英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

A級順位戦 プレーオフ1回戦 広瀬八段×久保九段

2015-03-14 15:52:27 | 将棋
 2回戦まで終わりましたが、思いっきり予想が外れてしまいました。

1回戦 広瀬八段×久保九段
 後手の久保九段のゴキゲン中飛車は予想された戦法。
 対する広瀬八段の対策が▲5八金右。超急戦に誘導した。大切なプレーオフに登用するからには、≪何らかの新対策が用意されているはず≫と注目した……

 図の4手前に▲7五角と打ち、1一の龍と協力して後手の3一の銀に狙いをつけたのに対し、△2一歩の犠打に▲同龍△3二銀と先手を取って受けたのは定跡。
 ここで、従来は▲1一龍とかわしていたが、広瀬八段は▲1二龍と、二段目に龍を据えた。
 「この進行になったらやってみようと思っていました」(『週刊将棋』)と温めていた一手。ところが……
 △8九馬と指され、この局面で広瀬八段の指し手が止まり、1時間ほど考えている(△8九馬までの消費時間は、▲広瀬51分、△久保2時間13分)。何か、誤算があったのか?

 中継解説(追記)によると
「この手が読みから抜けていて、△7四歩か△9九馬なのかと思っていました」(広瀬)(週刊将棋にも「△8九馬はすごく自然な一手ですが、抜けていました」とある)
「最初はこの手で△7四歩を考えていたのですが、考えているうちにこの△8九馬の方がいいように思いました。もちろん△9九馬も考えました」(感想戦後の久保)
 しかも、『広瀬章人の一喜一憂ブログ』では、
「積極的にいったつもりでしたが本局ではそれが仇となってしまいました。△5四銀と打つ形は深く研究しておらず、数手後に変化した▲1二竜が敗着級の大悪手で以下は自然に対応されいいところなく負かされました」と述べている。

 ≪え~ぇっ!それなら、何も超急戦を仕掛けなくても≫
 この大事な一局に、この超急戦を採用するというのに、「△5四銀と打つ形は深く研究していない」とは……。しかも、この△5四銀は、B級2組の▲畠山七段-△北浜八段戦で指されており(今年の2月4日)、先手の畠山七段が為すすべなく敗れていた(私の印象)。

 その程度の研究の割には、指し手が早かったのも疑問。

 まあ、私が突っ込まなくても、本人が一番、後悔しているだろう。広瀬八段にとって、大きな悔いの残る一局となってしまった

 △8九馬以降、先手玉の上部から迫る久保九段に対し、横から攻める広瀬八段の攻めが遠く、響きが小さかった。

 図では、普通は▲1三角成と逃げて馬を作って粘るところだが、▲1三角成は△5七歩▲同金左△同桂成▲同馬△5五銀▲同歩△4五桂▲5六馬△5七金で堪えきれない。
 そこで、▲3二とと攻め合ったが、△5七桂成▲同金直△3二飛と冷静に対応され苦しい戦いが続いた。
 以下、怪しく勝負手を繰り出すが、久保九段が確実に寄せ、快勝した。
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相棒 season13 第18話 「苦い水」

2015-03-12 22:07:55 | ドラマ・映画
 「右京さんの友達」「死命」「サイドストーリー」「ストレイシープ」を手がけた真野勝成氏の脚本。
 登場人物の内面を深く掘り下げるというのが、氏の特長であるように感じるが、その掘り下げが思い込みが強いというか、独りよがりになっている傾向が強く、登場人物の心情や行為に納得がいかないことが多い。
 ただ、「右京さんの友達」においては、尾美としのりさんが演じた毒島がいい味を出しており、巷でも評価が高かったようだ。
 今回は、“初恋のほろ苦さ、そして、初恋との決別”を表現しており、「右京さんの友達」風味がした。ただ、片山雛子は、もっとドロドロしていて、えげつないはずだ。

足早に歩いていく片山雛子(木村佳乃)。立ち去った後に横たわる男・饗庭丈弘の死体……

  ………高校時代、冴えない雛子の魅力を解放してくれたのが饗庭丈弘。雛子は自分の容姿が武器になることを知り、最後の生徒会選挙に臨んだが、強力なライバルがいた。雛子は父の秘書を使ってライバルを調べ上げ、その収穫として喫煙シーンの撮影した写真を手に入れた。
 そかし、その写真には彼女と一緒にたばこを吸う恵庭の姿も写っていた。実は、恵庭はナンパ師(女好き)で、至る所で女性に声を掛けていた。高校時代もそうで、雛子の他にも雛子と同じく生徒会長選挙のライバルとも付き合っていたのだ。
 雛子は饗庭の高校にその写真を送り付け、それによって二人は退学。雛子は饗庭の二股(多股)への報復と同時に、ライバルを蹴落としたのだった。

 時は現代、ひょんなことから、雛子の婚約者と目される桐山が大麻栽培・吸引していたことを知り、高校時代の贖罪でそのことを雛子に告げようとして、過去の約束「自分が作ったチョコレートを雛子にプレゼントする」ことを口実に再会の約束をした。
 しかし、現在付き合っている彼女が、チョコレートの相手に嫉妬し、チョコレートに饗庭のアレルゲンであるアーモンドパウダーを掛けてしまった。再会の時、雛子の不信感を取り払うため、自ら食したが、アナフィラキシーショックで死亡してしまった………


 というのが真相だが、生徒会長候補二人と饗庭がつき合っていたのが偶然としては出来過ぎ。
 てっきり、二股を知った雛子が饗庭にライバルと喫煙するように強要した。あるいは、饗庭が自ら喫煙シーンを撮らせたのかと思った。その方が、雛子らしい
(この頃は、雛子もまだ初心(うぶ)だった?)


雛子に対する右京の言及
「外務大臣だった父親の地盤を二十代で引き継ぎ当選4回。選挙では一度も負けたことはありません。
 かつては官房長官の愛人と噂され、機密費も実質的な権限を握っていたようです。証拠はありませんが」
警察内部にも影響力を持ち、公安を手足のように使い、集めた情報を自分に利するように使う
 すべては父親の念願だった総理大臣の椅子にたどり着くためでしょう」
「(父親の過去の不正を告発したことで)“父親であっても不正は許さない”清廉な政治家と評され、彼女の人気は高まった。“目的の為なら手段は択ばない”そういう人物です」

「片山雛子という人間は、身の回りで事件が起きるたびにそれを逆手に取って、大きな人間になっていく」(過去の右京の言及……この右京の評価を雛子は嬉しかったらしい)

喫煙の密告の写真や今回の事件を分析・考察して
“敵となる人物を調べ上げ、自分の有利になるように仕向ける”…どなたかのやり方と似ていると思いませんか」

「初恋は終わり残されたものは、美貌と自信、そして男性への不信。
 権謀術数を巡らせ、目的のためには手段を択ばない
。今の片山雛子が誕生した」

雛子はこの言葉で、会見を締めくくる
「この際ですから、お約束させていただきます。
 わたくし、日本国国家と結婚させていただきます」

(かのエリザベス1世が“国家と結婚する”と公言したらしい)

特命係に対して
「私は、幸・不幸に価値を置いて生きていません。
 ただ、駆け上がるだけ、それだけです」

  ……何となく、今後、どこかで踏み外し転落することを暗示しているような……



享の第一印象
「う~ん、隙が全くない。可愛さゼロって感じですかね」

雛子の秘書の揶揄と右京の皮肉
「(雛子には)可愛げがないので、少しでも国民に親しまれるイメージを出すようにと、秘書が雛子名義でSNSに書き込んでいる」という雛子の言葉を受けて、
「あなたにとって、“唯一の可愛げ”がチョコレートということですか。もっとも一説によれば、チョコレートの語源はメキシコ原住民のショコラトール…“苦い水”という意味ですから、単純に“可愛げがある”とも言えませんが


すべては霧の中
「最後に、もう一つだけ。
 この箱の中に敷き詰められていたのは、チョコレートコスモスの花びらです。
 チョコレートコスモスの花言葉は、三つ。
 “恋の終わり”“恋の想い出”“移り変わらぬ気持”
 彼の伝えたかった言葉は分かりませんが。では、失礼」

 箱を開け、チョコレートを手に取り、失恋に泣いた情景を思い出し、食べることなく、箱を閉める、雛子。
 そう言えば、前半部分で雛子がチョコレートコスモスを手に取り、思いに耽るシーンがあった。


雛子、手強し………右京の伝家の宝刀が通用せず
第1ラウンド
「最後ではなく、最初に聞きたいことを聞くべきでした」
 伝家の宝刀“最後に一つだけ”を抜こうとしたが、車のドアを閉められ、走り去られてしまった。

第2ラウンド
「最後にもう一つだけ。饗庭さんが最後に食べたチョコレートの箱を公園で見かけていませんか」
「杉下さん、私を犯人と疑ってらっしゃるのなら、確たる証拠を持ってきてください。私、手ぶらで来た人間と取り引きするほど、甘くありません」
 またも、通ぜす……


掴めない饗庭の人間性と怪しい言葉
 饗庭の女好きは根っからのモノだったみたいだが、風俗嬢を諭し、20年前、雛子を傷つけたことを悔いており贖罪する。
 「俺のチョコを食べて欲しいんだ。“絶対約束”って言ったよね。今夜、あの公園で待ってる」……無茶苦茶、怪しい言葉。それでも、約束を守り、ひとりで公園に来た雛子。初恋は大切な思い出だったのだろう。
 「チョコも食べてよね。大丈夫だよ、何も入っていないから、安心して」と言って、雛子より先にチョコを食べてしまった。
 更に、その直後、苦しみ死んでしまった。……絶対、食べないよね、普通。


少し可哀そうな婚約者・桐山
 雛子と不釣り合いじゃないのかなと思ったが、雛子をやっかんだ先輩女性議員が、雛子を失脚させるための爆弾だった。雛子が告発しなくても、いずれ、大麻栽培を暴露される運命だった。

 一応、足を洗った過去の過ちを暴かれたうえ、雛子から
犯罪者を通報する”当然の義務を果たしただけでございます。
これ以上、くだらないスキャンダルにつき合っている暇はございませんので」
 と、ばっさり切り捨てられてしまった

【些細な疑問】
・“ホワイトデーにチョコレートをもらった”という言い訳は苦しい。
・犯人の女性(饗庭の彼女)は、アーモンドパウダーをいつも持っていたのか?
・雛子の行きつけのチョコレート店、いつも店内が閑散としている
・饗庭の彼女の内出血の跡を見て、享が怪しむのは無理がある


今話の結論
「薀蓄を傾ける」が正しい言い方だったのか!
 ………ではなく、
「優しい男は女性にもてる」
ん?これもズレテいるような気が………

【ストーリー】番組サイトより
 都内の小さな公園で、饗庭丈弘(伊嵜充則)という左官工をしていた男性の遺体が見つかった。
 第一発見者は、特命係の追及をかわし続け、政治の裏側で暗躍してきた国会議員の片山雛子(木村佳乃)。彼女はいまや、初入閣が噂されるほどの確固たる地位を築いており、また、日本有数の資産家の御曹司・桐山友哉(藤重政孝)と結婚の約束をしているという噂があった。一方、鑑識の結果、饗庭の死因はアレルギー反応によるショック死であることが判明。彼が死の直前、桐山のことを調べていたことも分かる。
 右京(水谷豊)と享(成宮寛貴)は、雛子から直接事情を聞こうと接触するが、取り合ってもらえない。さらに、彼女の圧力で事件は事故扱いとなり、捜査一課も手出しできない状況に。それでも右京たちは捜査を継続。饗庭の周囲を探ると、意外な事実が浮かび上がってくる。

被害者と資産家御曹司の意外な接点とは?
雛子は事件とどうかかわり、何を知っているのか?
右京と雛子の対決が、驚きの結末へと繋がる!

ゲスト:木村佳乃

脚本:真野勝成
監督:橋本一
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トワイライトエクスプレス ラストラン

2015-03-12 18:48:23 | 時事
 一昨日、昨日と強風のため運休したトワイライトエクスプレスですが、今日は無事に運行し、上りの大阪行きを観ることができました。

 鉄道信号機が青に変わり、≪いよいよか!≫とデジタルカメラの電源を入れる。
 2、3分後、この先の遮断機の警報音が聞こえてくる。胸が高鳴る。

 北、ち、違う…来た!


 待っていた時の長さとは裏腹に、一瞬で走り去っていく。





 おつかれさま、さようなら。


【おまけ】

 トワイライトエクスプレスの前に通過した列車。
 肩透かしを食らい、≪何だよう…≫と思ったが、予行練習にはなった。
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4年……

2015-03-11 20:47:57 | 日記
 今日は市場が休みだったので、いつもより朝寝坊。
 昨日から季節が逆戻り。今のところ、雪かきをするほどではないが、今日も風雪が強く、寒い。

 朝、ゆっくりした分、午前中はせわしく、仕事に追われる。
 午後、そう言えば、トワイライトエクスプレスが明日で運行が終了する。写真を撮ろうと通過時刻前に風雪の中、カメラを構えたが、強風の為、運休。
 がっかりしながら記事を書いたが、その後、ようやく、今日があの日だったことに気づく。

 この4年間は、きっと私がすごした4年間とは、物凄く重い時の流れの中にいたのだろう。
 私は、何も力になることもせず、多くの時間を被災地のことを思いやらずに過ごしている。「羽生名人が勝った」「『相棒』の質が落ちた」「雪が降った。寒いぞ」など、気楽なことを、ほぼ毎日、書き連ねている。
 今日一日くらいは、犠牲者の冥福を願い、遺族の心が休まるよう願うべきだ。もちろん、今日一日だけではいけないのだが。

 被災地まで届くとは思えないが、非常に利己主義な私でも、もう少し他人に優しくなるよう努めたいと思う。(あくまでも“少しだけ”)
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トワイライトエクスプレス 3月10日、11日運休

2015-03-11 15:48:23 | 日記
 トワイライトエクスプレスは明日(3月12日)がラストラン。
 私も長年、その列車の旅を夢見ていたが、叶うことなく、明日を迎える。北陸線の沿線に住むようになってから20年以上、上下線1日1本、合わせて2本通り過ぎるのを見てきた。深緑に黄色いラインという地味ではあるが、落ち着きを感じさせる車体だった。
 そんなトワイライトエクスプレス、≪そうだ!写真を撮らなければ≫と、風雪の中、カメラを構えること20分……列車は来なかった。
 そうか、強い台風並みに発達した低気圧による、寒気と強風と雪により、運行に乱れがあるのかとネットで調べると、強風のため、昨日、今日と全区間で運休しているとのこと。

 確かに、全国的に荒天(特に北日本)で安全を考えると止むを得ないのかもしれない。
 しかし、サンダーバード(大阪~富山)はびゅーんと走り去っていったぞ。
 調べてみると、午前中は遅延が見られたが、午後になってダイヤの乱れはなくなったとのこと。秋田新幹線は2時間強の遅れ、東北新幹線も遅れ気味。
 確かに、荒天の影響は出ているが……う~ん、安全面以外(車内サービスの確保、ダイヤの調整、遅延による払い戻し)の要素があるのではと、勘ぐりたくなる。

 現在の気象状況だと北日本は明日もまだ強風が吹くと思われるが、鉄道ファンの夢、それにトワイライトエクスプレスの為にも、根性で走らせてほしいなあ。
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『相棒season10』 第10話(正月SP) 「ピエロ」の再放送を観る

2015-03-10 21:42:09 | ドラマ・映画
 録画してあるのに、未見のモノが星の数ほどあります(大げさ)。
 にも関わらず、『相棒season10』 第10話(正月SP)「ピエロ」を観てしまいました(未見のスポーツを観るつもりだったのですが)。ちなみに、この『ピエロ』は昨年の8月に再放送されました。
 『相棒』は再放送が多いですね。そして、一度観たにもかかわらず、面白いです。それに比べて、ここ3年の『相棒』は………

 この「ピエロ」は太田愛さん脚本。私は太田さんの作風が好きで評価が甘くなるのかもしれませんが、「相棒のベスト5を選べ」と問われたら、真っ先に挙げる作品です。あと思い浮かぶのは「レベル4」「バベルの塔」「神の憂鬱」「サザンカの咲く頃」「越境捜査」「通報者」「殺人ヒーター」などが頭に浮かびます。
 他にも数多くあるのですが、『相棒』はタイトルが直接内容を表すモノが少なくて、なかなかタイトルと内容が結びつかないので、名作や好きな作品もすぐにタイトルが思い出せないものが多いです。
 たとえば、「ボーダーライン」「ライフライン」は非常に欝な展開で印象深いのですが、区別がつきにくいです。神部尊のラストの作品も好きなのですが、タイトルを思い出せません。(調べて「罪と罰」と判明)三田佳子さんがゲストの話も好きです(たぶん「晩夏」)「鶏と牛刀」なんて、タイトルだけでは内容が全く想像できません。


 で、「ピエロ」を観た感想は、「非常に面白い」です。
 私は、連ドラになる前の『土曜ワイド劇場』の頃から『相棒』を観ています。また、ブログを始めたのは2008年10月で、season7が始まったころです。でも、『相棒』は純粋にドラマを楽しみたいと思ったのでレビューは控えていました。
 ブログを振り返ってみると、season9(2010年10月~2011年3月)で「暴発」(第6話)、「聖戦」(第10話、正月SP)、「陣川警部補の活躍」(第17話)の3話。その後のシーズンからは、毎話書いているようです。
 この「ピエロ」は、ゲスト:斎藤工 遠藤雄弥 大橋のぞみ 目黒祐樹 吉田栄作 脚本:太田愛 監督:和泉聖治。season10の正月スペシャルで、大橋のぞみさん、最後の出演ドラマでもあります。

 再放送を観た後、当時の記事を読みました。自画自賛ですが、≪なかなか鋭いなあ≫≪いい事、書いてあるなあ≫と感心しました。
 それはともかく、やはり、記事にしておくのはいいなあと思いました。ブログ開始当初から、書いておけばよかったと少し後悔しています。
 ≪再放送を観るたび、レビューを書こう≫とも一瞬思いましたが、睡眠時間がなくなりそうです。


 え?「再度観てのレビューは書かないの?」って……「当時の記事がよく書けていて、追記することもない」ということで(笑)
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明日から大荒れの天気

2015-03-09 16:42:58 | 気象
明日(10日)から12、13日あたりまで、大荒れの天気になるようです。

現在(9日午後)、日本海と太平洋沿岸に低気圧があって、全国的に雨が降っています。
問題なのは、この低気圧の後方(北西部)に寒気が控えていることです。

今夜(9日21時)の上空5000m付近の寒気予想図です。

(引用元:(株)吉田産業海洋気象事業部
 これだけですと、3月という観点を除く、つまり真冬の視点で見ると、年に数回来る「強い寒気」という程度です。
 まず、寒気の動きを追います。

3月10日21時:上空5000m


3月11日9時:上空5000m


3月11日21時:上空5000m
 3月なので地上も高層の大気も真冬より暖かいので、そこに「強い寒気」が入り込むと、暖気と交じり合って大気の渦が生じ、低気圧も激しく発達します。
 低気圧が発達すると、更に寒気を引き込みます。予想図からも、激しく大気が渦を巻いている様子がうかがえます。(真冬と違い、寒気の芯の強さがそれほどでないのが救いです)

 また、下図は3月11日9時の上空1500m付近の予想図です。

 この図からも、大気が渦巻く様子がうかがえます。

 で、問題の低気圧ですが

3月10日9時(引用元:Sunny Spot 気象情報サイト


3月10日21時


3月11日9時

 966ヘクトパスカルと台風並みに発達すると予想されています。しかも、今回は「北海道の沿岸」ではなく「北海道の真上」です。この冬は、猛烈な吹雪や積雪が多いですが、今回も非常に心配です。
 さらに、今回は関東北部の時点でかなり発達しているので、関東地方の皆さんも、「台風並み」と考え、備えた方が良いと思います。
 北陸、東北も真冬の雪(吹雪)を覚悟した方が良いです。
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第40期棋王戦五番勝負 第3局 ~3連敗かぁ…~

2015-03-08 19:32:18 | 将棋
 冴えないシリーズだった。
 第1局は横歩取り戦。中盤までは捻じり合いだったが、攻められていた銀をかわしつつ中央に活用させた王道の手が、渡辺棋王(王将)の猛攻の呼び水となる敗着となってしまった。非常に難しい消耗戦で、渡辺棋王の辛抱が羽生名人(王位・王座・棋聖)の平衡感覚を狂わせ墜落させたような一局だった。
 第2局は相矢倉。先手の羽生名人が香損の仕掛けを敢行したが、これが自爆に等しく、勝負どころもない惨敗。
 第3局は角交換腰掛け銀。後手の羽生名人が馬を作ったものの、その間に渡辺棋王が万全の攻撃態勢を整えた。羽生名人は開き直って、渡辺棋王の攻撃を顔面から受け止めたが、踏み止まれず、2筋を破られ飛車に成り込まれ(しかも“と金”付)、そのまま土俵を割るかと思われたが……


 この▲5八桂が変調のように思われる。中継の解説には「どうやら馬を追って、より安全にしてから▲5六歩と銀を取ろうということのようだ。▲6四桂から決めにいくのは危険があると判断したのだろう」とあるが、やはり▲6四桂(詰めろ)と挟撃体制を築いておけば、渡辺棋王の快勝だったように思う。
 「安全にしてから銀を取る」のは虫が良すぎで、普通に考えて、自陣に馬を追うためだけに桂を投入するのは勿体ない。同じ桂打ちでも▲6四桂と比べるとその働きは雲泥の差で、持駒の桂と手番を手放しただけの一手だった。
 解説にも「控室では△7九銀が検討されている。銀がタダだが▲同玉なら△6七銀成が詰めろになるため5六の銀を脱出できる。この筋はかなり有力なようだ。△7九銀に▲9八玉もあるが、これは大きな利かしで後手も相当と見られている」とあり、確かに、△7九銀は打ってみたかったが、羽生名人は素直に△4五馬▲5六歩△同馬と応じる。単純に▲5六歩と銀を取られた時と比べて、手順に▲5八桂の一手を入れられたことになるが、この桂が打ち得とも思えないし、後手の馬は4六よりも5六の方が働きが良い。

 渡辺棋王は▲6四歩と挟撃態勢に入るが、△3二金▲1一龍△1二金と打たれて龍が詰んでしまった。


 もちろん、渡辺棋王も読み筋で、▲5七歩と切り返す。馬筋が変われば1二の金が取られるので、△3四馬と逃げるのが普通だが、「▲2三銀という凄い手がある。△同馬や△同金左には▲2二と、△同金右には▲3一とと王手で追い、玉が二段目に上がれば▲1二竜と金を取れる」そうだ。
 そこで、羽生名人は△6六馬と切り込む。▲1二龍に△6七馬が龍取りで、▲1一龍(次の▲2二とは厳しい手だが詰ろではない)に△7八銀がほぼ必至。


 何だか、一気に緊迫してきたぞ。これは、もしや……
 ▲1一龍が利かないならば▲5六銀と馬に当てて龍取りを受ける手しかないが、一時しのぎで銀を手放すのは手の流れがおかしい。
 △5七馬と後手を引くが、次の△5六馬の銀を取る手が大きい。そこで、渡辺棋王は▲5二歩を放つ。


 次に▲3一金(△同金は▲同と△同玉▲3二金の詰み)を狙い、△5六馬の余裕を与えない手だ。
 と渡辺棋王が主張した手に対し、羽生名人は平然と△5六馬!……▲3一金には△5二玉▲3二玉△6一玉で残している……のかな?
 実戦も▲3一金△5二玉▲3二龍△6一玉と進む。
 そこで、▲8二香!

 これが決め手で、後手玉に受けはない(先手玉は詰まない)。

 渡辺棋王の緩手で、一気に差が縮まったが、逆転には至らなかったようだが、本当にそうだろうか?
 戻って、第4図。


 深浦九段が指摘していたが、「△7八銀でどうでしょうか。以下▲3一金△5二玉▲3二竜△4二金で。難しいです」


 この局面は後手勝ちのように思う。

★局後の検討(中継解説より)
ここで△7八銀(△7九馬以下の詰めろ)なら後手が勝っていた。▲同玉は△5六馬が王手竜取りなので▲3一金△5二玉▲3二竜と迫るしかないが△4二金で詰めろ竜取りになってしまい、うまい返し技がない。
戻って▲5二歩のところで▲6三歩成も△5六馬▲5二金△同飛▲同と△同玉▲3二竜△4二金打▲8二飛△6二桂▲3一竜△4一金が一例で後手が有望。他にも変化は多いものの、先手良しといえるものは見つからなかった。

また、第1図の▲5八桂についても述べられていて

「▲6四桂は△3二金と開かれて△4二玉~△3三玉と抜けられたときが大変」と渡辺。また▲5六歩は△6五桂が攻防になるという。
「(△6五桂のとき)こちらは2手スキなんですが後手玉を詰めろ詰めろで寄せ切る自信がなかったです」(渡辺)


 この第1図の直前、▲2一歩成とした局面について
「後手が歩切れなのでなんとかなると思っていたのですが、意外に難しかったです」(渡辺)とあり、渡辺棋王快調に思えたが、実際は見た目より接近した形勢であったらしい。

 中盤の△3二玉や2筋を突破させる代償に先手の4、5筋の金銀桂を取り、もたれて指す羽生名人特有の大局観を発揮していたようだ。
 しかし、最後の▲7八銀が指せなかったのは残念。いかにも羽生名人好みの手だったのに。


 タイトル戦でのストレート負けは過去にもあったが、今シリーズは最も不出来だったように思う。
 シリーズの感想として「チャンスらしいチャンスがなかったので、しょうがないかなと」と。そう、こういうこともある。名人戦ではきっといい将棋を見せてくれるだろう。
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相棒 season13 第17話 「妹よ」

2015-03-05 20:22:37 | ドラマ・映画
『巧妙なミスリードの構造』、『相変わらずの陣川劇場とプラスα(陣川妹)』など、面白かった。

『陣川劇場』

第一幕・陣川妹、登場
「うん、だいぶ(熱が)下がったね。よかった」
「すまんなあ、美奈子」
「何水臭いこと言わないで。今、おかゆ作るからね」


昭和の人情ドラマかドリフのコントを思わせる始まりから、おかゆを焦がし(お約束?)、兄弟げんかというプロローグ。それと、新キャラ、陣川妹・美奈子の紹介……と思ったのだが、実は……

第二幕・課長対陣川
「似てるのか?お前に」
「似てませんねぇ、顔も性格も全く違うタイプです」
「それは何よりだな。女版陣川なんて、周りは暑苦しくてたまらんからね」
「どう有意味ですか、それぇ~」
「そういう意味だよ」


ナイス、課長!

第三幕・右京の誘導に乗せられる陣川
(妹の異変に気づき、彼女の部屋を探索するが、机の引き出しに鍵がかかっている)
「鍵がかかっているようですね」
「うぅぇっ、くっっっ……」……バキッ!
「あっ」(享)
「開きました、痛ぅ…」
「いけませんねぇ、兄妹とはいえ、こんなことしては」
「構いませんよ。見ちゃいましょう」
「…そうですかぁ。では、お言葉に甘えて」


 陣川に壊して開けさせるよう誘導しておいて、しかも、すぐ行動に移す陣川を見越して、その瞬間は、違う方向を見て“止める間もなかった”事実をさりげなく作る。
 さらに、陣川の行為をたしなめて、陣川から「かまいません。見ちゃいましょう」という陣川が主導した事実も作る。

第四幕・「運命の人」…女版陣川と陣川自覚なし
「アイツは小さい頃から、やけに思い込みが激しくて、おまけに呆れるほど惚れっぽいんです。それで何度も失恋を繰り返している。……あぁ、一体、誰に似たのか」
「誰って、陣川さんそのものじゃないですか?」
「君の言っていることはよく判らんなぁ! 黙っていてくれないか!」


 「運命の人」という陣川のキーワードまで出ているのに、陣川には自覚がないんだ。
 享の“陣川さんそのもの”という突込みもナイス。第二幕の課長の“そういう意味だよ”などのやり取りといい、なかなかの“ボケ&突込み”

第五幕・「これが目に入らぬかっ!」
 美奈子失踪に関わりがあるとみられる探偵・工藤勇一(工藤新一ではない)が浮気捜査中に事情を聴取しようとして、捜査対象のガラの悪い男にキレられ、陣川が「これ(警察手帳)が目に入らないか!」と。


 助さんも、格さんの決め台詞を、ずっと言いたかったのかもしれない。

第六幕・“どっちもどっち”というか…
「女の子のクセにヤンチャで、すぐに何処かにいなくなる。心配して探すうちにこっちが山の中で迷子になって、警察に一斉捜索されて保護されたこともありました。
 あいつの高校受験の時もそうだ。雪の中、合格祈願のお参りにつきあってやって、それが元で僕は肺炎になって死にかけたこともあるんです」
「それって~、迷惑かけてんのって陣川さんのほうじゃないすか?」


第七幕・現金な陣川
「人様のものを~。金に困ってるなら、なんで一言言ってくれなかったんだよ~」
「いえ、美奈子さんは窃盗に関わってなどいないと思いますよ………(中略)……おそらく美奈子さんは、陣川君の事件ファイルを見て、自分の情報が洩れていることに気づいたのでしょう」
「自分の情報が犯罪に使われているとわかった時点で、進めていた仕事をストップせざるを得なかったということか」(享)
「そうだったのかあ……ま、そんなことだとは思ったけど」
「完全に疑っていたじゃないですか?」


第八幕・信じてないのか?
「最後に美奈子さんに会ったのは、あなたですよね。しかも、あなたには、彼女を口止めしなければならないという動機がある」(享)
「待ちたまえ!沙織さんが美奈子に何をしたって言うんだ?沙織さんはそんな人ではない!」(陣川)
「その通りです。美奈子さんを連れ去ったのは、沙織さんではありません」(右京)
「じゃぁ…いったい?」(陣川)


 「じゃあ」って、君は沙織さんを信じていなかったのか?

第九幕・警視庁一の刑事
「お兄ちゃんが来てくれなかったら、あたし、殺されてたかも。お兄ちゃん、やっぱり、警視庁一の刑事だね」
「今頃わかったか」
「杉下さんと甲斐さんですか?兄から聞いてます。いつも兄のお手伝いをして下さっているんですよね」
「陣川君には、いつも、よくしていただいています」
「いや、いや、いややややや、今回もこの二人は、ほんとによくやってくれたよ」


 兄の面子を立ててくれた特命の二人に平謝り、そして、妹を助けてくれたことに感謝して、「ごめんください」と言ってそそくさと立ち去る陣川。

第十幕・他人には厳しい
「沙織さん、あなたを見損ないました。人の秘密を勝手に流すなんて、あなたは間違っている。
 僕はあなたを見損ないました」


 “見損なった”と念を押すようにゆっくり言うが、急を要するとは言え妹の机の引き出しを壊した君が言うのか?(笑)。まあ、陣川君は、“見損なわれる”と言うより“呆れられる”とか“鬱陶しがられる”という趣だが。

終幕・運命の人やとおもったんやぁ
 花の里にて、“警視庁一の刑事”の件を謝る美奈子。

 美奈子はしっかり特命係と陣川の関係を見抜いていて、騙されていた振りをしていたのだった。
 さらに、今回の情報漏えいも気づく。ヘッドハンターとしても有能だったし、陣川の妹とは思えない。

 傍らには、いつものように酔いつぶれている陣川、
「沙織さん、運命の人やとおもったんやぁ~なんでや~……沙織さあ~ん」と、寝言。


 毎度、お約束のシーンだが、面白い。


巧妙なミスリードの構造
・第一幕のおかゆを焦がした美奈子のドジ……実は「美奈子が兄の事件ファイルを読んでいたため」という要因が隠されていた

・掃除婦のおばさんの「絶対、許せないっ!」と叫んでいたという情報は、≪軽いフェイク情報≫兼≪美奈子が“女版陣川”エピソード≫の為のものだと思ったが、実は核心に迫るヒントが隠されていた。変なタイミングで掃除に来るなあと思ったが、上記の二つの目的を果たすためのモノだと納得してしまった。

・美奈子の勤務する会社の女社長は、“いかにも裏がある”と言う感じの女性で、しかも陣川が惚れている。しかし、あまりにも怪し過ぎる雰囲気なので、今回は裏をかくのかとも思った。
 ところが、ドラマ後半で、「失踪当夜、美奈子が訪ねてきたのではないか?」という追及に、
「私たちがスカウトする人材は、高収入の方がほとんどです。その方々の家が窃盗犯に狙われてもおかしくないし、山本さんがヘッドハントされていることも、彼が口を滑らせたのかもしれない。彼女の情報が洩れたとは限らないんじゃないでしょうか」と答えてしまった。
 享は、「山本さんの秘密」と言っただけなのに、沙織は「転職話」と言っていたことを追求したが、私は、右京たちが「情報が犯罪に使われた」と言っただけなのに、「窃盗犯に狙われてもおかしくない」と言い訳したことが気になり、情報漏えいに彼女が噛んでいるのは間違いないと思った。
 こういった言葉の揚げ足取りは、相棒を見ていると鍛えられてしまうなあ。
 それはともかく、怪しさ漂う沙織に魏涼子さんをキャスティングしたのは絶妙だった。


【細かいことが気になるのが悪い癖です】
・やたら「シュレッダー」が強調されると思ったが、掃除婦が窃盗団のボスだった。でも、シュレッダー解析ソフトとあのおばさんが掛け離れすぎる。
 それに、資産を持っているという情報があれば、効率がいいが、窃盗を実行するスキルは別だと思う。
・美奈子のガムテープを貼り直し、縛られていると見せかける手際が良すぎて、笑ってしまった。
・美奈子に激しく殴打された窃盗団の一人は大丈夫だったのだろうか?
・山本家に駆け付けた美奈子が、窃盗団のひとりに羽交い絞めにされて絞め落とされたが、これって相当危険だったのでは?
・「ヘッドハンティング会社は情報が命です。それが漏えいし犯罪に使われていたなどとなっては、この会社は終わりですから」と力説する沙織だが、才能を有効に使うためとはいえ(犯罪に使われるかはともかく)自らその禁を犯すのは愚かとしか思えない。右京にも利益のための詭弁だと糾弾された。
 情報漏えいにより、ヘッドハンティングを円滑に出来たとしても、度重なれば悪いうわさが立ち、結局、追い詰められるだろう



【ストーリー】番組サイトより
 捜査一課で経理係をしている陣川(原田龍二)の妹・美奈子(水崎綾女)と連絡が取れなくなった。美奈子からの留守録の裏に、「早く乗せろ」という不穏な男の声が入っていたことから、陣川と旧知の仲である右京(水谷豊)と享(成宮寛貴)は捜査に乗り出す。
 企業から依頼を受けて人材を探すヘッドハンターをしているという美奈子。手掛かりを求めて部屋を調べると、謎の男から「例の件から手を引け」という脅迫めいたメールが届いていたことが分かる。しかし、勤務先の情報セキュリティーは厳しく、美奈子が今、どんな仕事を抱えていたか判然としない。それでも、わずかな糸口から、彼女が最近、大手電器メーカーの技術者と交渉していたこと。そして、引き抜きによる情報流出を警戒したそのメーカーが、調査会社を使って美奈子を調べていたことが分かる。

陣川の妹は、なぜ姿を消してしまったのか?
転職をめぐる情報社会の闇とは…!?
“第三の男”陣川が、妹のために命懸けの捜査に挑む!

ゲスト:原田龍二 水崎綾女

脚本:金井寛
監督:橋本一
コメント (2)
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『出入禁止の女〜事件記者クロガネ〜』 最終回

2015-03-04 14:30:52 | ドラマ・映画
前回(第5回)の2時間スペシャルは2話合体しただけで、実質、第5話、第6話と見てよい。
今回も“最終回スペシャル”と銘打ってあったが、やはり2話(第7話、第8話)合体しただけであった。

 第2部に突入したことに気付かないほど、第1部の話が中途半端だった。第2部も支離滅裂気味であった。

≪前半≫

 夫の犯行を隠ぺいする為、国会議員で佐橋きみえが京都府議・近松昇太郎(長谷川朝晴)が政務活動費を不正使用を京都タイムスに密告の電話をした。密告先に京都タイムスを選んだのは、社会部デスク・古林と旧知の仲だったから。
 近松を陥れたのは、近松が犯行直後に出会ってしまったから、捜査が近松に及んだ場合、彼の証言に信憑性を持たせないためであった。
 一応、筋は通っているみたいだが、近松を陥れる必然性が薄い。そんな回りくどくて、効果が不明な工作をしなくても、始めから自殺で決着するよう京都府警に圧力をかけたほうが良い。

 「古林が佐橋に清廉さを求めたが、古林の叫びは佐橋に届かず、国会議員らしく?淀んでしまった」というのが、一つのテーマであったと思われるが、これまでの二人の交流や、今回での二人のやり取りもほとんどなかったので、心に響くものはなかった。
 そのうえ決着のつけ方が中途半端だったので、この後(後半部)でさらに追及し佐橋が心を改めるのかと思ったら、そのまま退場であった。



≪後半≫
 母を殺害したことを隠すため、代理を仕立てあげた女。
 この女は、社長や専務など数多くの男を手玉に取る悪女だった……

 この女、番組サイトのあらすじの表現を引用すると、“どことなく魔性の雰囲気を漂わせる社長秘書・野口飛鳥(原田夏希)”。
 でも、ストーリーを紹介する時点で、“魔性の雰囲気を漂わせる”という表現は、無用であろう。

 それはともかく、この魔性の女、社長を追い落とす為、社のブラック企業ぶりをリークするのに京都タイムスの胡桃澤を利用。
 ここまでは理解できるが、この後、「取材を強要したばかりか、無理やり酒を飲まされてホテルに連れて行かれた」と記者会見で涙ながらに訴えた。この理由がよくわからない。胡桃沢には、まだ利用価値はあるはずで、京都タイムスや胡桃沢を窮地に陥れて盛り上げるドラマ上の都合の為としか思えない。


 この魔性の女の母親に、過去、ひどい目に遭った京都タイムスのオーナー、オーナーの知り合いは本当にロクな奴がいない。

 面白くなる要素があったドラマであったが、疑問の脚本が続いた。(池上純哉氏と西岡琢也氏は“要注意脚本家”の仲間入り
 ヒロイン像と観月ありさはぴったり合致するが、「出入り禁止」というイメージ、“強い女”(観月ありさ)のイメージが、ドラマ開始前に出過ぎて、マイナスイメージが強く、初回から視聴率が低迷してしまった。



【ストーリー】番組サイトより
≪前半≫
 京都タイムス社会部記者・鉄忍布(観月ありさ)は、京都府議・近松昇太郎(長谷川朝晴)が政務活動費を不正使用し、飲食店で“グルメ三昧”にふけっていたことをスクープした。匿名の女性からの告発電話をきっかけに近松の政務活動費を調べたところ、各地の高級レストランで政務報告会を行っているという記録が見つかったのだ。
 ところが直後、その情報提供者と思われる女性が首を吊って死んでいるのが見つかった。死んでいたのは、ヨガ講師の篠田夕夏(川真理)で一見、自殺と思われたが、首に索条痕(索状痕)が2本残されており、他殺の可能性が濃厚だった。忍布たちは、不正を告発した直後の彼女の死に不審を感じ、調べはじめる。
 そんな中、後輩記者・美馬健作(宅間孝行)は近松がひそかに人気グルメブログを運営していたことを発見。夕夏の死亡推定時刻に近松が現場近くの割烹料理店で政務報告会を開催していたことを突き止める。
 さらに、夕夏が講師を務めたヨガイベントに近松が参加していたという接点も浮上し、忍布たちは彼が不倫関係の果てに夕夏を殺したのではないかと考える。
 しかし、突然、府警が彼女の死は自殺だと発表する。忍布たちは、政界から圧力がかかったのではと直感。社会部デスク・古林千華子(財前直見)は、近松と同じ政党に所属する旧知の国会議員で佐橋きみえ(高橋ひとみ)に探りを入れるが…!? 忍布たち京都タイムス社会部は、見えない壁を突き破り、真相を暴くことができるのか…!?

≪後半≫
 数日後、息子の一路(前田旺志郎)と共に“時代劇ランド”を訪れていた忍布は、“久本リゾート”社長・久本龍示(隆大介)が元社員の春日陽平(石田剛太)にナイフで斬りつけられそうになったところを目撃。どことなく魔性の雰囲気を漂わせる社長秘書・野口飛鳥(原田夏希)が気にかかる。
 だが、実は久本リゾートについては、同僚記者・胡桃沢洋(甲本雅裕)が飛鳥からのリークで取材を進めていたところだった。久本リゾートはリゾートホテルを全国展開している人気企業で最近はテーマパークなどにも手を広げていたが、世間のイメージとは裏腹に社員に厳しい雇用条件とノルマを課しているブラック企業だった。社長に斬りつけた春日も過労死寸前で辞めたホテル支配人で、飛鳥は会社のブラック体質が改善されるよう悩んだ末に京都タイムスに情報を流したのだという。
 だが翌日、なんと久本が郊外の山中で死体となって見つかる事件が発生! 胡桃沢はこれまでの取材をまとめ、久本の強引な経営ぶりを問う記事を書く。
 ところが直後、久本リゾートが「強引な取材によって京都タイムスにねつ造記事を書かれた」と会見を開き、飛鳥が胡桃沢を告発! 取材を強要したばかりか、無理やり酒を飲まされてホテルに連れて行かれたと記者会見で涙ながらに訴えたのだ。京都タイムスは世間から大きな非難を浴びることに…!
 忍布は、胡桃沢、そして京都タイムス最大のピンチを救うことができるのか…!?

監督:藤岡浩二郎
脚本:池上純哉(前半)、西岡琢也(後半)
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