英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『出入禁止の女〜事件記者クロガネ〜』 最終回

2015-03-04 14:30:52 | ドラマ・映画
前回(第5回)の2時間スペシャルは2話合体しただけで、実質、第5話、第6話と見てよい。
今回も“最終回スペシャル”と銘打ってあったが、やはり2話(第7話、第8話)合体しただけであった。

 第2部に突入したことに気付かないほど、第1部の話が中途半端だった。第2部も支離滅裂気味であった。

≪前半≫

 夫の犯行を隠ぺいする為、国会議員で佐橋きみえが京都府議・近松昇太郎(長谷川朝晴)が政務活動費を不正使用を京都タイムスに密告の電話をした。密告先に京都タイムスを選んだのは、社会部デスク・古林と旧知の仲だったから。
 近松を陥れたのは、近松が犯行直後に出会ってしまったから、捜査が近松に及んだ場合、彼の証言に信憑性を持たせないためであった。
 一応、筋は通っているみたいだが、近松を陥れる必然性が薄い。そんな回りくどくて、効果が不明な工作をしなくても、始めから自殺で決着するよう京都府警に圧力をかけたほうが良い。

 「古林が佐橋に清廉さを求めたが、古林の叫びは佐橋に届かず、国会議員らしく?淀んでしまった」というのが、一つのテーマであったと思われるが、これまでの二人の交流や、今回での二人のやり取りもほとんどなかったので、心に響くものはなかった。
 そのうえ決着のつけ方が中途半端だったので、この後(後半部)でさらに追及し佐橋が心を改めるのかと思ったら、そのまま退場であった。



≪後半≫
 母を殺害したことを隠すため、代理を仕立てあげた女。
 この女は、社長や専務など数多くの男を手玉に取る悪女だった……

 この女、番組サイトのあらすじの表現を引用すると、“どことなく魔性の雰囲気を漂わせる社長秘書・野口飛鳥(原田夏希)”。
 でも、ストーリーを紹介する時点で、“魔性の雰囲気を漂わせる”という表現は、無用であろう。

 それはともかく、この魔性の女、社長を追い落とす為、社のブラック企業ぶりをリークするのに京都タイムスの胡桃澤を利用。
 ここまでは理解できるが、この後、「取材を強要したばかりか、無理やり酒を飲まされてホテルに連れて行かれた」と記者会見で涙ながらに訴えた。この理由がよくわからない。胡桃沢には、まだ利用価値はあるはずで、京都タイムスや胡桃沢を窮地に陥れて盛り上げるドラマ上の都合の為としか思えない。


 この魔性の女の母親に、過去、ひどい目に遭った京都タイムスのオーナー、オーナーの知り合いは本当にロクな奴がいない。

 面白くなる要素があったドラマであったが、疑問の脚本が続いた。(池上純哉氏と西岡琢也氏は“要注意脚本家”の仲間入り
 ヒロイン像と観月ありさはぴったり合致するが、「出入り禁止」というイメージ、“強い女”(観月ありさ)のイメージが、ドラマ開始前に出過ぎて、マイナスイメージが強く、初回から視聴率が低迷してしまった。



【ストーリー】番組サイトより
≪前半≫
 京都タイムス社会部記者・鉄忍布(観月ありさ)は、京都府議・近松昇太郎(長谷川朝晴)が政務活動費を不正使用し、飲食店で“グルメ三昧”にふけっていたことをスクープした。匿名の女性からの告発電話をきっかけに近松の政務活動費を調べたところ、各地の高級レストランで政務報告会を行っているという記録が見つかったのだ。
 ところが直後、その情報提供者と思われる女性が首を吊って死んでいるのが見つかった。死んでいたのは、ヨガ講師の篠田夕夏(川真理)で一見、自殺と思われたが、首に索条痕(索状痕)が2本残されており、他殺の可能性が濃厚だった。忍布たちは、不正を告発した直後の彼女の死に不審を感じ、調べはじめる。
 そんな中、後輩記者・美馬健作(宅間孝行)は近松がひそかに人気グルメブログを運営していたことを発見。夕夏の死亡推定時刻に近松が現場近くの割烹料理店で政務報告会を開催していたことを突き止める。
 さらに、夕夏が講師を務めたヨガイベントに近松が参加していたという接点も浮上し、忍布たちは彼が不倫関係の果てに夕夏を殺したのではないかと考える。
 しかし、突然、府警が彼女の死は自殺だと発表する。忍布たちは、政界から圧力がかかったのではと直感。社会部デスク・古林千華子(財前直見)は、近松と同じ政党に所属する旧知の国会議員で佐橋きみえ(高橋ひとみ)に探りを入れるが…!? 忍布たち京都タイムス社会部は、見えない壁を突き破り、真相を暴くことができるのか…!?

≪後半≫
 数日後、息子の一路(前田旺志郎)と共に“時代劇ランド”を訪れていた忍布は、“久本リゾート”社長・久本龍示(隆大介)が元社員の春日陽平(石田剛太)にナイフで斬りつけられそうになったところを目撃。どことなく魔性の雰囲気を漂わせる社長秘書・野口飛鳥(原田夏希)が気にかかる。
 だが、実は久本リゾートについては、同僚記者・胡桃沢洋(甲本雅裕)が飛鳥からのリークで取材を進めていたところだった。久本リゾートはリゾートホテルを全国展開している人気企業で最近はテーマパークなどにも手を広げていたが、世間のイメージとは裏腹に社員に厳しい雇用条件とノルマを課しているブラック企業だった。社長に斬りつけた春日も過労死寸前で辞めたホテル支配人で、飛鳥は会社のブラック体質が改善されるよう悩んだ末に京都タイムスに情報を流したのだという。
 だが翌日、なんと久本が郊外の山中で死体となって見つかる事件が発生! 胡桃沢はこれまでの取材をまとめ、久本の強引な経営ぶりを問う記事を書く。
 ところが直後、久本リゾートが「強引な取材によって京都タイムスにねつ造記事を書かれた」と会見を開き、飛鳥が胡桃沢を告発! 取材を強要したばかりか、無理やり酒を飲まされてホテルに連れて行かれたと記者会見で涙ながらに訴えたのだ。京都タイムスは世間から大きな非難を浴びることに…!
 忍布は、胡桃沢、そして京都タイムス最大のピンチを救うことができるのか…!?

監督:藤岡浩二郎
脚本:池上純哉(前半)、西岡琢也(後半)
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