「1級配当四字熟語を網羅することが、漢検1級合格への近道」というのが私のかねてからの主張です。これを物にすれば、本試験の「(五)四字熟語」の設問で30点満点中28~30点の得点が期待できる上に、(一)(二)(九)(十)でも、1級四字熟語の知識で正解できる問題は数多く、全体では50点近くを確保できるのがその理由です。
一方で、(五)では1級配当以外の四字熟語もぽつりぽつりと出題されています。私は、漢検1級初合格のためとの観点では、こうした問題は捨てて良い(誤答でやむなし)と考えていますが、それでも過去問に出たものが再出題された場合は、やはり押さえておきたいところ。 「過去問を落とさない」というのは、「1級配当四字熟語を網羅する」こと以前の、合格のための基本中の基本ですからね。
というわけで、今日は平成15年度以降の過去問から、1級配当以外のもの(下位級配当とされているもの及び「漢検 四字熟語辞典」に記載がないもの)を拾ってみました。どうぞチャレンジしてみてください。
<問題>
1 とうまちくい
2 ほうとうこうめん
3 たいきんせきぎょく
4 だんしょうしゅぎ
5 とせつだこう
6 きんせいぎょくしん
7 ひじちょうもく
8 やろうじだい
9 しゃさいとりょう
10 かんりとうえき
11 だんがんこくし
12 すんぜんしゃくま
13 そうこほうし
14 ぶぶんろうほう
15 うんきんせいふう
16 なんかくらんすい
17 さていゆうけつ
18 しゅうこうしゃくきん
19 かそうさいり
20 はつぼくりんり
21 たくらくしつろ
22 ひっきゅうろうだん
<解答>
1 【稲麻竹葦】 (「漢検 四字熟語辞典」P.362 15-1で出題 準1級配当)
たくさんあることのたとえ。多くの人や物が群がって入り乱れるさま。
2 【蓬頭垢面】 (P.434 16-2 準1級配当)
身だしなみが悪く、むさくるしいさま。
3 【堆金積玉】 (P.317 17-2 準1級配当)
非常に多くの富を集めること。
4 【断章取義】 (P.326 19-1・25-2 5級配当)
抜き出して用いること。
5 【斗折蛇行】 (P.368 19-2 2級配当)
川や道などがくねくねと折れ曲がるさま。
6 【金声玉振】 (P.166 19-3 4級配当)
才知と仁徳を調和よく備えていること。偉大な人物として大成すること。
7 【飛耳長目】 (P.398 20-2 5級配当)
広く情報を収集し、物事を深く鋭く判断すること。
8 【夜郎自大】 (P.455 21-1 4級配当)
自分の力量も知らず、偉そうな顔をしているたとえ。
9 【車載斗量】 (P.242 22-2・27-1 3級配当)
人や物の数や量が多くてはかりきれないことのたとえ。
10 【冠履倒易】 (P.141 23-1 2級配当)
上下の順序が乱れること。
11 【弾丸黒子】 (P.325 24-1 4級配当)
きわめて狭い土地のたとえ。
「漢検 四字熟語辞典」には、【弾丸黒痣】 も載っています(こちらは1級配当)。本試験の標準解答は 【黒子】 の方だけになっていましたが、【黒痣】 と書いてももちろん正解でしょう。
12 【寸善尺魔】 (P.280 24-2 3級配当)
世の中にはよいことが少なくて悪いことが多いたとえ。
13 【桑弧蓬矢】 (P.307 25-1 準1級配当)
男子が志を立てること。
14 【舞文弄法】 (P.420 25-3 準1級配当)
法を都合の良いように解釈すること。
15 【運斤成風】 (P.100 26-1 3級配当)
人間離れしたすばらしい技術のこと。
16 【南郭濫吹】 (P.372 26-3 3級配当)
無能な者が才能があるように見せかけて、よい地位を占めること。
17 【左提右挈】 (19-3)
左にひっさげ、右にたずさえる。手を取り合って助け合うこと。
ここからの6問は「漢検 四字熟語辞典」に記載のないものですが、この 【左提右挈】 は「漢検 漢字辞典」には見出し語として載っています。(初版 P.537/第二版 P.542)
18 【衆口鑠金】 (25-3)
事実でないことでも多くの人が言うと、いつのまにか真実のようになってしまうたとえ。多くの人の言葉やうわさは、硬い金をも溶かしてしまうほどの力がある意。
こちらは、 【衆口金を鑠かす】 という故事成語の形で「辞典」に記載があります(688/694)。また 22-1 では、「衆口は金を 鑠 かす」 の形で、(一)の訓読み問題として出題されていました。なので、過去問を深く研究していた人には、四字熟語としては知らなくても正解できた問題ではありました。しかし、なかなかそこまでは・・・(苦笑)
19 【禍棗災梨】 (26-2)
無用の本を刊行すること。
比較的メジャーな熟語のようですが、何故か「漢検 漢字辞典」にも「漢検 四字熟語辞典」にも記載がありません。
20 【潑墨淋漓】 (26-2)
筆に十分墨を含ませて、雲や煙の趣などを奔放に勢いよく画くさま。
21 【拓落失路】 (26-3)
十分な地位を得られず、出世の道が絶たれること。
こちらも、「漢検 漢字辞典」には記載されている熟語です(994/1001)。
22 【必求壟断】 (27-1)
利益を自分だけのものにすること。
一方で、(五)では1級配当以外の四字熟語もぽつりぽつりと出題されています。私は、漢検1級初合格のためとの観点では、こうした問題は捨てて良い(誤答でやむなし)と考えていますが、それでも過去問に出たものが再出題された場合は、やはり押さえておきたいところ。 「過去問を落とさない」というのは、「1級配当四字熟語を網羅する」こと以前の、合格のための基本中の基本ですからね。
というわけで、今日は平成15年度以降の過去問から、1級配当以外のもの(下位級配当とされているもの及び「漢検 四字熟語辞典」に記載がないもの)を拾ってみました。どうぞチャレンジしてみてください。
<問題>
1 とうまちくい
2 ほうとうこうめん
3 たいきんせきぎょく
4 だんしょうしゅぎ
5 とせつだこう
6 きんせいぎょくしん
7 ひじちょうもく
8 やろうじだい
9 しゃさいとりょう
10 かんりとうえき
11 だんがんこくし
12 すんぜんしゃくま
13 そうこほうし
14 ぶぶんろうほう
15 うんきんせいふう
16 なんかくらんすい
17 さていゆうけつ
18 しゅうこうしゃくきん
19 かそうさいり
20 はつぼくりんり
21 たくらくしつろ
22 ひっきゅうろうだん
<解答>
1 【稲麻竹葦】 (「漢検 四字熟語辞典」P.362 15-1で出題 準1級配当)
たくさんあることのたとえ。多くの人や物が群がって入り乱れるさま。
2 【蓬頭垢面】 (P.434 16-2 準1級配当)
身だしなみが悪く、むさくるしいさま。
3 【堆金積玉】 (P.317 17-2 準1級配当)
非常に多くの富を集めること。
4 【断章取義】 (P.326 19-1・25-2 5級配当)
抜き出して用いること。
5 【斗折蛇行】 (P.368 19-2 2級配当)
川や道などがくねくねと折れ曲がるさま。
6 【金声玉振】 (P.166 19-3 4級配当)
才知と仁徳を調和よく備えていること。偉大な人物として大成すること。
7 【飛耳長目】 (P.398 20-2 5級配当)
広く情報を収集し、物事を深く鋭く判断すること。
8 【夜郎自大】 (P.455 21-1 4級配当)
自分の力量も知らず、偉そうな顔をしているたとえ。
9 【車載斗量】 (P.242 22-2・27-1 3級配当)
人や物の数や量が多くてはかりきれないことのたとえ。
10 【冠履倒易】 (P.141 23-1 2級配当)
上下の順序が乱れること。
11 【弾丸黒子】 (P.325 24-1 4級配当)
きわめて狭い土地のたとえ。
「漢検 四字熟語辞典」には、【弾丸黒痣】 も載っています(こちらは1級配当)。本試験の標準解答は 【黒子】 の方だけになっていましたが、【黒痣】 と書いてももちろん正解でしょう。
12 【寸善尺魔】 (P.280 24-2 3級配当)
世の中にはよいことが少なくて悪いことが多いたとえ。
13 【桑弧蓬矢】 (P.307 25-1 準1級配当)
男子が志を立てること。
14 【舞文弄法】 (P.420 25-3 準1級配当)
法を都合の良いように解釈すること。
15 【運斤成風】 (P.100 26-1 3級配当)
人間離れしたすばらしい技術のこと。
16 【南郭濫吹】 (P.372 26-3 3級配当)
無能な者が才能があるように見せかけて、よい地位を占めること。
17 【左提右挈】 (19-3)
左にひっさげ、右にたずさえる。手を取り合って助け合うこと。
ここからの6問は「漢検 四字熟語辞典」に記載のないものですが、この 【左提右挈】 は「漢検 漢字辞典」には見出し語として載っています。(初版 P.537/第二版 P.542)
18 【衆口鑠金】 (25-3)
事実でないことでも多くの人が言うと、いつのまにか真実のようになってしまうたとえ。多くの人の言葉やうわさは、硬い金をも溶かしてしまうほどの力がある意。
こちらは、 【衆口金を鑠かす】 という故事成語の形で「辞典」に記載があります(688/694)。また 22-1 では、「衆口は金を 鑠 かす」 の形で、(一)の訓読み問題として出題されていました。なので、過去問を深く研究していた人には、四字熟語としては知らなくても正解できた問題ではありました。しかし、なかなかそこまでは・・・(苦笑)
19 【禍棗災梨】 (26-2)
無用の本を刊行すること。
比較的メジャーな熟語のようですが、何故か「漢検 漢字辞典」にも「漢検 四字熟語辞典」にも記載がありません。
20 【潑墨淋漓】 (26-2)
筆に十分墨を含ませて、雲や煙の趣などを奔放に勢いよく画くさま。
21 【拓落失路】 (26-3)
十分な地位を得られず、出世の道が絶たれること。
こちらも、「漢検 漢字辞典」には記載されている熟語です(994/1001)。
22 【必求壟断】 (27-1)
利益を自分だけのものにすること。