英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

14-15 Wリーグ プレイオフ/セミファイナル JX×トヨタ 第2戦

2015-03-31 22:21:52 | スポーツ
……JXの底力を感じさせた試合
……ベンチワークに疑問、いや、怒りさえ感じさせた采配だった
   (と書いたが、こういう試合、今まで何度も……だから、底力が上積みされていく?……)


―第1Q―
 JXの吉田→渡嘉敷のホットラインが繋がり、順調な立ち上がりと思えたが、このプレーで渡嘉敷が右足の太もも辺りを痛める。重症ではないようだが、足を引きずり気味の動き。この影響か、若干、JXオフェンスがぎこちなくなった。オフェンスの形は悪くはなかった(シュートセレクトは悪くなかった)が、宮澤、間宮のジャンプシュートが外れ、宮澤のドライブ、そのリバウンドから間宮のゴール下のシュートが連続して外れてしまう。
 この間に富士通は、栗原がこの渡嘉敷を抜いてドライブを決める。さらに、栗原がジャンプシュート、鈴木が3Pシュートを決めJX2-7トヨタ(1分57秒)とペースを握る。この後も、栗原、鈴木が要所でシュートを決める。
 このクォーター、栗原、鈴木とも8得点(鈴木は3Pシュート2本)。その他、近藤2点、川原2点得点バランスも良く、各オフェンスがよく機能していた
 JXの外郭シュート不調は、岡本にも伝染。3Pシュート3本を含む4本のシュートを放ったが、すべて外れた。それでも、渡嘉敷6点、間宮6点、宮澤4点とペイント陣が踏ん張り、JX16-20トヨタと4点差で第1Qを終えた

 22-12ぐらいでトヨタが10点差をつけていても不思議ではない印象だ。
 その印象が強いのは、トヨタのトラップデイフェンスが効果的だったことによる。ボール保持者に対し素早くディフェンダー2人が寄りつきプレッシャーを掛け、ターンオーバーを引き出すシーンが4度あった(内1回はアウトオブバウンドで逃れた)。

 このプレーに対し、JX・佐藤HCが激怒、
「なぜ、挟まれるのを待っているんだ。挟み込まれる前に動け。2人が自分のところに来たら、あとディフェンダーは3人しかいない。チャンスなんだぞ」
 これは、尤もの事のように聞こえるが、JXのオフェンスの場合、そうではない。JXはタッチダウンパスのようなパスも吉田は狙うことも多いが、「大きなパスを前線に送り、パスを受けたプレーヤーは駆け込んでくるプレーヤーにパスを出す」というシステムをしばしば使う。この場合、最初の前線に走ってパスを受けるプレーヤーは、直接ゴールを狙う意思は薄く、サイド近く寄って味方プレーヤーの到着を待つのが通常。しかし、この状況は、ボール保持者がサイドで孤立するという、トラップディフェンスの格好の餌食になりやすい。
 狙われたのが宮澤3回、間宮1回。ガード陣ならディフェンダーをかわすことも可能だが、サイドで孤立した状況で宮澤や間宮が突破するのは困難である(パスを出すつもりでボールを受けているし)。
 そもそも、そのリスクのある大きなパスを出すことに問題があると私は考える。

 タイムアウト時、佐藤HCの説教を、宮澤と間宮はうなずいて聞いていたが、≪なかなか難しいんだよなぁ≫という表情に見えたのは、私の考え過ぎか。


―第2Q―
 このクォーター、トヨタはドライブからのレイアップやフックシュートなどで得点を重ね(森4点、近藤4点、川原2点)、JXは吉田→宮澤のタッチダウンパス(2本)などゴール下を中心に得点を上げる(宮澤4点、渡嘉敷2点、間宮2点、大沼2点)。多少点差が上下するが、約4分で互いに10得点、JX26-30トヨタ
 均衡を破ったのはトヨタ。近藤、鈴木が連続で3Pシュートを沈め、JX26-36トヨタ、トヨタ10点リード(5分12秒)JX、タイムアウト
 この時、吉田に代え新原を起用。点差が開いてから吉田を下げるのは珍しいが、出場時間は20分が目途と言われており、第1Qからここまで15分以上フル出場なので、遅いくらいだ。(「30分ぐらいなら何とか」という本人の弁の情報もあり、それを考慮しても限界か)
 10点差に開き、吉田がベンチ、JXピンチと思われたが、渡嘉敷のドライブシュート、ディフェンスでのブロックショット、さらに間宮がオフェンスリバウンドからのシュートと踏ん張り、JX30-36トヨタ(6分21秒)
 さらにトヨタ・久手堅のシュートが外れ、JXのオフェンスで、“さあこれから”という時に、ドリブルでボールを運ぶ新原が背後から忍び寄る久手堅に気づかずスティールされてしまう。それでも、渡嘉敷が近藤の3Pシュートをブロックショットと敢闘し、宮澤のドライブシュートに繋げる。JX32-36トヨタ(7分23秒)と4点差に詰め寄る。渡嘉敷はブロックショット後のルーズボール争いで顔面を強打するものの、その数プレー後のオフェンスリバウンドを奪い宮澤にアシストパスを出している。まさに大車輪の活躍だ。
 しかし、宮澤がスクリーンプレーに掛かり、近藤をフリーにして3Pシュートを決められ。次のオフェンスで新原がドリブルをチップされターンオーバー。その直後、意思の疎通ミスで川原をフリーにして3Pシュートを決められ、瞬く間に10点差(JX32-42トヨタ、8分16秒)。
 JXは新原がオフェンスを組み立てられず、渡嘉敷がオフェンスリバウンドを頑張りファールをもらってフリースロー2本を決めるのがやっと。対照的にトヨタは、久手堅がゴール下に切れ込んでから外で待つ鈴木にパスアウト、これを鈴木が3Pシュートを決める。さらに前半終了間際に、久手堅が難なく新原を振り切ってドライブシュートのブザービーター。JX34-47トヨタで前半終了
 前半の残り2分30秒、JXはオフェンスが機能せずディフェンスも集中力を欠いてしまい、この間、2-11。点差は13点に広がった。


 富士通は、スクリーンを利用して3Pシュートがほぼフリーで打てていた(15-7、鈴木4本、近藤2本、川原1本)。外だけでなく、ドライブでの得点も多く、オフェンスのバランスが良かった。ディフェンスも集中力がよく、サイドライン付近のトラップディフェンスだけでなく、エンドライン付近でもボール保持者への寄り付きが素早かった。近藤のアグレッシブな動きと鈴木の的確なシュートが光った。
 JXは吉田のアシストパス(6本)以外は、個人技による得点がほとんどだった。吉田を消耗させてのこの点差は、後半の苦戦も免れそうもない。


 前半の得点
JX……渡嘉敷12点、間宮10点、宮澤10点、大沼2点
トヨタ…鈴木14点、近藤12点、栗原8点、川原7点、森4点、久手堅2点



―第3Q―
 後半立ち上がり、トヨタは集中力を欠いた。オフェンスでは2連続ターンオーバー。ディフェンスも甘く、JXに悠々3本のフィールドゴールを許した。吉田がハーフライン付近から宮澤にパス。宮澤がゴール下で待っている間宮にパスを通して、間宮が楽々シュート。間宮のこんなシュート、あまり見た記憶がない。JX40-47トヨタ(1分6秒)、後半開始1分で、一気に7点差に詰まった。
 しかし、この後、トヨタも森がオフェンスリバウンドを2本と、ゴール下のシュートと間宮のブロックショットを掻い潜ってのレイアップシュート、栗原がブロックショットするなど粘り強いプレーをして踏ん張る。
 JXは後半に入って、ディフェンスの圧力を強め、オフェンスも立て直してきている。インサイドアウトで岡本の3Pシュートをお膳立てする。しかし、ノーマークで良いタイミングだったが2本ともリングに弾かれてしまう。岡本はここまで5本3Pシュートを放つがすべてミス。それでもJXは何とかリバウンドを拾って得点を上げる。
 4分6秒、栗原がこのゲーム初の3Pシュートを決め、JX44ー54トヨタと10点差に戻す。栗原は3Pは初の試投だが、ドライブなどで8得点しており、これで11得点。このゲーム、トヨタのオフェンスはバランスが良い
 この後は、JXが吉田が3本のアシストパスを通せば、トヨタは近藤が3本のフィールドゴールを決めるなど拮抗した10点差の攻防が続く。7分2秒、JX50-60トヨタ。
 この間のプレーで、吉田が背中に手を回してゴール下の間宮に通すキラーパスが飛び出す。まるでNBAのプレーである。これに触発されたのか、トヨタの鈴木がフックシュートのようなトリッキーなパスを試みるが、あえなく失敗。このプレーにトヨタ・後藤HCが怒ったのか、呆れたのか、≪鈴木は疲労困憊している≫と考えたのか、鈴木はベンチに下げられてしまった。
 また、先の2本の3Pシュート失敗後、さらに岡本が3Pを放つが失敗。シュートセレクトやタイミングやタッチも悪くない。1本でも決まればビシビシ決めてきそうなのだが。
 岡本の不調に加え、JXに更なるピンチが。JXの50点目を決めた渡嘉敷が、シュートの着地でバランスを崩し、あおむけに転倒し後頭部を強打。しばらく動けず、ベンチに下がる。意識がもうろうとしている感じだ。この試合の渡嘉敷、太もも、顔面、後頭部と踏んだり蹴ったりである。これで、吉田を休ませられなくなってしまった。

 渡嘉敷が下がったことにより、JXのオフェンスは単調になりミドルショットを放つのみ、また、パスミスも犯してしまう。ゴール下でも相手に続けてオフェンスリバウンドを捕られたうえ、森にファール、バスケットカウントの3点プレーを許してしまう。8分36秒、JX50-63トヨタ。
 堪らずJX、渡嘉敷をコートに戻す。
 ≪え?渡嘉敷を出すの?しばらく休ませた方がいいのでは?≫タイムアウトもあったので、渡嘉敷の休息時間は3分強。
 復帰後も渡嘉敷はリバウンド&シュートと活躍し、動きも平常通りだが、やはり頭部の強打は心配だ。

 第3Q終盤は、ディフェンスがオフェンスを抑えたと言って良いのか、オフェンスがディフェンスを上回れなかったと言ったほうが良いのかは微妙だが、トヨタは矢野の2P、JXは渡嘉敷と宮澤の2P各1本に留まり、JX54-65トヨタで第3Qが終了
 このクォーター、トヨタは森と近藤の精力的な動きが光った。JXは、やはり吉田のゲームメイクと渡嘉敷(10点)頼り(間宮6点、宮澤4点と活躍するが)。岡本の3Pがここまで7-0なのが痛い。岡本が当たり出せば、JXは楽になるのだが。


―第4Q―
 トヨタはペイントを攻めるが、JXの分厚いディフェンスに跳ね返される。JXは吉田がゴール下へ2本素早いパスを通し、58-65(1分3秒)
 トヨタは久手堅がゴール下に切れ込んで矢野にパスアウト。しかし、イージーなミドルショットに関わらず矢野がシュートミス。これに対し、JX、吉田がゴール下の渡嘉敷へループ気味のパスを通し、JX60-65トヨタ(1分34秒)、一気に5点差だ第3Qと言い、このクォーターと言い、トヨタの立ち上がりの集中力を欠いたプレーは、一体どういうことか?
 ここで、トヨタ・矢野が先ほどシュートミスの埋め合わせと、巧みなフェイントでディフェンダーを振り切り、また、栗原もこの矢野に合わせたパスを合わせ、矢野、ノーマークのレイアップシュート。JX60-67トヨタ(1分53秒)
 この後、両チームよく守り、膠着状態がつづくが、3分56秒、ペイントエリアトリオが渡嘉敷→宮澤→間宮と素早いパス回しで均衡を破る。JX62-67トヨタ
 トヨタも久手堅と鈴木のピック&ロールで譲らない。JX62-69トヨタ、4分13秒。
 JX、渡嘉敷のパワープレーで5点差に。JX64-69トヨタ、4分28秒
 次のプレーが、一つの山だった。トヨタがオフェンスリバウンドを2本拾い、しつこくオフェンスを継続しする。ここで吉田がファールを犯す。これで4ファール(トヨタでは森が4ファールになっている)。吉田のプレータイムは30分を超えた。吉田がファールアウトになるか、スタミナが切れるか?どちらにしても、吉田にすべてを託す(頼る?)JX。
 トヨタのスローイン。ゴール下の久手堅にボールが回る。マークは吉田。4ファールの吉田なので、厳しいディフェンスはできない。それでも久手堅に体を寄せて両手を広げる最善のディフェンス。これに対し久手堅、バックハンドのバンクショット。これがリングに嫌われ、トヨタ・森とJX・間宮がリバウンド争い。これが、ジャンプボールシチュエーションとなり、JXボール。このトヨタのオフェンスを44秒間、JXは耐えきった。
 トヨタのディフェンスは、ボールを運ぶ吉田にプレッシャーを掛け、センターライン付近でパスを受けた渡嘉敷にダブルチーム。しかし、さすが渡嘉敷、これに動ぜず、吉田にリターンパス。数秒後、吉田がゴール下の渡嘉敷にパス。トヨタ。栗原が、このパスを読み、カット、アウトオブバウンド。トヨタも必死のディフェンスだ。
 JX、エンドラインからのスローイン、ショットクロックは残り8秒。ここで、渡嘉敷がマークの鈴木をかわしてパスを受け、難なくシュート。JX66-69トヨタ、ついに3点差(5分29秒)。
 トヨタのオフェンス、近藤が3Pシュートを放つが入らず、JX・吉田がペイントまで運び、間宮にパス。間宮、素早くシュート。これを阻止しようとした森だが、ファール。ファールアウト。
 間宮のフリースロー、1本外れ、JX67-69トヨタ、5分52秒。完全にJXペースだが、まだトヨタが2点リード。
 ここで、森に代わってコートに入った矢野が、老練の技を見せる。間宮との1対1。ドライブと見せかけてターン。この時マークしていた間宮を、ターンの一連の動作の中で間宮を突き飛ばす。間宮のけぞるが、矢野のターンに振られただけと審判は判断。矢野、悠々、フェーダウェイシュート。JX67-71と4点差に戻す(6分12秒)。
 トヨタはゾーンディフェンス。JXはこのクォーター2本目となる岡本の3ポイントを試みるが、またもミス。これで9-0。ここまで岡本に3Pシュートを挑ませるとは……ちょっと感心、感動。そう言えば、タイムアウト時「岡本の3Pを狙え。外れても皆でリバウンド」という指示を出していた。指示通り、リバウンドはJXが確保。渡嘉敷がゴール斜め下に飛び込む。これに合わせて吉田がパス。渡嘉敷、ジャンプしたままシュート!再び、2点差。JX69-71トヨタ、6分26秒。
 トヨタのオフェンス、一度アウトオブバウンドになり、ショットクロック11秒でスローイン。
 残り9秒でボールを受けた久手堅は、トップの位置でドリブルしながらオフェンスを模索する。矢野がスクリナーとなって打開しようとするが、久手堅は始動しない。残り1秒で鈴木にパスしたが、24秒オーバータイム。久手堅、時間を勘違いしたか?
 残り3分8秒、JXのオフェンス。吉田、バックコートのシュートサークル付近からフロントコートのシュートサークル付近にいた間宮にロングパス。さすがにこれは雑で、間宮と鈴木が交錯。こぼれたボールを渡嘉敷が拾いゴールに切り込む。矢野が渡嘉敷に備えるが、コーナーで開いて待っていた岡本にパス。このクォーター、ここまで2度失敗している。……リングをかすめてとネットに吸い込まれる……
 10本目のトライでついに成功!残り3分0秒、JX72-71トヨタ、逆転!
 まだ1点差、トヨタ・近藤が岡本をかわしてドライブを試みるが、そこをすかさず吉田がスティール。バテバテの吉田だが、演技だったのではと思わせるスピードでドリブル、先を走る渡嘉敷にパス。渡嘉敷もトヨタのディフェンダーを追い抜く物凄いスピードでレイアップシュート。イージーシュートに思えたし、柔らかいタッチだったが、スピードがあり過ぎてバックボードのバウンドがほんの少し大きくなり、リングからこぼれる。このリバウンドを、吉田と矢野が競り、矢野がラストタッチでアウトオブバウンド。
 JXのスローイン。トヨタもここを凌げば、まだまだ勝機がある。トヨタも必死のディフェンス。JXも何とかペイントの高い位置の渡嘉敷にボールを入れる。渡嘉敷、ミドルシュート!
 しかし、力が入ったのか、大きい。そのリバウンドを間宮がキャッチ、そのままシュートに。鈴木のチェックが入るも(鈴木のファール)構わずシュート。バスケットカウントになり、JX75-71トヨタ、残り2分20秒。
 トヨタもあきらめない。鈴木が渡嘉敷の頭越しのフローターシュートを決め、2点差。JX75-73トヨタ、残り2分5秒。
 JXオフェンス。トヨタのゾーンディフェンスに攻めあぐみ、ショットクロック残り5秒でようやくペイントゾーンの渡嘉敷にボールが入る。この瞬間、ファールのコール。渡嘉敷とポジション争いをしていた栗原が、“肘を使った”と見なされファール(4ファール)。渡嘉敷がフリースローを2本とも決め、JX77-73トヨタ、残り1分44秒。
 トヨタ、タイムアウト。スクリーンを使って栗原か鈴木に3Pを打たせる指示だったと思われる。
 スローイン後、鈴木から栗原にボールが渡ったが、渡嘉敷が素早くチェックに行く。完全なフリーではないが、栗原、3Pシュート。これが外れ、大きくリバウンド。渡嘉敷と矢野が競り合う。テレビの画面では渡嘉敷が最終タッチだが、アウトオブバウンドの跳ねた方向が変わったことを考えると、その後、ふたりのどちらかに触れているはずだが、画面では二人の陰で判別できない。
 判定は「JXボール」。矢野は“こいつが出したんだ”と渡嘉敷を指差す。近くにいた栗原も≪そんなぁ≫という顔。さらに、目の前で見ていたトヨタのベンチも≪え~?トヨタボールのはず≫と残念がる。ただ、露骨な不平、不満顔にならないのは、流石である。
 残り1分38秒、JXのオフェンス。吉田→間宮→宮澤→間宮とボールを回すが、外を回すだけでトヨタのゾーンディフェンスを崩すには至らない。ここで渡嘉敷がスルスルとペイントゾーンに入り込む。栗原が渡嘉敷に注意していたが、マークに行かない。スペースを守るゾーンディフェンスの弱点か?(高い位置にいた久手堅がマークすべきだったのかもしれない)
 ほぼノーマーク状態の渡嘉敷にパスが入る。栗原がパスカットに入る間に合わず、悠々ゴール。もしかしたら、栗原は意識的に渡嘉敷をオープンにして、パスカットを狙ったのかもしれないが、それにしては、渡嘉敷をフリーにし過ぎた。JX79-73トヨタ、残り1分20秒。
 残り1分20秒で6点差、逆転は可能だが、何となく「JX勝利」の空気が充満。この試合の流れから言うと無理もないか。
 それでも、可能性を信じて川原3Pシュート、矢野リバウンド、久手堅3Pシュートと攻めるが、決まらない。さらに川原がリバウンドボールを手にするが、吉田との衝突を避けようとして転倒、アウトオブバウンド。
 残り55秒で6点差のJXボール。さすがに勝負あり。この後、久手堅スティール→川原ドライブシュート、川原の3PシュートでJX81-78トヨタと3点差に追いすがるが(残り34秒)、ファールゲームもうまくいかず残り9秒で渡嘉敷に3Pプレーを決められ(2Pシュート+フリースロー)、結局、JX84-78トヨタで試合終了。JXの逆転勝利。


 トヨタは第1戦の惨敗からよく立ち直り、バランス良いオフェンスを組み立て、ディフェンスも頑張ったが、最後に力尽きた。(鈴木18点、近藤18点、川原12点、栗原11点、森11点、矢野6点、久手堅2点)
 惜しむらくは、第3Qと第4Qの立ち上がりに集中力を欠き点差を詰められたこと。あと、久手堅はよく引っ張ったが、3Pシュート7-0、2Pシュート9-1とシュートが不調だったのが痛かった。またチームとしても、前半15-7と決まっていた3Pシュートが、後半は12-2(第4Qは8-1)と入らなかったのもJんお追い上げを許した一因であろう。

 JXは渡嘉敷39得点、吉田14アシストと凄みを発揮、≪結局、このふたりか≫と今回も実感。
 もちろん、間宮も24点、宮澤16点とフォワード陣は活躍。しかし、その他の得点が岡本の3Pシュートと大沼のミドルシュートの5点のみという偏り、弱点と言えるが、それを通り越して、呆れてしまう。


 しかし、相変わらず“吉田に代わるポイントガードの不在”の弱点は抱えたまま。
 吉田に代わってコートに出る新原がほとんど使えない(能力的に)。この状況は数年続いており、何ら解消しないコーチスタッフは“能が無い”としか言えない。吉田が完調ならまだしも、開幕から故障が癒えない状況であったというのに。
 今回、ある程度回復してきていたとは言え、プレイタイムは20分が目途(最大30分)というのに、第3、第4Qはフル出場で35分のプレイ時間。≪吉田が潰れてもかまわない≫と考えているのだろうか?
 後頭部を強打した渡嘉敷の起用も同じことが言える。一時的に意識が朦朧としてプレイできない状態だった(痛みによるプレイ不能かもしれない)。渡嘉敷はJXの主力であるが、日本バスケット界の至宝である。いや、至宝でなくとも、目先の勝利の為に、頭部を強打して生命あるいは一生に関わる損傷につながる可能性を顧みず、コートに復帰させるのは、如何なものだろうか?
 第2戦を失っても第3戦に勝利すればよいと考えて、吉田と渡嘉敷をベンチに下げて、他のメンバーで戦う選択もあったはずだ。

 目先の10分、目先の1勝、目先の優勝しか目に入らない佐藤HC。
 選手の育成、健康管理にも無関心のようである。
 もしかすると、JXの将来なんて視野にないのかもしれない。

 JXが優勝して、佐藤HCが全日本の監督となって指揮を取るのは支持できない。
 作戦的にもチームマネージメントもマイナス。“むのう”どころか“ゆうがい”である。


 ファイナルでは、テーブスHC率いる富士通が、JXを破って欲しい。
 個々のポテンシャルも高く、戦術面に優れているので十分可能性がある。
 さらに吉田を封じることができれば、その可能性は高くなる。
 もっと勝負に徹するなら、第1、第2戦は吉田を消耗させることに重きを置く。

 でも、実際にファイナルを観戦するとJXを応援するんだろうなあ……
 
コメント (2)
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