英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

2014年度棋士活躍度ランキング(11か月ほど遅れましたが)

2016-02-25 23:25:56 | 将棋
 今年は年度替わりの時期が忙しくて集計ができず、≪そのうちに≫と思っているうちに、4月があっという間に過ぎ去り、“あっという間”の経験を既に11回も味わってしまいました。
 昨日、突然やる気になり、『今さら』という言葉すら使いにくい状況なのですが、記事をまとめています。
 私の年代になると、1年前と2年前の記憶が混ざり合っています(私だけではないですよね)。そのことを、集計していて強く実感させられました。
 昨年度の名人戦~竜王戦は、2期前をピックアップすべきなのですが、うっかり今年度を集計しそうになりそうになりました。

 おそらく、この記事を読む方の中にも、そんな混乱が生じるかもしれません。我慢しておつきあいください。

算出基準==================================
 タイトル挑戦して奪取20点、タイトル防衛15点、タイトル挑戦して失敗10点、タイトル失冠は名人、竜王が5点、他の5タイトルを3点。(2012年度ランキングより改正。こちら
 ただし、名人位と竜王位は他のタイトルと重みが違うので獲得点を増やす。竜王挑戦・獲得は30点、同防衛は20点、同挑戦・失敗は15点。
 名人挑戦に関しては、4~6月の七番勝負進出のためのA級順位戦は前年度なので、ポイントには加えず、名人に挑戦し獲得した場合は15点、挑戦し失敗した場合は0点、名人防衛は20点、A級優勝(名人挑戦権獲得)は15点。
 さらに、A級2位と竜王挑戦者決定戦(敗退)は8点(1組優勝者の場合は4点)、竜王挑戦準決勝進出(敗退・1組優勝者は除く)は4点とする。 A級残留はかなりの難易度なので5点。
 順位戦各級の昇級もクラスで差をつけるのが妥当と考え、B1→A級は7点、B2→B1は5点、C1→B2、C2→C1は4点。
 竜王戦昇級の評価については、各クラスの昇級人数が4人と多いのと、クラス別の差別化などを考えると複雑なので、1組優勝者は6点、準優勝者は4点、2組以下は均一に優勝者5点、準優勝者3点。昇級者決定トーナメントを勝ち抜くと、かなり勝ち星を稼げるので昇級に対する加点はなし。

 棋戦(全棋士対象)優勝10点、棋戦準優勝6点、
 参加棋士限定棋戦(新人王戦、日本シリーズ、大和証券杯)優勝7点、同準優勝4点。

 あと、挑戦者決定戦で敗れたり、棋戦3位などの評価をしないのも誤差が生じそうだが、そこまで勝ち進めば勝ち星が多いはずなので、1勝=1点とすれば反映できる。
 ==================================


 【参照】
『放電日記的 2008年度棋士活躍度ランキング』(2009年3月31日)
『修正版 2008年度棋士活躍度ランキング』(2009年4月19日)
『放電日記的 2009年度棋士活躍度ランキング』(2010年4月2日)
『放電日記的 2010年度棋士活躍度ランキング』(訂正あり)(2011年4月4日)
『放電日記的 2011年度棋士活躍度ランキング』
『2012年度棋士活躍度ランキング 「渡辺竜王・棋王・王将vs羽生王位・王座・棋聖」編』
『2012年度棋士活躍度ランキング』
『2013年度棋士活躍度ランキング』


 今年もベスト20の下位から発表していきます。
18位 33点 八代四段(昨年度19点)
 年度成績33勝13敗。
18位 33点 佐々木勇五段(昨年度39点、7位)
 新人王準優勝4点、年度成績29勝18敗。
18位 33点 澤田五段(昨年度30点、19位)
 B級2組に昇級4点、年度成績29勝15敗。
16位 34点 西尾五段(昨年度13点)
 竜王3組2位3点、年度成績31勝15敗。
16位 34点 松尾七段(昨年度22点)
 銀河戦準優勝6点、年度成績28勝13敗。
15位 35点 千田五段(昨年度36点、12位)
 C級1組に昇級4点、(その他…王位挑戦者決定戦敗退0点)、年度成績31勝11敗。
12位 36点 藤森四段(昨年度17点)
 竜王6組1位5点、(加古川青流戦準優勝)、年度成績31勝14敗。
12位 36点 佐藤天八段(昨年度28点)
 A級昇級7点、(銀河戦3位)、年度成績29勝11敗。
12位 36点 広瀬八段(昨年度34点、14位)
 A級残留5点、竜王3組2位3点、年度成績28勝16敗。

ベスト10です。(10位は2名)
10位 37点 横山六段(昨年度13点)
 C級1組に昇級4点、竜王4組2位3点、年度成績30勝11敗。
10位 37点 木村八段(昨年度22点)
 王位挑戦失敗10点、年度成績27勝18敗。
9位 39点 阿部光五段(昨年度34点、14位)
 新人王優勝7点、竜王6組2位3点、年度成績29勝18敗。
8位 45点 豊島七段(昨年度38点、8位)
 王座挑戦失敗10点、(その他…朝日杯3位)、年度成績35勝21敗。
7位 50点 菅井六段(昨年度29点)
 B級2組に昇級4点、竜王5組2位3点、(新人王3位)、年度成績43勝11敗。
6位 51点 森内九段(昨年度82点、3位)
 名人位失冠5点、竜王位失冠5点、棋聖位挑戦失敗10点、NHK杯優勝10点、A級残留5点、(その他…達人戦優勝)、年度成績16勝27敗。

いよいよベスト5!
5位 53点 行方八段(昨年度42点、6位)
 第73期名人位挑戦権獲得(A級順位戦1位)15点、竜王位挑戦者決定準決勝進出4点、竜王戦2組1位5点、NHK杯準優勝6点、年度成績23勝17敗。
4位 55点 郷田王将(昨年度55点、4位)
 王将位奪取20点、竜王位挑戦者決定準決勝進出4点、A級残留5点、年度成績26勝22敗。
3位 65点 糸谷竜王(昨年度30点、19位)
 竜王位奪取30点、竜王戦3組1位5点、年度成績30勝9敗。
2位 72点 渡辺棋王(昨年度84点、2位)
 棋王位防衛15点、王将位失冠3点、銀河戦優勝10点、朝日杯準優勝6点、A級残留5点、日本シリーズ優勝7点、年度成績26勝14敗。
1位 133点 羽生名人・王位・王座・棋聖(昨年度130点、1位)
 第72期名人位奪取15点(A級順位戦1位は前年度、今期は名人のため参加せず)、棋聖位防衛15点、王位防衛15点、王座防衛15点、棋王位挑戦失敗10点、竜王位挑戦者決定戦進出4点(通常8点だが1組優勝者のため4点)、竜王1組優勝6点、朝日杯優勝10点、日本シリーズ準優勝4点、(その他…王将リーグ・プレーオフ敗退、銀河戦3位)、年度成績39勝15敗。


 1位の羽生三冠は、何といっても名人位復位(活躍度の得点としてはA級順位戦1位と同じ15点)。3タイトルを防衛の他、棋王位挑戦(失敗)、竜王位挑戦者決定戦敗退、朝日杯優勝、日本シリーズ準優勝など、前年度を凌ぐ活躍。ランキングの得点が前年と3点しか増えていないのは、順位戦の勝ち星がなくなったため(8勝)。
 2位の渡辺二冠、前年度に比べ、王将位を失冠したマイナス分だけ後退(マイナス12点)。銀河戦優勝、日本シリーズ優勝、朝日杯準優勝、A級プレーオフ進出と並の棋士なら大健闘と思われるが、“物足りない”と評価すべきだろう。
 3位の糸谷竜王は、竜王位奪取が大きい。30勝9敗は素晴らしい成績だが、それ以外はパッとせず、順位戦昇級も逃した。
 4位の郷田九段は、前年度と同じランキング。前年度はNHK杯の初優勝を始め、1年を通して活躍したものの、棋聖、王座、竜王と挑戦者決定戦で敗れる無念を味わい続けていたが、今年度はフルセットで王将位を奪取。
 5位の行方八段は、A級順位戦四者プレーオフを勝ち抜き、名人位初挑戦を決める。前年度もランキング6位(王位挑戦、A級2位)で、地力はA級上位と言って良いだろう。
 6位の森内九段は、名人位、竜王位と続けて失冠。しかし、NHK杯優勝で立ち直りの兆し。失冠点の5点×2、棋聖位挑戦(失敗)の10点、など、このランキング的には得点を上げたので6位に踏みとどまった。年度成績は16勝27敗と散々だが、タイトル戦1勝11敗を除けばほぼ5割。(でも、5割は情けないとも言える)
 43勝11敗と勝ちまくった菅井六段が7位
 王座戦挑戦の豊島七段が8位。「期待を裏切る」と言われ続けている“序盤中盤終盤の隙のない”豊島七段だが、2008年度17位、2009年度5位、2010年度7位、2011年度4位、2012年度6位、2013年度9位、2014年度8位という成績は見事としか言いようがない。
 この年度A級昇級を果たした佐藤天八段は12位(36点)。銀河戦3位しか目立っていないが、29勝11敗と高勝率で、躍進の兆し。
 
 ベスト20以外のA級棋士は、屋敷九段(21位32点、21勝19敗)、佐藤康九段(23位30点、25勝17敗)、深浦九段(25位29点、棋王位挑戦者決定戦敗退、NHK杯3位、24勝17敗)、久保九段(27位27点、日本シリーズ3位、19勝15敗)。
 期待された中村太六段(前年度40点・7位)、永瀬六段(前年度5位・43点)は、それぞれ25点、24点と振るわなかった。
 
以下は、各棋戦ごとに、まとめたもの
 竜王戦
奪取30点・糸谷竜王 防衛失敗5点・森内九段 挑決4点・羽生名人(1組優勝者のため8→4点) 準決4点・郷田王将、行方八段
  1組1位6点・羽生名人 2位4点・屋敷九段  2組1位5点・行方八段 2位3点・三浦九段
  3組1位5点・糸谷竜王 2位3点・西尾六段  4組1位5点・中村太六段 2位3点・横山六段
  5組1位5点・高見四段 2位3点・菅井五段  6組1位5点・藤森四段 2位3点・阿部光四段

 名人戦
奪取15点・羽生名人 防衛失敗5点・森内九段 
  A級1位15点・行方八段 2位8点・久保九段 残留5点・渡辺、広瀬、深浦、郷田、森内、佐藤康 降級・三浦、阿久津
  B1→A級7点・佐藤天八段、屋敷九段  降級・藤井九段、飯塚七段
  BⅡ→BⅠ5点・稲葉七段、先崎九段  降級・泉八段
  CⅠ→BⅡ4点・菅井六段、澤田五段  降級・脇八段、
  CⅡ→CⅠ4点・横山六段、千田五段、村田五段  降級・増田六段、石川七段、西川慶七段


 王位戦
防衛15点・羽生名人 挑戦失敗10点・木村八段 挑戦者決定戦0点・千田五段
 王座戦
防衛15点・羽生名人 挑戦失敗10点・豊島七段 挑戦者決定戦0点・丸山九段
 棋王戦
防衛15点・渡辺棋王 挑戦失敗10点・羽生名人 挑戦者決定戦0点・深浦九段
 王将戦
奪取20点・郷田王将 防衛失敗 3点・渡辺棋王 挑戦者リーグ2位0点・羽生名人
 棋聖戦
防衛15点・羽生名人 挑戦失敗10点・森内九段 挑戦者決定戦0点・村山六段

NHK杯 優勝10点・森内九段 準優勝6点・行方八段 3位0点・深浦九段、橋本八段
朝日杯  優勝10点・羽生名人 準優勝6点・渡辺棋王 3位0点・豊島七段、伊藤真五段
銀河戦  優勝10点・渡辺棋王 準優勝6点・松尾七段 3位0点・羽生名人、佐藤天七段

大和証券杯  2013年度より開催されず
日本シリーズ 優勝7点・渡辺棋王 準優勝4点・羽生名人 3位0点・久保九段、丸山九段
新人王    優勝7点・阿部光四段 準優勝4点・佐々木勇五段 3位0点・菅井六段、阿部健五段

【獲得点なし】
加古川青流戦 優勝・石田四段 準優勝・藤森四段 3位・石川泰三段、西田三段
【非公式戦】
達人戦   優勝・森内九段 準優勝・高橋九段  2013年度に参加棋士が10→6人に縮小

2014年度 勝数ランキング
勝数ランキング
1 菅井達也  43    10佐々木勇気  29
2 羽生善治  39    10阿部光瑠   29
3 豊島将之  35    14広瀬章人   28
4 矢代 弥   33    14松尾 歩   28
5 西尾 明   31    14斉藤慎太郎 28
5 千田翔太  31    17木村一基   27
5 藤森哲也  31    18渡辺 明   26
8 糸谷哲郎  30    18郷田真隆   26
8 横山泰明  30    18稲葉 陽   26
10 佐藤天彦  29    18村田顕弘  26
10 澤田真吾  29


 最後に、ランキングをもう一度。
2014年度活躍度ランキング
 1位 133点 羽生名人・王位・王座・棋聖(昨年度130点、1位)
 2位 72点 渡辺棋王(昨年度84点、2位)
 3位 65点 糸谷竜王(昨年度30点、19位)
 4位 55点 郷田九段(昨年度55点、4位)
 5位 53点 行方八段(昨年度42点、6位)
 6位 51点 森内九段(昨年度82点、3位)
 7位 50点 菅井六段(昨年度29点)
 8位 45点 豊島七段(昨年度38点、8位)
 9位 39点 阿部光五段(昨年度34点、14位)
10位 37点 木村八段(昨年度22点)
10位 37点 横山六段(昨年度13点)
12位 36点 広瀬八段(昨年度34点、14位)
12位 36点 佐藤天八段(昨年度28点)
12位 36点 藤森四段(昨年度17点)
15位 35点 千田五段(昨年度36点、12位)
16位 34点 松尾七段(昨年度22点)
16位 34点 西尾五段(昨年度13点)
18位 33点 澤田五段(昨年度30点、19位)
18位 33点 佐々木勇五段(昨年度39点、7位)
18位 33点 八代四段(昨年度19点)

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