストーリーと評価できる。
 しかし、複雑なストーリーの上、風祭警部やおちゃらけコソ泥の脱線が多くテンポが悪く、さらに、麗子の捜査が機能せず、解明する影山は間接的捜査が多いので、視聴者が自力で真相にたどり着くのは困難のように思える。
 ここまで凝らずに、麗子が捜査をして凡人的な推理をして、視聴者の頭を整理させてほしかった。

★豪華ゲストゆえに……
 豪華な俳優陣。それぞれに見せ場や役目を持たせなければならず、事件の核心部分が膨らみ複雑になってしまった。
 さらに、おちゃらけコソ泥役におちゃらけ度の強い竹中直人氏を起用したため、おちゃらけが濃くなり過ぎた。さらに、おちゃらけキャラの風祭との相乗効果で、ますますおちゃらけ度が強化されてしまった。
 逆に、ドラマ(原作)の売りである「麗子と影山の掛け合い」は減ってしまった。

★映画(長時間)のため、コメディ色(おちゃらけ度)が倍増
 私だけかもしれないが、実力もないのに運だけで手柄を上げ、それを自分の実力だと勘違いして自惚れる風祭は嫌いである。せめて、正義感やまじめさがあるのなら許容できるが、面倒は部下に押し付け、失敗(Kライオンの翼を折る)は隠ぺいしようとするいい加減な男。
 これが、1時間ドラマなら我慢ができるが、映画だと露出時間も増えてしまう。
 謎解きの部分は練られていたとは言え、複雑、雑多な分を差し引くと連続ドラマ時とプラスは少ない。
 となると、倍加されたマイナス面だけが目立ってしまった。

【ささいな突っ込み】
 防犯解除パスワードの4ケタ数字を知るのに、キーボードに油?を塗って4つの数字を探り出したが、4つの数字が分かっても、その順列は4×3×2×1=24通りもあるので、割り出すのは大変である。

 要君、殺害されたうえ、素っ裸にさせられ、土下座ってかわいそ過ぎる。 

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2 コメント

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確かに竹中さんは (kazutoyo0626)
2014-10-19 20:02:51
風祭警部のキャラと被っちゃってましたね。
お蔭でオチャラケ色が強過ぎて、
ミステリーテイストが薄まっていた気は致しました。
扱いにくい個性ではあるのでしょうね^^;
Shall we ダンス?でも強過ぎで、
シコふんじゃった位で丁度バランスがとれていたような。

映画は宮沢えりさんと女性シンガーの存在感が、
主演の北川景子さんを食っていたように感じました^^
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豪華出演陣なので ()
2014-10-19 21:25:37
kazutoyo0626さん、こちらにもコメント、ありがとうございます。

>キャラと被っちゃってましたね。
>お蔭でオチャラケ色が強過ぎて、ミステリーテイストが薄まっていた

 ええ、ですよね。
 竹中さんは、おちゃらけ役ははまり過ぎますし、個人的には氏のおちゃらけはワンパターンで下手のように感じます。現大河の秀吉役もおちゃらけ演技は疑問に感じることが多いです。
 まじめな役の方が味のある演技をするような気がします。

>映画は宮沢えりさんと女性シンガーの存在感が、
主演の北川景子さんを食っていたように感じました^^

 豪華俳優陣のため、北川さんの比重が低くなってしまいました。その意味を含めて、宮沢さんの役も必要だったのか疑問です。(無意味な役ではないし、賭博での影山との貸し借りも必須でしたが)
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