英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『ギルティ・悪魔と契約した女』最終回・全般

2010-12-22 23:21:31 | ドラマ・映画
 部分部分はそれなりに見るべきモノがあった気がしますが、(最終回を見たら)どうやらそれは錯覚だったようです。

 まず、毒物混入殺人事件の真相(動機)が、本当にくだらないものであったこと。このドラマのテーマ(主ストーリー)が「ヒロイン・芽衣子(菅野美穂)がくだらない人間のために不幸のどん底に突き落とされ復讐を果たす」らしいので、「くだらない理由」というのはそれに沿ったものであるが、あまりにもくだらな過ぎ。
 「自分がどれだけの人間を動かせるか」を試したかったというのですが、それが人に命令して毒物混入させ、命を奪うという殺人に至った。それをもみ消すため父親の権力に頼ったというのが真相だった。
 しかも、それをそそのかしたのが父親に恨みを持つ異母兄弟のペットショップ店長(横山めぐみ)にそそのかされたことによるものだった。この真相(真相と言うにはあまりにも陳腐)は、最終回のサプライズかもしれないが、余分、蛇足。犯行の動機を陳腐なものにしただけだった。店長があまりにも芽衣子に親身になり過ぎるので、何かあるのだろうと思っていたが、あまりにも陳腐だ。

 このドラマ、毎回芽衣子によって追い詰められ死に追いやられる復讐劇、芽衣子が真島(玉木宏)とかかわることによる葛藤、過去の事件で後輩を死なせてしまった間島の心の傷と今回の事件による心の変化などが見どころであったように思う(錯覚かもしれない)。
 特に一癖ある悪人たちを追い詰めていく芽衣子の手際は見事だった。そして、そもそも、毒物混入殺人事件の真相(なぜ芽衣子の甥と義兄が命を落とさなければならなかったのか、なぜ芽衣子が陥れられたのか)が知りたくて見続けたのだが、その真相が先述のくだらなさとは……。
 事件当時の時間軸が良く把握できなかったが、あまりにも手際よく芽衣子が犯人に仕立て上げられたので、もっと裏に重大な秘密、例えば亡くなった義兄が政府の重要な機密を握っていて口を封じられたとかいう真相を期待していたのだが……あまりにも陳腐……

 さらに、このドラマの前半部分の復讐劇が、標的が変わるだけの復讐がほとんど独立して行われるだけ。これはフリーライターの堂島(唐沢寿明)が調査したネタを基に芽衣子が復讐していくだけなので、視聴者目線ではターゲットが毒物混入殺人とどのようにかかわっていたのかが分かりにくかった。芽衣子が復讐を果たす中で自分を陥れた者たちの所業や存在を明らかにしていくのなら、もっと違う印象を持ったかもしれない。
 最終回やその前にちらりと出てきた政治家が黒幕というのも、唐突すぎる。なので、最初から登場していた店長を絡ませたのかもしれない。

 もともと、この『ギルティ』については書くつもりはなかったが、あまりな最終回だったので書いてしまった。

 ★その他の最終回の突っ込み
①自殺の危険性が高い芽衣子から目を離し、自殺させてしまう間島って…。自殺で終わらせるのも安易すぎる。
②三沢(柏原収史)が芽衣子を追い詰めようせまるが、そこで落とし穴に落ちてしまう。あまりに見事な落ち方で、バラエティ番組顔負けだった。『キングオブチェアー』の屋外に設置されたチェアーに向かい落とし穴にはまるシーンを思い出しました。(と言うより、「これって落とし穴?」…キングオブチェアーのシーンが頭をよぎった瞬間、落ちたので吹き出してしまった)

 ★その他のシリーズを通じての突っ込み
③榎本刑事(吉瀬美智子)、弱すぎ
④役立たずのその他の刑事、特に最終回、三沢邸を張っていたのに芽衣子をいとも簡単に見逃す
⑤悪党宇喜田と黒幕三沢法務副大臣、似てませんか?
⑥三沢が舎弟(高校生)に毒入りケーキを作らせたが、プロ並みに上手だったの?それに、どうやってケーキ屋にそれを置いたのだろうか?
コメント (8)
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