英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

2015~16 順位戦C級1組最終局 ……≪この投了図は、ないんじゃない?≫と思ったが…「その8」

2016-06-15 22:29:42 | 将棋
「その1」「その2」「その3」「その4」「その5」「その6」「その7」の続きです。

第8戦 対横山泰明六段戦
 本局は、千日手指し直しの一局。
 千日手局の消費時間は▲浦野5時間26分、△横山4時間36分。
 指し直し局の考慮時間は、残り時間の少ない棋士の考慮時間が1時間になるよう調整される。本局の場合は、浦野八段の残り時間が34分だったので、両者の残り時間に26分加算され、▲横山1時間50分、△浦野1時間0分となり、22時49分に開始された。

 後手・浦野八段の「ダイレクト向かい飛車+穴熊」に横山六段は「片銀冠+右翼金銀配置」でバランスで対抗した。

 横山六段が機敏に動いた局面。
 △2五同飛は▲同桂が3三の銀に当たり、先手先手と攻められてしまうと判断した浦野八段は△2四歩と自重。
 しかし▲2九飛に、▲3五歩△同歩▲3四歩を避けて△2三飛としなければならないのは辛い。飛車の横利きが消え、飛車の働きが弱くなってしまった。ただでさえ後手陣は穴熊で駒が偏っているうえ、飛車の横利きが消え、隙が多くなった。横山六段は、その弱点を押さえながらじわじわ盤面を支配していく。


 ついに馬作りが確定。
 この後も、馬を中心に支配力を強め、中押し勝ち。

 第24図では、駒損を承知で穴熊頼りに、△2五同飛と応じ、以下▲同桂△2九飛▲3三桂成△同桂▲同角成△1九飛成▲5五馬△2九飛▲1一飛△7二金寄▲1二飛成が想定される。

 図では、後手の銀損だが、先手の右翼の金銀が遊んでおり、それをうまく咎められれば(例えば4七の銀を攻めて金を取る)、勝負将棋に持ち込めるのではないだろうか?


 終局時刻は2時1分。消費時間は▲横山5時間40分、△浦野5時間48分。


第9戦 対阿部健治郎六段戦
 横歩取りから、互いに飛車を転回し、角交換後、角を打ち合う華々しい空中戦となった。

 以下、▲2五角△8五角▲3六角△6二銀▲5三桂成△同銀▲5五飛(第27図)と進む。


 角銀両取りであるが、先に桂を捨てているので銀を取られても銀桂交換ということになる。ただ、実際に角を取られるのも、銀を取られて飛車を成り込まれるのも痛そうだ。
 浦野八段は、銀を諦めて△7六角と出て、以下▲5三飛成に△5四歩▲同角成△同角▲同龍△6六桂と返し技を掛ける。

 桂を取ると△7六角と王手龍が掛かるので、▲6九玉△7八桂成▲同玉と応じる。
 さらに、浦野八段は△5三歩と小技を繰り出す。▲同龍なら△8六角が厳しい(詰めろ竜取り)。
 しかし、落ち着いて▲5六龍と引かれると、先手の龍の存在、後手の歩切れが大きく、後手が手に困る局面である。△7四角と打ったものの、▲3六飛とかわされたところで浦野八段の投了となった。
 中継サイトの解説によると
「投了以下、後手は△4五金と打てば7四角を成ることができるが、▲8六竜△4七角成▲3八角が一例で、馬はすぐに消されてしまう。その局面は4五に打った金の働きが弱く、駒割りは微差だが、先手優勢だ」とある。

 勝負の分岐点は第27図と考えられる。
 第27図では、△6六桂はどうだろうか?

 もらった桂なので、その桂を捨てても構わない(先手には“8九の桂が持駒に変わった利”はある)。
 △6六桂を▲同歩と取ると△7六角と王手で逃げられ、▲6七桂(あるいは▲4八玉)に△6四銀で角銀とも助かる。先手の飛車はどこに逃げても働きが弱そうだ。
 そこで、△6六桂に▲6八玉とかわすことになるが、△7八桂成▲同玉に△7六角と逃げておいて、▲5三飛成と銀を取られるが、△5四歩と勝負してどうか?△5四歩は龍の捕獲が狙い。

 しかし、この順も図から▲8四歩がいやらしい手で、振り解くのは難しそうだ(△8四同歩は▲7五桂、△6二金打には▲8三歩成△同玉▲9五桂△8四玉▲8五歩△同角▲5四龍)。
 華々しい空中戦の分かれは、先手に分があったのかもしれない。

終局時刻は17時18分。消費時間は▲阿部2時間0分、△浦野4時間5分。

「その9」に続く。
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2015~16 順位戦C級1組最終局 ……≪この投了図は、ないんじゃない?≫と思ったが…「その7」

2016-06-14 23:02:59 | 将棋
「その1」「その2」「その3」「その4」「その5」「その6」の続きです。

第5戦 対片上大輔六段戦
 ▲7六歩△3四歩▲2六歩△3二金▲2五歩△3三角▲同角成△同金▲8八銀に浦野八段が△6五角と筋違い角を放ち一歩得を主張した。
 しかし、この手法、「歩得」より相手の「持角&手得」の利が大きく、苦労が多い。角を打つタイミングや、その後の展開に工夫の余地があると考え、私も何度か試みたことがあるが、幸せになった記憶は少ない。(でも、その割には、指すのは楽しい)
 本局の浦野八段も、ジワジワ圧迫され苦しさを累積していった……

(図面の先手後手の対局者名が逆になっています)

銀を逃げずに2筋を突き出した。△4五歩には▲2三歩成。また△2四同歩には▲2二歩や▲2三歩が厳しい。
この局面で浦野が13分考え、そのまま指さずに投了した。先手陣は鉄壁で、自陣は攻め込まれる順を避けようがなく、攻防ともに見込みがないと判断して浦野は投了した。
終了時間は22時7分。消費時間は▲片上4時間15分、△浦野5時間42分。【中継サイトより】
(手数は59手)

 7六の角を引く直前、△4五歩と突き越す手に1時間47分の大長考を費やしたが、棋勢は思わしくなく、その後も苦慮を重ね、攻め破られるのを必至と見て、59手の短手数で駒を投じた。
 ただ、投了図以下△2四同歩に、▲2二歩なら△4五歩▲2一歩成△5一飛▲3四歩△同金▲3二角成△5二金▲1一歩成△4六歩で、また▲2三歩なら△同金▲3四銀(▲4四銀は△5二金よ頑張る)△同金▲同歩△同飛で、苦しいながらもまだ難しいと思われる。ただ、ここまでの経緯、残り18分では投了を責めることはできない。

 
第6戦 対大平武洋五段戦
 先手の浦野八段は、角道を開けたまま(6七歩型)の四間飛車穴熊の作戦。
 対する後手・大平五段は△7四歩と急戦を見せて▲6六歩を強要させた後、居飛車穴熊に囲い、相穴熊戦となった。


 図は、終盤、歩の成り捨てに対し、△同桂と取った局面。(実は、歩を成り捨て△3三同桂と跳ねさせたため、先手玉に詰めろが掛かっている。歩を成り捨てずに▲5七角と成桂を払った方が良かった(その桂の入手によって後手玉に詰めろが掛かる)。
 それはともかく、ここで、▲2二金△同銀▲2一金△同玉▲3二銀△1一玉を決め(▲2一金△同玉▲2二金△同銀▲3二銀△1一玉の手順も可)、▲5七角(変化図)と手を戻せば、先手勝勢だった。(▲5五角も△同歩は▲2一金△同玉▲2二飛成△同銀▲3二銀△1一玉▲2二金△同玉▲2三銀打△1一玉▲2二銀打までの詰みがあって良さそうだが、△2三銀▲3三角成△2二金で難しい)

 2一に金を捨てておいて、その後、手を戻すのは変調に思えるが、穴熊戦特有の距離感。
 とは言え、変化図では後手玉は詰めろになっておらず、有り得なさそうな手順だ。

 だが、先手に金気が入るか、先手の角と馬の利きをかわして詰めろを掛けるのが難しい。その上、4九の龍の縦の筋が消えると後手玉は詰んでしまうので(▲5一飛成に△4一歩の受けが必要)、△4七歩とも出来ない。
 おそらく、この順で先手の勝ちであろうが、かなり抵抗を感じる手順で、残り6分の状況(残り時間切迫と疲労)では、至難の業(技)かもしれない。
 実戦では、浦野八段は▲3三金と指し、大平五段に△2九龍以下、玉を攻めながら詰めろ逃れの詰めろを掛けられ投了となった。

 終局時刻は20時30分。消費時間は▲浦野5時間59分、△大平2時間3分。


第7戦 対神谷広志八段戦
 後手・浦野八段の四間飛車穴熊を見て、先手・神谷八段は6六に角を据え、ミレニアムに組む。
 そして、▲9三桂成と切り込む。

 全軍躍動の先手に対し、後手は辛抱を強いられる。

 第23図。

 先手の7七にいた銀が、ズンズン進撃し▲4三銀成と敵陣に攻め込んだところ。
 これに対し、△3一角と後退し、更なる▲4四桂の追撃(次に▲3二桂成)に、△4二飛!


 ……“突撃手”も実らず、この13手後に投了となった。

終局時刻は21時20分。消費時間は▲神谷4時間3分、△浦野4時間54分。

「その8」に続く。
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gooブログ システムメンテナンスによる機能停止  6月14日(火) 【補足あり】

2016-06-13 19:35:36 | その他
システムメンテナンスにより、一時的に機能停止になるそうです。

■日時
 2016年6月14日(火) 0:00~12:00 予定

■メンテナンス中停止する機能(PC、スマホ、携帯とも)
 ブログ記事・フォトチャンネルの投稿(メール投稿含む)
 ブログ・フォトチャンネルの閲覧、
 ブログ新規開設、
 コメント・トラックバックの送受信、
 ping受信/ブログ検索、など
 ブログに関するすべての機能、
 ブログフォト及びブログアドバンスなどの有料商品の購入(2016/5/31追記)
 ※ブログトップ(http://blog.goo.ne.jp)を含むすべてのページが停止します

■メンテナンスをもって終了する機能
 おえかきツール


 gooブログスタッフからのお知らせを引用していますが、「メンテナンス中停止する機能」の書き方が変です。
 まず、“ブログに関するすべての機能”と概要を記して後、具体例(投稿・閲覧・新規開設など)を挙げるべきでしょう。


 ともかく、半日ほど機能不能になります。


【補足】
 正午に閲覧可能になりましたが、記事アップなどは不能。
 正午前に「14:00まで、メンテナンス延長」とのアナウンスあり。
さらに、
 『2016年6月14日(火)午後13時45分追記』←“午後13時45分”ていつなの?
「本メンテナンスは完了いたしました。
 ご協力ありがとうございました。」というアナウンス。
 しかし、その後も“アクセス集中”という理由で、編集等は機能不能で、完全復旧したのは午後4時過ぎでした。(“完全復旧”というのは、まったくの嘘でした)

【補足2】
画像に関するトラブルが起きているようです。当ブログも、スマホからだと表示されない画像があるようです。
何のためのメンテナンスなのだろうか?


【補足3】
アクセスが不安定。
他にも、フォントや字数制限など、いろいろトラブルが多いようです。
前回のメンテナンスの時も、いろいろトラブルが起こっていました。
毎度の事ですが、非常に酷いです。
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2015~16 順位戦C級1組最終局 ……≪この投了図は、ないんじゃない?≫と思ったが…「その6」

2016-06-13 00:21:39 | 将棋
「その1」「その2」「その3」「その4」「その5」の続きです。

第4戦 対阪口悟五段戦 PART2
 
 先手・浦野八段が▲5五歩から銀挟みを見せたのに対し、後手・阪口五段が△5五歩(第17図)と先着し6五の銀の制限を緩めようとした。しかし、△5五歩自体がタダ。この歩は“毒饅頭”なのか……
 △5五歩▲同飛に、△9六歩▲同歩△同香▲9七歩と香を犠牲に△5六歩と打って飛車の捕獲を計ったのが第18図。
 次に△5四銀上で飛車が取ることができるが、無理をしている感じが強い。図から▲9六歩と香を取り△5四銀上▲同飛△同銀と普通に応じても、「銀香」対「飛車」の二枚換えで駒得で先手が充分であろう。
 第17図から、浦野八段は▲2四歩。飛車の脱出を図った。
 △2四同歩なら1五に逃げる余地が生じる。例えば、▲9六歩と香を取っておき、△5四銀上▲1五飛と追われて飛車が危なそうでも、△2五歩(角で飛車取り)とされても▲2四歩の切り返しが利く。△2四同角なら▲2五飛で虎口を脱出できる(△7九角成は▲2二飛成が王手で先手勝勢)。また、△2四同飛なら飛車取りが消えるので▲6六歩と銀を取る余裕を得られる。

 結局、▲2四歩に対し、阪口五段は△5四銀上▲2五飛△2四歩▲2八飛に△5七歩成として、と金を後手の主張とした。

 図から▲9六歩と香を取り、香得が先手の主張。どちらの主張が大きいかに加え、互いの玉型や大駒などの働きが形勢の要素となるが、玉形が変則的なので、判断が難しい。後手は香車がいない9筋や玉頭が不安要素だが、それが響かない展開(中央や左辺に逃げ出す)なれば、後手有望。先手は持駒の香車を8筋に打って後手玉の弱点を突く。さらに、8八の角の活用がポイントである。“どちらかを持って指せ”と言われたら、先手と答えたい。

 ところで、第17図の△5五歩に対し▲同飛と取った局面だが、

 阪口五段は△9六歩から香を犠牲に1歩を得て△5六歩を実現させたが、△2四歩として歩の入手を図った方が良かったように思う。
 これには▲5八飛と飛車を安泰にすると同時に▲5五歩の銀挟みを狙うのが最善のようだが、渋く△5四銀引と辛抱し2筋の優位を主張点としたかった(微差ではあるが、これなら後手を持ちたい)。



 実戦は、

 第19図以下、▲9六歩△5六銀▲7八銀△2五歩▲1六歩△4五歩▲1七桂△5五角と進む。


 後手は飛角を働かせようとした手順だが、△5五角は次の▲6六金を軽視した失着だった。さらに、その後も急な流れを制動することができず、△3七角成▲5六金△同と▲2二角成△2八馬▲8六香と激流に飲まれていった。


 ▲8六香を見て、阪口五段、投了。
 次に▲9四銀と打たれ8三の地点を攻められる手が厳しく、守っても先手から飛車打ちを絡められると受けきれそうにないようだ。

 投了に至る手順中、△5六とではなく△5五歩と流れにアクセントをつけるような手が何か所かあったが、第17図で▲2四歩と突かれた手に対する△5四銀上に13分考慮しただけで、その後は計7分しか費やしていない。飛車に逃げられてがっかりしたのか、形勢を過信していたのか……

 終局時刻は20時08分。▲浦野4時間32分、△阪口3時間18分。
 
「その7」に続く
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2015~16 順位戦C級1組最終局 ……≪この投了図は、ないんじゃない?≫と思ったが…「その5」

2016-06-11 17:58:29 | 将棋
相当、間が空いてしまいましたが、「その1」「その2」「その3」「その4」の続きです。

第4戦 対阪口悟五段戦

 7手目、浦野八段、後手の飛車が8筋にいるのにもかかわらず▲6八玉。
 振り飛車党の阪口五段に対して「居飛車はない」と決め打った指し方であるが、「居飛車で来るなら来い(できないだろう)」という挑発とも考えられる(浦野八段の性格としては考えにくいが)。
 阪口五段は6分の考慮で△5四歩を着手。以下▲3三角成△同銀▲5三角△4四角▲同角成△同歩▲7八玉△2二飛と進んだ。
 ▲5三角△4四角▲同角成△同歩のやり取りは先手の手損で、最初の角交換と合わせて2手損となった。しかし、後手の4筋の歩を突かせたという意義もある。
 この後、浦野八段は中央に銀を繰り出し積極的に動く(第15図)。

 ▲5四歩で△6二銀と受けさせ形は、素人目には気持ちの良い拠点作りに見えるが、伸び過ぎとなって負担になる怖れもある……
 実際、△5三歩▲同歩成△同銀~△6四銀と反発され、拠点を解消されてしまった。もちろん、それで形勢を損ねたかは微妙で、今後の指し手次第であろう。
 ただ、この数手後の△6五銀は浦野八段は軽視していたようで、先手が敵陣に圧力を掛けた序盤とは、逆の流れとなった。

 浦野八段は、▲7五歩と際どくしのいだが、この後、阪口五段に落ち着いて9筋の歩を伸ばされると、端玉の弱点を咎められた感があり、阪口五段のペースか。


 飛車を5筋に転回し、金を7七に上げて、▲5五歩~▲6六歩の銀挟みを狙う浦野八段に対し、44分の考慮で△5五歩と打った局面。
 ▲5五歩を防ぎつつ、次に△5六銀と出て△4七銀成が狙いか?単純だが、△5六銀と出られると、妙に受けにくい。
 しかし、△5五歩はタダ。▲5五同飛と取られた時の狙いは……

 浦野八段も▲5五同飛(12分)。
 これに対し、▲9六同歩△同香▲9七歩△5六歩!………先手の飛車の捕獲が狙いだった。

 果たして……

「その6」に続く。
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不適切だが違法性なしって……じゃあ、“不適切な都知事”ってことで返金(=辞職)すべき

2016-06-08 17:24:15 | 時事
“第三者の厳しい目”(元検事の佐々木善三弁護士、森本哲也弁護士)で「自動車の購入」「書の購入」「宿泊費・飲食費」「美術品の購入」「額縁などの購入」「書籍の購入」「商業店舗での物品の購入」「書道用品や落款印等の購入」「似顔絵入りの菓子の購入」など多岐に亘って調査した結果が公表されたが……

舛添知事「このたびは政治資金などについてさまざまな指摘をいただき、都民はじめ多くの方々に心配をおかけし心からお詫び申し上げます」
 “心配をかける”?……“迷惑を掛ける”とか“損害を与える”の間違いであろう。

『NHKニュース7』では
1.盆正月のホテル代
2.私的な飲食費
3.美術品の購入
4.事務所の家賃
 を項目に挙げ、論述していた。(他に思い当たるものとして「公用車の乱用」「海外ホテルでのスイートルームでの宿泊」等)

1.盆正月のホテル代
 19件のうち6件 80万円余りの支出が「“不適切”で返却を含めた是正措置が必要」と指摘
 【例】正月に家族で宿泊していた千葉県のホテル……知事は「事務所の関係者などと会議をした」と説明していた
 【調査の結果】
「出版会社社長(元新聞記者)を客室に招いて、今後の政治家としての在り方について相談したと舛添氏は説明している。
 家族旅行の間に数時間程度、政治的な会話をしたということで、家族旅行がメインと理解するほかなく、政治資金を用いたことは適切であったとは認められない」
――――どう確認したのか?
 「本人からはヒアリングはできなかった。
  出版社の社長の周囲からヒアリングしたところ、裏付けるような事実関係は確認できている」
本人からではなく、“周囲”の話では信憑性も低く、証言に対する責任も軽い。“事務所関係者”と“出版社社長”は全く異なるし、ほんの少し政治について話しても“会議”になるという。………本当に厳しい目で調査したのか、甚だ疑わしい。

2.私的な飲食費
 14件の飲食費、計33万円余りが“私的な飲食”だったとして“是正が必要”
 【例】天ぷら料理店の支出など……「私的な飲食だった」などと是正を求める

3.美術品の購入
 「絵画・版画等を購入することが政治活動とかかわりがないとは言えないが、点数(件数)があまりにも多すぎる。違法ではないものの、政治資金の支出としては不適切であったという他はない」

 “不適切であったという他はない”と語調が厳しいだけ

4.事務所の家賃
 自宅に置いた事務所の家賃を、政治資金から妻が社長を務めるファミリー企業に支払っていたことについて……
……「家賃の金額は相場と比較しても割高とは言えない。算出の根拠は合理的で支払いは相当だ」として“問題ない”とした。

 民放の番組では、相場よりかなり高いと指摘していた。
 そもそも、自宅兼用なのに全額を政治資金から支出するのはおかしいのでは?


【舛添知事の弁】
「公私の区別を明確にして、粉骨砕身、都政運営に努めていきたい」と引き続き職務に専念する意思を表明し、是正を求められた宿泊費や飲食費の110万円余りについて、個人資産から返金し、慈善団体に寄付するとともに、公用車でほぼ毎週行っていた神奈川県湯河原町の別荘を近く売却する考えを示した。


 「“第三者の厳しい目”で調査する」と答弁を逃げていた知事だったが、“厳しい”という定義は常識とは異なるようだ。彼らは東大を卒業した、あるいは、弁護士試験を合格したかもしれないが、日本語や社会常識をもう一度学習し直した方がいいようである。
 これまでの会見で、都知事は「公用車の使用やファーストクラスの使用はやめる」と「以後、気をつけます」とやる気や誠意のないダメ社員のようなことを言っていた。そもそも、毎週、湯河原に行けるほど、都知事って暇なのだろうか?

 今回も、問題を指摘された部分だけ返金して、「以後、がんばります」で済まそうとしている。
 不適切だが違法性はないという報告を受けて、都知事は「不適切であることを数多く指摘されたので、しっかりと対応を考えたい」と述べた。つまり、「拙かったので、改善する」で、“悪いこと(悪事)を働いた”という意識はないようだ。
 しかし、問題になっている都知事の所業は、世間一般の企業、団体などでは厳しく追及されるものである。PTA、あるいは町内会でも、吊るし上げを喰らうであろう。会議をレストランで行い、それを会議費として計上するなんて、有り得ない(一昔前なら、幕の内弁当が出ていたようだ。夕食を食べないで参加する役員が多いという配慮)。しかし、都知事(政治家)は違法性はなく責任を取らないという。


 「違法ではない」と判断するのに照らし合わせた法律は「政治資金規正法」。この法律は、支出についてほぼ規制は存在せず、“ザル法”と言われている。政治団体は法人税が非課税など数々の税制優遇を受けているのにも関わらずである。
 しかも、使途の公開義務もなく、親族への支出に対しても規制はなく、“政治活動”として認める範囲もあきれるほど広範囲である。(私が述べるまでもなく、今回の舛添知事の件で非常に広義に解釈するのが可能なようだ。「政治家として、教養・知識・情報を高めるとすれば、法に反しない限りOKのようだ。

 5月27日の会見で、自身の政治資金疑惑について「全てが『黒』ではない。誤解もある」と弁明していたが、この言葉は「『黒』のものも多くある」と考えられる。都知事自身も、常識からはずれた政治資金の運用だという意識があったのだろう。
 それはともかく、舛添知事は「大概の買い物や、飲食、宿泊は政治活動と認められ、政治資金として支出できる」と考えていたはずだ。そうでないと、これだけ多数、多額の問題案件が浮上するはずがない。≪違法でないので、政治資金をできるだけ“有効”に活用しよう(使わないと損だ)≫という考えなのだろう。



法に触れなければ、一般常識に外れてもかまわない………
 ………こんな社会人として最低な考え方の人物が、東京都のトップで政治を司っていいのだろうか
コメント (2)
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『99.9-刑事専門弁護士-』 第8話

2016-06-06 22:07:20 | ドラマ・映画
主人公・深山って、おかしいんじゃない?
 心配してやってきた佐田たちに、へらへら笑うだけで、まともに話をしようとしない……………
   ……………検察(警察)から重要な情報を聞けるとしても、佐田たちが動かないと立証できないし、心配してやってきたものに対して礼儀がない


【疑問点、納得のいかない点】
1.動機の弱さ、不可解さ

 岩下亜沙子(夏菜)
……亜沙子をいじめていた会社の同僚を階段から突き落とし、実刑判決を受ける。
  その際、黒川が亜沙子に有利な証言をしようと申し出るが、事実とは思えないので証言を採用しなかった深山を恨み黒川たちに加担


 証言しようとした黒川の内容が信憑性があるのならともかく、明石達也(片桐仁)にも嘘だと分かるようなもの。さらに、無実だったのならともかく、暴行事件の物証も多そうなので、黒川の証言を採用したとしても、無実を勝ち取るどころか、偽証までさせたと追及されてしまうだろう。「深山に人生を狂わされた」と恨むのは、完全な逆恨み。
 深山のパソコンにハッキングするなどそれなりのスキルを持っており、そのくらいの判断はできないのだろうか?
 出所した後も、さして魅力がなさそうな黒川と付き合うことから、愚かな女性と考えた方がいいのかもしれない(女性が愚かという意味ではありません)
 佐田の熱い説得(これにも疑問あり。後述)に、改心し証言をした。しかし、深山の潔白を証明すれば、自分のハッキングも明らかになるが(黒川の犯行計画を知っていたことも)、それでも証言するのだろうか?

 黒川陽介(綾部祐二)
……亜沙子の暴行事件の証言をしようとしたが、虚偽の内容で採用されなかった。振り込め詐欺や結婚詐欺を繰り返す。鈴木に借金がり返済を迫られていた。
  今回、借金を踏み倒そうと、深山を殺人の罪に陥れようと画策し、実行。


 亜沙子への愛はなく、利用していただけと思われる。なので、深山への恨みはそれほど深くないように思われる。利用していた亜沙子が実刑になり、その損害に対する復讐か?
 弁護士・深山と係わるリスクを考えると、狡賢くドライな詐欺師が実行するとは考えにくい。それほど追い込まれていたのか?それとも、計画に自信があったのだろうか?
 鈴木個人ではなく、鈴木が経営している金融会社に借金をしていたのだから、鈴木が死んでも借金は踏み倒せないのではないだろうか?

 鈴木政樹(林泰文)
……黒川に金を貸していたが、自身も金に困っており、今回の計画に乗る。
  自分が食べる料理に深山が携帯する調味料をふりかけさせた直後、少量の毒を自ら飲み深山を嵌めようとしたが、黒川に毒を入れ替えられ命を落とす。


 深山の父のことで脅すにしろ、深山を嵌めるにしろ、得られる金額は大したことなさそう。深山の父のことは、それほど極秘内容という訳ではないし、少量とは言え、毒を飲むのは馬鹿らしい。鈴木は黒川に金を貸しているのなら、毒を飲む義理はない。
 それよりも、黒川が経営するクラブを清算する方のが先であろう。

2.その他の疑問など
・深山が調味料を携帯しているのはどうやって知ったのか?ずっと、観察していたのだろうか?
・黒川の背広のポケットのフラップの縁(裏地)の赤さが不自然
・亜沙子の事件の裁判で、「私なら黒川の虚偽証言を採用しただろう」と佐田が言い切ったが、これって、いいの?
・鈴木はいつ毒を飲んだのか?
・明石達也(片桐仁)は好きになれない
・弁護料700万円!(佐田が独断で反故にしてよいのか?)
・検察の取り調べを逆用するところは面白かった

【ストーリー】番組サイトより
 突然、斑目法律事務所に刑事たちがやってきて、深山 (松本潤) は殺人の容疑で逮捕されてしまう。佐田 (香川照之) や 彩乃 (榮倉奈々) は驚きを隠せないまま、すぐさま留置所に足を運び、深山と接見を行うが、深山はまともに話をしようともしない。
 警察の調べによると、深山は 鈴木 (林泰文) という男とレストランで会っていた。鈴木は、深山が作った調味料を料理にかけて口にしたとたん、苦しみ倒れ、病院搬送後まもなく死亡。深山の自宅から押収したパソコンからは、毒物の購入履歴が見つかったという。

 動かしようのない証拠を突きつけられた深山は、留置所の中から “事実” を突き止めようとするが……。

脚本:宇田 学
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私的放電 ~70年(推定)も生きてきたというのに、少しも人徳がないじゃん~

2016-06-04 22:08:41 | 日記
今記事は、私的放電(愚痴)ですので、読まないでください。
それでも、読んでくださった奇特な方にお願いです。
「そんなこと、世の中にはいっぱいあるじゃん」と思っても、その趣旨のコメントをかきこむこともご勘弁ください。
(「だったら書くな」というご意見はもっともですが、書くことによって心の平穏を得る為だとご理解ください。
 「だったらアップするな(“下書き”で保留しろ)」「コメントを受け付けないようにしろ」というご意見ももっともですが、多少の同情コメントを期待しています)

 タイトルの「70年」云々は、東大に合格して学んだというのに、少しも尊敬できない67年生きた方とは関係ありません(この方についても書きたいのですが、書き出したら、事柄が多すぎてまとまらないような気がして、二の足を踏んでいます)。



 どんな仕事でも腹の立つことは多々ある。皆、我慢して生きている。
 生来、短気な私なので、仕事に関してもしょっちゅう腹を立てている。しかし、(“放電”と銘打っている当ブログだが)私的放電は出来るだけ書かないよう努めてきた。

 相手は宴会用仕出しや弁当を主としている会社の料理部門トップで所謂“板長”。
 2日前、部下の若手の料理人が訪ねてきて、受け取り2500円のテイクアウト用オードブル容器を求めてきた。用意してある容器の一番小さいもの(商品名をAとします)でも大きくて、一回り小さいモノを要望。(この時、もうワンランク上のオードブル用として商品Aも購入)
 そこで、カタログでサイズを検討してやや小さめのモノに決まった。使用する日が迫っていたので、即発注。数量は20枚。1ケース200枚入りだが、メーカーに有償サンプルでお願いして出荷してもらった。
 今日入荷、早速納品しようとしたところ、いきなり、
「そんなもん、持って帰れ!」
 どうやら、料理長の思いの容器とは小さかったようだ。
「2500円のものはこれや!
 そんな小さいもの、うちがお客さんに怒られる!
 持って帰れ!」

 2500円用として示したのが、商品A。だとすると、注文した若い料理人から報告を受けていたのではないだろうか?
 商品Aより小さい容器を発注したことは聞いていなかったのだろうか?それなら、注文取消しをするのが普通だと思うが、若手が言いそびれた可能性もある。(当方が発注ミスした場合は、仕入れ先にお願いして返品手数料を支払うか、売れそうなモノならそのまま在庫する)
 こういう注文のトラブルはよくある。前方の思い違い、言い間違いは多い。
 しかし、たいていの場合は、“よくある事”で許容範囲である。おそらく、皆さんもそうでしょう。

 今回の場合も、注文を決めるまでの応対、発注時のサンプル出荷の手続き、納品の手間などが空振りとなるが、やはり“よくある事”であるし、製品代・運賃も金額としては大したことはない(でも、本当は“返品手数料”は欲請求したい)。
 今回のような場合、普通は「申し訳ないが…」とか「悪いけど…」と前置きして、「返品できないか」という話になる。しかし、いきなり、「持って帰れ」「お客さんに怒られる」である。まるで、こちらが料理長の部下であるかのような言い方。
 厳密なことは分からないが、料理長が注文を承知していなくても、その会社としてその社員が注文したら、その会社と注文が成立したと考え、対応する。特に、フットワークが命のこの業界である。
 かなり、頭に来た。危うく、切れそうになった……


 “最上級に近い怒り”は年に1、2度あり、その下の“かなりの怒り”はしょっちゅうあるが、たいていの怒りは忘れてしまう。だが、“忘れられない怒り”もいくつかある(私は執念深い)。
 一番覚えているのは、おせち料理の飾りや珍味容器の件。お客さんのおせち料理の受け取りが40件で、その料理飾り・容器の発注ロットは100個。
 通常売れると判断できるものなら、残りをこちらが在庫することはよくあるが、おせち用品なので来年まで持ち超すことになる。
「残ったモノは、来年、必ず買うから」
強く言うので、こちらが在庫することにした。
 翌年、おせち用品の件で来店した時に、昨年の在庫の件を持ち出すと
「“去年”は“去年”」と。
  …………そのお客とは、つき合わないことにした。

 腹を立ててもいいですよねぇ…
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タイトル(名人位)を失うということ

2016-06-01 09:51:29 | 将棋
 一夜明けました。
 そして、≪ああ、そうだったんだな≫と沈む。

 現在、将棋のタイトルは、年度初めからの開催順に並べると、名人、棋聖、王位、王座、竜王、王将、棋王(王将と、棋王はほぼ重複)。
 この中で、名人位と竜王位は別格とされていて、契約金が「大きい竜王位の方が上」という読売新聞社の主張に従い、表向きには竜王位が「やや上」の扱いになっているが、連盟内の棋士の序列では同格で、個人の実績(タイトル保持数)や棋士番号で順位を決めている。昨日までは、羽生名人(王位、王座、棋聖)、渡辺竜王(棋王)郷田王将、の順であったが、渡辺竜王(棋王)、佐藤名人、羽生王位・王座・棋聖、郷田王将となる。(ちなみに、その他のタイトルは、契約金額の順に王位、王座、棋王、王将、棋聖となっている模様)

 ただ、棋士、あるいはファンの思いは「名人>竜王」となっているようで、「将棋で一番強い人」「将棋の第一人者」「将棋界の顔」といえば名人と思っている人が多数であろう。歴史的にも江戸時代から続いている名人位に格式を感じる。
 棋士の場合は特にそうで、順位戦のクラスによって地位も給料も決まる。いや、竜王戦のクラスでも同様なのでそうは言えないのだが、それでも、関根13世名人引退後から始まった順位戦の歴史の積み重ねが大きく、「順位戦のクラス=地位」という概念が強い。
 さらに、抽選の運不運(対戦相手の厳しさ)はあるにせよ、リーグ戦をほぼ1年(正確には10か月)戦い抜いた勝者が昇級するという厳しさが実感され、やはり、順位戦への思い入れは大きいようだ。その厳しさを突破してたどり着くのがA級順位戦で、それがトップ棋士の証。そのトップ棋士の戦いを勝ち抜いた棋士のみが名人位に挑戦できるのである。
 名人位失冠が決まった時、挑戦者になって奪還してほしいと思ったが、同時に、あのA級順位戦を戦うのか……とその困難さを感じてしまった。もちろん、勝ち抜いて、来期の名人戦のひのき舞台に立って、名人位を奪還することを信じているが。

 ところで、将棋界や囲碁界とスポーツ界(個人競技)は勝負を争う点では似ているが、大きく異なる点がある。
 それがタイトル。もちろん、スポーツ界にもタイトルはある。テニスだとウインブルドン(全英オープン)、全米、全仏、全豪、男子ゴルフの4大メジャーは、マスターズ・トーナメント、全米オープン、全英オープン選手権、全米プロゴルフ選手権(PGA選手権)がそうで、一般の競技では、オリンピックと世界選手権が目指すタイトルである。
 棋士とスポーツ選手の大きな違いは、個人名にタイトルを冠するかどうかである。前年度チャンピオン(前回覇者)と称することはあっても「ジョコビッチ・ウインブルドン王」や「タイガーウッズ・マスターズ王」とは言わない。(プレーヤーの紹介として、4大大会の実績や、その大会の過去の成績を紹介したり讃えることはある)

 その点、棋士は渡辺竜王、郷田王将と称される。そして、佐藤天彦八段は「佐藤名人」と称される。
 そう、今後少なくとも一年間は、「佐藤名人」と呼ばれるたびに、また、その文字を目にするたびに、残念感、悔しさが蘇るのである。嗚呼
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