英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

14-15 Wリーグ プレイオフ/セミファイナル JX×トヨタ 第1戦

2015-03-22 17:58:15 | スポーツ
 鈴木の3Pシュートが決まり、上々のスタートを切ったトヨタであったが、開始3分19秒、岡本に3Pシュートを決められ5-6と逆転されて以降、トヨタペースになることはなかった。それどころか………
 ……試合はJXの一方的な展開になり、JXの楽勝、トヨタの惨敗だった。



 立ち上がり、トヨタのオフェンスは悪くなく、ほぼフリーでのシュートチャンスをつかむ。しかし、これが決まらず、徐々にオフェンスそのものも崩れていった。
 JXは吉田が完調ではなく、1月の全日本総合と同様、プレイタイムは20分が目安。そのせいか、出だしは不安定、ジャンプシュートを匂わせた吉田からのゴール下のパスは、当の渡嘉敷の虚を突いてしまい、慌てた渡嘉敷がシュートミス。ディフェンスも甘く、鈴木に3Pを決められ、その後も吉田のターンオーバーなど、今一つのオフェンス。
 しかし、まず、岡本が奮起。吉田のターンオーバー直後、スティールで流れを押しとどめ、その後、3Pシュートを決め逆転とムードを一変させる。岡本にパスを送った吉田(アシスト2本目)も気を良くし、自らドライブを決める。やはり、吉田が仕事をするとチームが落ち着く。渡嘉敷も2Pを決める。この間、トヨタのオフェンスは停滞し、10-5とJXリード。
 さらに、開始5分25秒で、久手堅が2度目のファール。スコアに余裕があるので、久手堅がベンチに下がるのに合わせて吉田も休ませる(吉田はここまで3得点、2アシスト)。

 新原が入り、オフェンスが多少停滞したが、余裕があるのでいつもよりアシストパスを捌けていた。何より、他のメンバーの動きもよかった。
 岡本はこのクォーター2本の3Pシュートを決め、渡嘉敷、間宮のツインタワーもきっちり役割を果たす。そして、何と言っても、宮澤が素晴らしかった。ミドルのジャンプショット、ドライブ、リバウンドと縦横無尽の活躍。さらに、ディフェンスでは栗原を完全に抑え込んだ。
 第1Qは21-11、10点差。第2Qは21-7とさらに一方的となり、前半は42-18とダブルスコア以上で24点差と開いた。しかも、渡嘉敷、間宮、宮澤も交代でベンチに下げる余裕の展開。吉田も3分でベンチに下げた。
 前半、岡本が放った3本の3Pシュートをすべて沈めたのも大きく、対照的にシュートが決まらないトヨタへの心理的ダメージも大きかった。

 第3Qも、渡嘉敷、間宮、宮澤が得点を重ね、2分25秒には50-20とついに30点差。5分過ぎには59-25と34点差まで広がった。
 ここで吉田をベンチに下げ(この試合の吉田のプレイタイムは14分)、渡嘉敷も6分00秒で、木林と交代したので、ややもたつきが見られたが、トヨタも精彩を欠き、第3Qは65-35で終了。

 第4Qは、ポイントガードに宮崎、シューティングガードに大沼を起用。この後も、この後も、徐々にスタメンをベンチに下げた。結局、83-55で試合終了。
 
 
 トヨタはいいところがなかった。オフェンスが崩れ、ジャンプシュートどころか、ゴール下のイージーショットも落としてしまうのでは、勝機はなかった。先発の近藤が10点、途中出場の水島が11点がわずかな光か。特に水島は奮闘した。
 栗原は3Q残り3分50秒でようやく3P(初フィールドゴール)で、2Pシュート0-7、3Pシュート1-3という惨状だった。
 途中出場から起爆剤となるべき3Pシューターの川原も不調で、フィールドゴール0-5と不発。矢野も存在感が全く感じられなかった(プレイタイム9分、得点0)。
 2ファールで、早々とベンチに下がった久手堅は、第2Qは出番なし。この試合だけでなく、時々感じるが、久手堅のプレイタイムが少ない。後藤HCと折り合いが悪いのだろうか?

 その後藤HCのベンチワークも疑問。
 「3アップ」と盛んに口にしていたが、対JXの秘策なのだろうか?どういうオフェンスシステムかは不明だが、それにこだわり過ぎているように感じた。久手堅を使わなかったのは、その戦術に従わなかったのかもしれないが、「3アップ」はともかく、久手堅不在ではトヨタのバスケットは機能しないと思う。
 そのオフェンスシステムより、打倒JXを目指すのなら、徹底的に吉田を攻めるべきであろう。特に、吉田は完調ではないのだから、十分突けいる隙があるはず。
 吉田が疲労すれば、代わって出てくる新原はもっと組しやすい。このゲームでは、点差がついたので、多少のミスも響かなかったし、他のメンバーも伸び伸びプレーできたので、ポイントガードがそれほど働かなくても得点はできていた。
 この試合において、新原がプレッシャーを受けたシーンは、ほとんどターンオーバーにつながっていた(新原は16分、得点3、アシスト5、4ターンオーバー。吉田は14分、得点3、10アシスト、ターンオーバー1)。

 JXの佐藤HCに関しては、吉田を早めにベンチを下げたこと、また、後半、主力も温存したことなど、評価できる。
 しかし、第4Qまで宮崎を起用しなかったのはどうなのだろうか?
 新原がまだ若くて伸びが期待できるのならまだしも、これまでの能力不足が今後変革される期待はほぼゼロ。これまでもずっと、「新たなポイントガードを育てる」が大きな課題だったはず。いや、ここまで、毎シーズン新原を起用し続けるのは、「新原は優れたポイントガード」という認識を、佐藤HCは持っているのかもしれない。
 それはさておき、新人のポイントガードを起用して、ゲームの流れが変わるという危惧はあるが、第2Q、せめて、第3Qのプレッシャーがかかる状況で起用しないと、経験を積んだことにならない。欲を言うなら、他の4人スタメンと一緒に使ってこそ、経験となるのである。
コメント (2)
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