英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

竜王戦 第2局 その3

2010-12-15 03:40:47 | 将棋
 竜王戦第6局が始まりました。終わる前にせめて第2局だけでも終わらせたいです。
 もし、もしですよ、ええ、もしも、第6局に負けてしまったら、当分は記事をアップする気力が湧きそうもないです。中途半端になるのも何ですから、雑にはなると思いますが、がんばってみようと思います。


 第4図は先手羽生名人の▲4六桂に対して△2五成銀と引いたところ。この△2五成銀では△4五銀や手厚く△4五銀打が有力視されていたが、△4五銀には▲5九角で、また△4五銀打には▲3四桂△同銀▲3五角△同銀▲同飛△2四角▲3九香で大変らしい(将棋世界観戦記)。
 図の△2五成銀はとにかく3五の地点を厚くして抑え込むのがこの将棋のポイントとという竜王の大局観。
 いつか改めて考えたいが、上記の将棋観は大局観というのとは違うかもしれない。つまり、渡辺将棋は大局観より「こう指した方が勝ちやすい、負けにくい」という「勝負のコツ」を優先させることがしばしばあるような気がする。間違える危険性のある100点の手ではなく、勝ちやすい(方針がはっきりし間違えにくい)96点の手を選ぶ。勝負として考えるなら、最善手より、自分が分かりやすく相手が間違えやすい手を選ぶというのも有効である。
 △2五成銀がそういうスタンスの手かどうかは不明というか、この手は最善を求めた結果の手のような気がするが、先手の大駒を押さえる方針はあったように思う。そして、この手の価値は上述の方針という意味では着手しやすい手だが、プロの読みとしては選びにくい手でもあった。それは、先手に▲2九香と打たれた場合、成銀が2六でも2五でも△3六成銀と指すことになる。つまり△2五成銀の1手が無駄になるのである。その意味で△2五成銀は抵抗のある1手だったのだ。
 実際、その理屈に誘われるように、実戦は▲3四桂△同金▲2九香△3六成銀と進んでいて、羽生名人は「▲2九香ではおかしい」と感想戦で漏らしている(将棋世界観戦記)。▲3四桂では▲5七角が優っていたようだ。
 △3六成銀以下▲1四歩△同歩▲1三銀(第5図)△同玉▲3六飛と進んでいる。

 第5図の▲1三銀は評判が悪く、控室ではこの手を見て形勢がはっきりしてきたという雰囲気になったようだ。
 確かに▲1三銀~▲3六飛は指し手に含みが少なく、棋界流行りの言葉で言うと「後手に余されそう」だ。ただ、羽生名人もそう思慮浅くその順を選んだわけでなく▲3五歩(第6図)は流石の踏み込みで、この手を見てまだまだ勝負形という評価に戻った。


 この手に対する△3六銀も飛車を取る代わりに、金を取りながら▲3四歩と手順に歩を3四に進めさせるので躊躇されるところだが、羽生名人の踏み込みに対して一歩も引かない手だった。
 この後、羽生名人は▲1三金を決めてからヒラリと▲7五角と大きく角を転回。次に王手飛車を見て8六や9七に利かせた好手を放つ。それに対する王手飛車を恐れない△8四桂(第7図)と竜王も最強の手で応える。この後も名人も迫るが竜王も強く応じ勝利をものにしている。


 羽生名人の新手、渡辺竜王の△2六銀成~△3四香の抑え込み、消去法によるいきなりの竜王の端攻め、△2五成銀の竜王独特の将棋観、名人の切れそうで切れない攻め、それに対する竜王の最強の応手など、非常に中身の濃い一局で、特に渡辺竜王の強さを感じた。
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竜王戦第6局 第1日

2010-12-14 18:50:00 | 将棋
 第6局が始まりました。
 戦型は角換わり腰掛け銀。例の同型の局面が期待されていたようですが、私はそうはならないと見ていました。
 あの形は先手が指せるというのが通説でかなり研究が進められている。当然両者も研究しており、よほどの研究成果が得られていないと選べないと見ていた(竜王は先日順位戦で新手を繰り出したが、郷田九段に敗れている)。
 新手ではないがあまり指されていない亜流の戦型を研究し、それを繰り出すのではないかと。そうすれば自分は研究十分で、名人は研究が手薄の順になると考えたのではないか。
 実際、竜王は同型には進めず、6五の位を取り、7筋の歩を突かず、先手に仕掛けを与えない策戦を取った。さらに仕掛けタイミングを計る両者の駆け引きが続き、その中で竜王が金を5二に戻すという工夫を見せた(渡辺新手(新工夫)図)。

 竜王は後手番なので千日手でもかまわない。仕掛けなければならないという負担の上、竜王の研究の網に飛び込んでしまったかもしれない羽生名人の方が気苦労が多いようで、消費時間も羽生名人の方が多い。策戦家の渡辺竜王の本領発揮といった感がある。
 羽生名人は仕掛けたが、通常の形よりやや損なのではないかというタイミングと言われている。そこで名人は▲4六角(羽生苦心角図)と打ち

この角打ちに一局の命運を掛けた。ただ、この角打ちは高山市近辺(研究陣)では評判が悪いらしい。この角は後手飛車を睨んでいるが、△9三香と上がられ△9二飛とかわす手を見せられると効果が薄いように見える。また右翼への有効な攻め筋も見えない。
 そこで指された名人の一着は▲4五歩(羽生苦心2図・封じ手局面)。

自ら桂馬と銀の利き筋に駒を打つ手で、攻撃陣を硬直化させるので筋の良い手ではないが、当面4筋を確保し相手の動きを待つ柔軟な指し手かもしれない。
 持ち角を先に打ち、その角の利きでギリギリ局面の均衡を保つという展開は羽生名人は多い気がする。本局も今のところ絶大な利きを放っている訳ではなく、渡辺竜王の持ち角の先手陣に制約力の方が優っているような感がある。
 しかし、面白くないのではないかと思えた4六角・4五歩の形は後手の狙いの一つである端攻めを牽制している(香を持てば4四に打ちこみが生じる)。また、後手の桂馬の参戦がない現状では持ち角があるとはいえ腰の入った攻めはなさそうだ。
 先手番としては面白くない展開かもしれないが、それなりの戦いではないだろうか。ここ3局の苦しさを考えると、勝負はまだまだこれからであろう。
 ちなみに、中継サイトの阿久津七段の形勢判断は「先手42:後手58」だが、ここまで差はないのではないか。ただ、先手としては△1二香から穴熊を見せられた時に、4五に歩を打ってしまっているので急に動く手がないのが不安。
 封じ手の予想は阿久津七段は△1二香か△4二金引、野月七段は△4四歩を、鈴木八段は△4二金引を、桐山九段は△9二飛を予想されている。
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竜王戦第2局 その2 驚愕の端攻め

2010-12-12 11:38:12 | 将棋

 第2図は角香交換の先手の駒得、しかも馬ができていて先手の優位は確固たるものに思える。しかし、後手玉の上部の厚みも相当で特に3四の香と3五の歩で先手の飛角が抑え込まれているのが大きい。
 手番は後手番、上部が厚いので入玉を視野に入れて指し手を考えたい。ただ、先手の馬も強力で相入玉もあり得る。となれば、大駒1枚しかいない後手が点数不足になる可能性も出てくる(現時点で単純に数えると27対27だが、後手の右翼の小駒をさらわれる可能性が高い)。
 と見ていると、△9六歩!
 馬がいるので後手の攻めに制約がある(9二に飛車が回れない、機を見て▲6四馬を利かされる等)ので、このタイミングでは全く思いつかなかった。渡辺竜王によると「消去法で△9六歩に至った」とのこと。
 確かに普通に△5三銀と6四の歩を守っても▲7五桂で制圧されそうだし、△7三銀とこちらから守るのも気が利かない。
 後手玉の上部の駒も下手に動かすと隙が生じる。駒を使って厚みを増すのは、先手玉上部を開拓しやすくなる。

 第2図以下、△9六歩▲同歩△9八歩▲同香△9七歩▲同香△9五歩▲同歩△9六歩▲同香と強引に先手の香をつり上げる。何と、歩を連続5枚捨てたのだ(その結果、後手歩切れに)。そもそも、端歩が先手9六、後手9四の形から同様に先手の香をつり上げるより1歩余分に損をする。さらに本譜の9七歩・9五歩型は9六歩・9四歩型に比べ後手が2手多く手を掛けている。
 (▲9八同香では▲同玉も有力だったが両者ともに深く考えなかったそうだ)

 香をつり上げた竜王は狙いの△8四桂(第3図)を放つ。

 ここで普通は▲8五馬だろう。中継の解説では

▲8五馬は△7三桂と手順に活用されるのが気にかかるが、▲7四馬△9六桂▲同馬△8五銀▲9七馬△9五香▲6四馬△9七歩▲同桂(変化1図)

が一例。先手も戦えていたようだ。「あー、そうですか。受けに回るんですか」と羽生。羽生は「後手が歩切れだったので、それに期待した」ため、▲8四同馬を選んだが、結果的に本譜は後手ペースに


 とある。また、将棋世界1月号の観戦記(相崎修司氏)には、上記の変化中△8五銀で△9二香打とする手順も解説されていて、以下▲8六銀△8五銀▲9七馬△8六銀▲同馬△9五香▲同馬△同香▲同角(変化2図)。

これは後手が悪そうという竜王の見解。ちなみに変化1図は後手自信なしと記されている。


 それにしても第3図で▲8四同馬にはびっくり。たった3分の考慮だ。△9八歩に対しての▲同香に24分費やしていて、この時に考えていたのだろうか。それでも30分程度での決断。
 5歩貰って気が大きくなってしまったのだろうか。相手は歩切れだし、▲8四同馬と切れば先手を取れるし、8四飛の形は当面8四に桂は打てない。
 それで、名人は▲4六桂以降の攻めでいけると踏んだが、自然に△3三銀と4二の銀を活用されるのは後手としてはありがたいはず。そのうえ、先手の9六香の形は羽生名人の見た手以上に欠陥が大きかったようだ。羽生名人も良くなかったと認めている。

 以下、続く(……やっぱり)

△▲△▲△
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『SPEC』 第9話

2010-12-11 18:33:44 | ドラマ・映画
 先週、ちょっと妙な流れになってきたと思ったら、今週はニノマエ君が暴走しました。
 いろいろ設定を広げて謎を散りばめてきましたが、回収してくれなさそうです。
・瀬文が巻き込まれた発端の事件はなんだったのか?
・志村(瀬文の部下)を操ったのは誰か?そしてその目的は?
・里中(瀬文の先輩)を撃ったのは誰か?
・海野が言っていた「君たちを最も苦しい病の中に取り込んでやる」の意味は?
・ニノマエが属する組織の存在目的は?その他ほのめかされた各種組織の実態や目的は?

 ストーリーを進めるため、それらのことを置き去りにしニノマエに暴走させることは目を瞑るとしても、暴走の原因が理解できません。
 組織が勝手に志村を抹殺してしまったことが原因というのは弱いのでは?それとも、子ども扱いされたことに切れた?
 仮の母親が殺されたからというのなら納得できるが、ひょっとしたら志村が実の兄?ということはないよね。

 ニノマエは無敵だった。戸田が率いる公安零課(Aggressor)+能力者の急襲も通用せず、公安零課(Aggressor)を壊滅させ、組織や政府にも好き放題。ニノマエがこれだけすごい能力者なら、初めから組織に従わなくても良かったのではないか?仮の母親というネック、かりそめの母親との日常を守りたい、むやみに敵を作るのは損、などなど理由はあるかもしれない。
 (くどいですが)それなら、ニノマエが切れた原因が志村の抹殺というのは弱い。

 それにしても、あそこまでできるのだったら、前回、戸田を拉致するのに瀬文を巻き込まなくても十分可能だ。
 初回から振り返ると、主人公のひとり瀬文は、主人公であるという点のみで事件に巻き込まれてきている感が強い。瀬文と当麻の絆を描くというテーマは理解できるが、志村や里中の事件は、瀬文を描くためのエピソードだとしたら酷い。
 あと考えられるとしたら、今回の彼の暴走は、能力の使い過ぎによる時間の消費、つまり、常人とはあまりにも長い時間を生きたため、急激な老化現象が起きつつあるということもあるかもしれない。

 さて、ニノマエの能力は厳密に言うと
ニノマエは時間を止めているのではない。常人とニノマエとでは時間の流れが違う。ニノマエにとっては他の者の動きはスローモーション。
らしい。
 説得力のあるような言葉だが、そうだとすると、わざわざ指を鳴らす必要はないのでは?(指を鳴らすのは相手に変化を認知させる目的と考えられるが)
 それよりも、ニノマエの時間では弾丸さえも完全に止まっている。これはニノマエの言葉に矛盾している。もしかしたら、ニノマエの時間と常人とでは一億倍ぐらい違うと考えればいいのだろうか?
 それにしても、死体の代わりにダルマを置くとは、彼も相当マメだね。瞬間移動もできるらしいので、それほど手間はかからないのかもしれないが。それとも、実際には殺していない?(組織の幹部は実際に殺した)
 もし、彼の瞬間移動が時間が止めることによるトリックだとしたら、彼はとてつもないヒマ人だ。

 当麻はどのようにしてニノマエに対抗するのか?
 一課のトリオに非合法なことを頼んだらしいが、それは何?過去に電気ショックでニノマエの能力を一瞬封じたので、体内に微電流を流していたとか……う~ん、わからない。

 私が彼を封じるとしたら、憑依能力者に彼に憑依させるが、どうでしょうか?

今回も
当麻と瀬文、当麻と係長で、ついでに一課のトリオでも、刑事としての務めやあるべき姿が語られている。
「法に則って、刑事として真実を追うから刑事だ」
「ニノマエは未成年、法律を超えて警察が堂々と人を殺していいものか?」
と当麻は言うが、前回、銃でニノマエを撃とうとしたのは当麻君、キミでしょう?

また、係長が当麻の言葉を受けて
「人間の可能性を信じるものと閉ざそうとする者の戦い」ともっともらしいこと言ったが、
 人間の可能性を閉ざす者=公安零課(アグレッサー)だとすると、可能性を信じるものは当麻たち?それとも能力者?なんだか現状と一致しない。

 ストーリー(設定)はおろか、ドラマの主題さえもあやふやになってきた今回、最終回が非常に不安だ。
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竜王戦第2局 (って、今更!) しかも「その1」

2010-12-10 23:57:05 | 将棋
 第5局苦しい将棋を逆転し「よし!」思い、会議に向かう。
 帰ってその後の解説を追わずに棋譜を追う。
【以下は私の見たまんまの判断で、羽生勝ちを信じているので、正しい大局判断とはずれています】
 完全に形勢が入れ替わり、渡辺竜王の辛抱の手順が続き、羽生名人が着々と寄せの網を絞っていく。
 渡辺竜王は2枚龍の利きの先に打つ(▲6一金)。威力十分だが一点狙いなので形作りか?
 △2四角右、一気に後手の2枚の角が働きだし、終局間近だな。▲同歩△同角▲5一金△4二玉▲5二金△同銀▲5一角、あれ、手が進まない……投了?…え?負け???

 暫し固まってしまいました。その後、調べてみると、渡辺竜王のしぶとさが光る終盤だった。
 今回のシリーズ、渡辺将棋の特性が如実に発揮されている。ま、これは、今回に限ったことではなく、竜王戦の大一番になるとその強さは必ず出現している。


 第6局が始まる前に第5局について書きたいのですが、やはり第2局から書きたいという思い…欲がもたげてきます。というわけで、いまさらですが第2局です。

 第1図は羽生名人が新手を放った局面。

図の▲6五銀を打つ前に、▲1五香△同香を挟むのが羽生名人の工夫で、飛車を3五に出た後、桂を成り捨て1五に転回する手を秘めている。

 第1図以下、△2六銀成▲1三桂成△同桂▲1四歩△3四香▲6四銀△同歩▲4一角△1二歩▲1三歩成△同歩▲7四角成(第2図)と進む。

 すぐに角を取らずに先に桂を成り捨てたり(△2四銀の守りを警戒)、桂を取らずに先に▲4一角を打ち△1二歩を強要してから▲1三歩成△同歩と進め(△1三同玉は△1二歩が無駄手に近くなる)、手順を尽くして局面のリードを図る。
 渡辺竜王の△2六成銀や△3四香は、上部を厚くして容易に腰を割らないという如何にも竜王らしい指し手。 
 第2図は角香交換の先手の駒得。しかも得した角が馬に昇格しており、先手優勢は確固たるものになったように見える。
 しかし、後手玉上部も2六の成銀、3五の歩、3四の香、1五の香と相当の厚み。先手の馬もかなりの厚みのはずだが、後手はそれ以上に思える。羽生名人は手順を尽くして2四銀ではなく3四香を強要したが、その香によって先手の飛角の2枚が抑え込まれているのが大きな負担となっているように感じる。銀ではなく香で押さえられているというのが痛いように思える。私がヘボだからかもしれないが、後手の入玉阻止は難しいのではないか。
 とは言え、先手の馬も強力で、上部開拓するか、後手玉を捉まえるのに一役買うかもしれない。最低相入玉で、大駒3枚保有する先手が有利なのではないか。渡辺竜王も入玉を視野に入れた指し方をするかもしれないなどと思っていた。
 しかし、第2図からの竜王の指し手は驚愕させるものだった。
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2010紅葉

2010-12-06 15:30:16 | 歳時
 例によって季節遅れ気味のアップです。
 11月27日撮影。(昨年11月27日『深まる秋』の後半部分の紅葉の写真と同じ場所です)
 奇しくも同じ11月27日ですが、昨年の方が鮮やかだった気がします。昨年と夏、秋の天候がかなり違うので、紅葉のピークも違っているせいかもしれませんが、葉の繁り具合はあまり差がないような気がします。






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キプタヌイの怪走の理由 -福岡国際マラソン-

2010-12-05 20:06:22 | スポーツ
 山の神の今井君、応援してたんですけどね。
 でも、果敢な走り、粘りの走りは評価できます。あとから追い上げて3位に入った松宮選手より高く評価したいです。
 優勝したガリブは強いです。15kmからハイペースに激変し、この時期にしては気温が高く暑いと感じる条件の中で、2時間8分28秒、他の選手とは別次元の強さです。38歳だそうです。

 15kmまでは日本人ペースメーカーが引っ張り、その後を数人の外国人選手がペースメイクを引き継ぎました。その中の一人のキプタヌイ選手ですが、15km~30kmまでの5kmを14分16秒のハイペース。誰もついていけません。
 ガリブも追おうとしたのですが、さすがに早いと感じたのでしょう。無理に追わずにじっくり追いかけました。それでもこの5kmは14分33秒のハイペース、後続の選手とはかなり差がつきました。さすがの彼も戸惑ったようで、何度も後ろを見ていました。離されたとはいえ、3位集団の今井選手は14分58秒とかなりのペース。

 極端な一気のハイペースで、多くの選手がペースを狂わされたと思います。
 実況アナウンサーや解説の瀬古氏も「何を考えているのでしょうか?」「ペースメーカーの役割を果たしていません」と不可思議な様子。ちなみに、キプタヌイ選手は2時間5分台のタイムを持つ超一流選手です。

 彼の行動には訳があると考えます。競技運営側から5km15分ぐらいのペースで30kmまでのペースメイクを任されていたのだと思います。
 15kmまでは日本人選手が引っ張るということも知らされていたようで、15kmすぎると「私の出番だ」という感じで先頭に出ました。日本人ペースメーカーへの運営側の指示は5km15分~15分10秒というものだったそうです。
 気温が高かったので、選手たちの様子を見ながら15分5秒~10秒程度で引っ張っていました。15km通過は45分26秒でした。
 キプタヌイ選手は自分が15分のペースと聞いていたので20kmを1時間ジャストで通過しなければならないと思っていたのでしょう。15km通過が45分26秒だったので、これはペースを上げないといけないと思ったのでしょう。もう激走です。しかも、なまじ実力があるので、その速いこと速いこと。彼の予定をも上回る59分42秒。5km14分16秒の怪走となったのであろう。
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『SPEC』 第8話

2010-12-05 12:07:08 | ドラマ・映画
 今週の能力者はいっぱい?です。すごい能力(者)が登場し、ストーリーも私の頭もいっぱいいっぱい、バースト寸前です。

 とりあえず、ストーリーを追いながら、能力者を見ていきましょう。
 先週、いいところで終わってしまったので、今週はのっけから山場です。

 冷泉の予言で瀬文が「神の手」の治癒能力者のもとへ、当麻が一(ニノマエ)のもとへ向かう。
 まず、瀬文。「神の手」の持ち主は……野球少年だった……ではなく、少年は誰かに操られている模様。これが、憑依能力か何らかの遠隔操作なのかは不明だがが、とりあえず憑依能力者としておきます。
 というわけで、すぐに神の手の持ち主には会うことができず、単なるメッセンジャーによって、実際に神の手の発動現場に向かわされる。
 肩すかしを食わされたが、これはこれで面白かった。瀬文に対して冷泉は「どんなどんな怪我でも病気でも治せる人間の情報を予言する」と言っていた。そう、居場所とは言っていなかった。引っかかってしまった。
 それにしても、憑依能力者がメッセンジャーを用意していたということは、あらかじめそこに瀬文がいくことを予知していたことになる。
 かなり強力な組織みたいなので、冷泉とは別に予知能力者を抱えていても不思議でははないが。

 一方、当麻は母親に呼ばれたニノマエを銃を後ろ手に待ち構えている。母親の目の前でその息子を射殺するのか?緊迫の局面。
 二人が顔を合わせ、当麻が銃口をニノマエに向けた瞬間、ニノマエが指を鳴らすと、一瞬にしてふたりはビルの屋上。
 ニノマエが時間を止める能力があるのは判明していたが、瞬間移動、しかも、他者も巻き込んでできるらしい。
 不意を突き切れなかった時点で勝負は見えていたが、ふたりの会話で、多少の情報が得られた。
・ニノマエは脅されて動いているらしい
・ニノマエは当麻に家族を皆殺しにされたと思っている(当麻にはその覚えがない)
 結局、指パッチンにより当麻は屋上からダイビングさせられました。恐るべし指パッチン。

 再び、瀬文。
 治癒能力なので、現場は病院。ふたりの看護師(メッセンジャー)に病室に導かれる。そこへ、EXILE(エグザイル)のNAOTO率いる5人組がパフォーマンスして、重病の少年を完治させる。
 正直、「神の手を持ち主」と言われていたので、あの軽さには拍子を外された。後にも志村もヒーリング(治癒能力)を発動するが、能力者集団組織から依頼・出動した模様で、登場までに時間をかけた割には、なんだか「使いっ走り」のような感じもする。呼び名も「ヒーラー」で、「神の手の持ち主」と比べて、重々しさがなく、軽い。能力は凄いが。
 ヒーリングの代わりに公安の津田の身柄を要求された瀬文は、与えられた資料をもとに津田の居所を探す。

 やはり津田は生きていたのか?身代わり(影武者)でなく、防弾チョッキの効用だった。こんなベタな手を思いつかないとは、不覚。

(ちょっと端折り(はしょり)ます)
 ビルから転落した当麻は実家で目を覚ます。ニノマエは当麻を殺さなかった。
 志村の妹の美鈴は、津田の置いていった銀だこに触れ、サイコメトリー能力で真実(瀬文の無実、部下思いの瀬文)を知る。
 瀬文は津田を探すが、接触したフリーライターが津田配下に殺され、その犯人に仕立てられる。


 瀬文と当麻の信頼関係が深まる。お互い携帯の登録が「餃子女」「筋肉バカ」になっているけれど。
「命捨てます。これが俺達SITの誓いの言葉だ」
「命なめんな。何がSITだ、いつまでも……。
 瀬文さんのこと、仲間だと思っています。絆はあったと、あたしはだいぶ思っています。さりげなく何度も命を救ってもらった……ひとりで勝手にどんどん行かないでください。私や係長を時には頼ってください」
「お前と出会ってよかった…と、たまに、一瞬、稀に思う……おまえこそ、何かあったら連絡しろ。すぐに駆けつける」

 当麻は再びニノマエの家に行くが、既に引っ越していた。
 (ニノマエの母の名は「二三(ふみ)」で「一二三(ニノマエフミ)」って……、じゃあ父の名は……一一(ニノマエハジメ)?)
 引っ越し先で、ニノマエ親子の前に記憶改変能力者が現れ、母親の記憶を改変(ニノマエの依頼)。記憶改変能力者とニノマエは仲間らしい。

 ミショウは取りつぶしになった。
 野々村係長から真意が当麻に語られる。
 公安零課(Aggressor)……公安の中の公安、秘密警察の中の秘密警察

 その本拠地(国会議事堂の中)を瀬文は突きとめ、津田もそこにいた。
 議事堂前の瀬文に憑依能力者(身体は美女)とニノマエが現れる。瀬文は津田を組織に引き渡すことに抵抗を感じるが、部下の志村の治癒のため決心する。
 厳重な警備も、ニノマエの時間停止能力にかかれば無力。いとも簡単に津田の部屋へ。時間停止能力の威力を見せ付けられた瀬文は、志村の銃撃の真相と津田率いる零課の所業を知る。
 今まで登場した能力者は冷泉を含め抹殺されたようだ。
 それにしても銃弾の軌道って、ニノマエにかかれば簡単に変えられるんだ。
 組織の車に運ばれた津田は射殺された模様(ただし銃声だけなので、疑いが残る)。

 志村のいる病院に行くと、すでにヒーリングは行われたようで、何事もなかったように志村が立っていた。志村と妹、志村と瀬文、感動の再会。
 しかし、謎の黒服二人組が突然現れ、ブブゼラを吹くと志村の姿、そして二人組の姿が消え、直後に衝突音?が聞こえ、公園?中庭?に志村の死体が。
 この能力は何?……瞬間移動

 当麻はニノマエの仕業と思うが、組織の勝手な仕業だった。≪次回へ続く≫


 一気に能力者が表れ、組織の正体も徐々に明らかになってきた。

 まず、今回登場した能力者を整理すると、
一(ニノマエ)時間停止能力……瞬間移動もできるのかもしれない
憑依能力者……メッセンジャーを介するので本体は不明
ヒーラー……治癒能力者5人組。私の中では「神の手の持ち主」から単なる「使いっ走り」に降格
記憶改変者……今回の母親のほかにニノマエや志村の妹にも施術した可能性。記憶改変だけでなく洗脳(マインドコントロール)能力もあるのかも。正体はカメラワークによって明かされていない。ということは、あいつか?
ブブゼラ使い……瞬間移動能力か?

 いやあ、組織の抱える能力者はすごいです。普通に考えれば、普通の人間、零課といえど太刀打ちできそうもない。今回も津田拉致も扉のロック解除が必要といえど、わざわざ瀬文を動かさなくても容易のように思う。
 そもそも、記憶改変能力なんて駆使されたらストーリーそのものが何でもありだ。今後の展開が、ちゃんとしたものか非常に不安。

 さて暗躍する組織だが、
①公安・津田
 公安零課と判明。能力者を抹殺していた
②能力者集団(海野一派)
 体制の暴力(能力者排除)に対抗しようとしている
ただし、
・海野は神の手を持つ者(病を治す能力者)を探していた
・海野は一(ニノマエ)の存在は知らなかった
・以前登場した憑依能力者や超運動能力者はニノマエにやられた
ことから、能力者集団は一つだけでない
③一(ニノマエ)の属する能力者組織
 
 ②の能力者集団とは敵対、あるいは③⊃②の関係かも

 ニノマエの他、ヒーラー、憑依能力者、ブブゼラ男、記憶改変者らが所属
 ニノマエは弱み(母の命)を握られていて従っている。記憶が改変された可能性もある
⑤能力者を購入する組織
⑥能力者を売る組織
(サトリも所属)

 かなり全貌がわかってきたが、細かい不明点(里中を撃ったのは誰か?海野が言っていた「君たちを最も苦しい病の中に取り込んでやる」の意味など)回収されるのか不安
 あと、留意点として
・当麻の部屋の写真が鍵
・ニノマエの歯ブラシを志村の妹がビジョンをスキャンする展開?


 フリーライターが瀬文に叩かれた時、「タカトシか?」の突っ込みは笑えた。
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『相棒』 暴発  ~右京、暴走?~

2010-12-03 18:19:29 | ドラマ・映画
「何人も平等に法に守られ、法を守らねばならず、裁かれなければならない」……右京(水谷豊)の信念……≪法の下の平等≫である。

 右京の発言から見える法の捉え方や信念が見えてきますね。
尊(及川光博)「協力者が裏切り者として命を狙われる恐れがあります」
右京「(協力者に対して)警護義務はないはずです。警察が現行法の中で協力者をどこまで守れるかは別の話で、必要なら法を変えるべきだという話です」

尊「法を変えるなんてすぐにできませんよ」
右京「だから(協力者・後藤を守るため)後藤の罪状を変えて送検するのですか」
尊「それも一つの選択肢だと思います」
右京「後藤が被害者を撃ったのなら、後藤は殺人罪で裁かれるべきです」
 法律に不備があって不都合や理不尽さが生じても法に則って裁くべき、裁かれるべきという右京の強い信念


 潜入捜査官がその協力者に射殺されたという事実を公にして警察に何の得があるのかという麻薬取締部(以下「麻取」)五月女に対し
罪を捌くのは損得ではなく、法律です
損得勘定でしか動かない上層部(刑事部長や組織犯罪対策部長)とは対照的意見です。
右京「正しい法で裁かれなければなりません。我々捜査側の不都合を隠すために代わりの法律で裁くなんてことは絶対にあってはなりません。 麻取の潜入捜査は合法です。隠すことではありません。もちろんそれが失敗し死者が出たことが公になれば、一時的には興味本位で騒がれるかもしれません。その責任を取った上で捜査上の不備を徹底的に直し、そこからやり直すべきです」
早乙女「公にすれば、麻取という組織の存在も危うくなるんです」
右京「今は組織の保身論など持ち出す持ち出す時ではありません」
早乙女「公になれば、後藤の身にも危険が及ぶんだ」
右京「それは別に対策を考えるべきことです」

 徹底した遵法精神です。
 麻取がダメージを受けて麻薬の取り締まりが弱体したら、薬物被害が広がる可能性が大です。協力者・後藤の身も危うくなります。
 小事にこだわって大事を失うことにもなりかねない右京の信念です。
 しかし、捜査員の命を危うくさせる潜入捜査はやめるべき(現在は合法)、潜入捜査をするなら捜査員や協力者を守るべき法を整えるべきだ。そうすれば、今回のような理不尽なことは起きず、薬物取り締まりも大いに進むことになる。大きなスパンで考えれば、一時的に後退しても、大きく前進できるはずという右京の理念です。

 さらに、今回の事件は、疑われた潜入捜査官がこれまでの1年費やした内偵捜査が無駄にならないため、自ら命を絶ったという真相が浮かび上がってくる。
尊「もう……もう、この辺でいいんじゃないですか」と右京を止めるが
右京「真実の追求に、もうこの辺でいいなどということは絶対にありません
 尊は命を掛けた潜入捜査員、麻取の窮地、協力者の身の安全を思い、右京を止めるため証拠データの削除など実力行使した。

 裏取引で麻取が麻薬捜査を取り仕切っているので、右京は一課に殺人容疑で動かそうとしたが、上層部は業務上過失致死(暴発として処理)で送検を決定し右京を捜査からはじき出してしまう。
 麻取が後藤(協力者)を送検してしまう前に、右京は後藤を取り調べようとする。一課トリオのうち伊丹が右京に追従、ふたりで後藤を取り調べる。
 その最中、五月女が表れる。
五月女「真実は銃の暴発だ」
右京「銃の暴発で、あなたは鎌田さん(潜入捜査員)を、自分の部下を、二見会の構成員として、一介のやくざとして終わらせるおつもりですか
 後藤が右京の推論通り、鎌田が後藤を庇うために、内偵調査を無駄にしないために、自殺した(後藤に撃たせた)ことを認めた。
 そして、右京はあくまでも真実を明らかにしようとする(公表しようとする)。
五月女「後藤の容疑は、薬物と銃刀法違反と過失致死です。後藤もその罪状で納得している」
右京「罪は納得したかどうかで決まるものではありません
伊丹「奴の供述通りなら、鎌田さんは自殺です」
右京「鎌田さんに要求され、銃を構えた可能性は残ります。だとしたら、自殺ほう助です。よって、警察は最低でも自殺ほう助で送検し、その後の判断を検察に任せ、後は裁判によって…」(五月女の言葉によって遮られた)
五月女「それでは鎌田の死が無駄になる」
右京「そうは思いません。そもそも、捜査官に命を絶たせる捜査は間違っています
五月女「それでも、私は鎌田を誇りに思う」
右京「本心でそうおっしゃっていますか?胸を張ってそう言えますか?」
五月女「…胸を張って言えるはずがないじゃないですか。それでも私は、私の部下の鎌田が、命を懸けて守ろうとしたものは絶対に守る。薬物の売買をしていた後藤が銃の暴発で仲間の鎌田を撃った。それが私の真実だ。……………警察には約束通りの容疑で送検してもらう」(五月女、立ち去る)
右京「伊丹さん、鑑識に連絡してここ(現場)を調べさせてください」
伊丹、複雑な表情で右京を見て、目をそらす。

捜査一課のトリオも複雑な心境でした。
★芹沢
 黙々と送検の書類作成をしているが、無理やり納得しようとしている顔。
「丸く収めるための礼状です」という言葉で伊丹に説明。
「納得いきませんか」と疑問を投げかける。
★伊丹
 業務上過失致死容疑の逮捕状を見て、芹沢の問いかけに、
「わからん。だが、あんなことをした鎌田の気持ち、こうせざるを得ない五月女の気持ちは……わかる気がする」
★三浦
 右京のところに来て、事件の処理の結果を告げる。(わざわざ来たのは、後ろめたさのようなものを感じているのかもしれない)
 「弾を入れた弾倉を拳銃に込めている最中、鎌田がふざけて銃を奪い取ろうとして暴発」という供述書を見せる。
右京「そんな調書を作るように、どなたかに入れ知恵入れ知恵されましたか?」(尊が部長に提言したと思われる)
三浦「いいえ、警部殿、私はね、自殺じゃなく、暴発事故にしてやりたい、そう思ったんです」


★ラストシーン(花の里にて)
尊「すみませんでした。……ですが、ぼくは自分のしたことを間違っているとは思っていません」
右京「君のしたことをとやかく言うつもりはありません。ですが、罪を取り換えて償うことなど決してできない、僕は今でも、そう思っています。


 深すぎてすっきりしないお話でした。
 まあ、深いお話ですから、すっきりと出来るはずもないですよね。世の中、そんなに簡単に割り切れるものばかりじゃないです。10個のお菓子を兄弟3人で分け合うと、残りの1個でけんかになっちゃいます。残りの1個をきっちり3等分するのは困難なので、1個は誰かにあげてしまったほうが丸く収まりますよね。
 右京の言うことは正論ですが、あまりにも法律・規則を絶対視するのも無理が生じます。多くの人はどこかで実情や人情と折り合いをつけています。
 右京は「法律といえど人間が作ったものなので、不備がある」とも認めています。しかし、「不備あれば改正すればいい。改正されないうちはその方を守らねばならない」というスタンスです。これは、極端に見れば危険な思想ともいえます。明らかにおかしい法であったとしても、それに従うということになります。
 そんな明らかにおかしい法律なんてそうはないだろうと思いますが、変化が激しい現代社会に対応し切れていない法律はありそうです。最新犯罪に関してそれを取り締まる法律がないという言葉を時々耳にしますが、こういう場合、右京は見過ごすのでしょうか?まあ、彼は賢いですから、現行法に適応させて罪状をひねり出すかもしれませんが。
 今回は暴走気味の右京でしたが、右京の頑な過ぎる信念は、法律という現代社会の基準を個人が捻じ曲げてしまったら、社会が崩壊してしまうという理念からだと解釈しています。
 ただ、あまりにもすっきりしないのは、1時間ドラマの限界かもしれません。
 右京の「法律の絶対視」を前面に出しましたが、右京がそう考える根拠を示すべきだったと考えます。
 また、今回の右京の行動は、「潜入捜査への批判」がその因だったと感じます。
 しかし、ドラマでは
「麻取の潜入捜査は合法です。隠すことではありません。もちろんそれが失敗し死者が出たことが公になれば、一時的には興味本位で騒がれるかもしれません。その責任を取った上で捜査上の不備を徹底的に直し、そこからやり直すべきです」
「銃の暴発で、あなたは鎌田さん(潜入捜査員)を、自分の部下を、二見会の構成員として、一介のやくざとして終わらせるおつもりですか」
「捜査官に命を絶たせる捜査は間違っています」
 と、潜入捜査について言及していますが、「法を守るべき」と主張するためのついでの(補助の)理由にしかなっていないからだと考えます。
 五月女へ向けた最後の言葉「本心でそうおっしゃっていますか?胸を張ってそう言えますか?」が、五月女の心境を思いやって静かな口調で発せられましたが、もし、右京が潜入捜査への批判が強いという設定だとしたら、ここは激昂してほしかったです。
 尊のとった行動は、大人の対応だったと思います。
 ただ、亀山だったらどういう行動をとったのだろうかと、どうしても思ってしまいます。

 今回、右京によって潜入捜査官の死の真相が明らかにされました。
 もし、右京が居なかったら、あの捜査官は一介のやくざの死としてまったく知られることなく(麻取は別)闇に葬られたことでしょう。それが、彼の命を懸けた行為や心を一部の者だけですが知らされ、理解されたのが、救いなのかもしれません。
 そこらあたりをもう少し描いていたら、すっきりしたかもしれません。でも、脚本家の意図には反するのかもしれないです。
コメント (6)
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