漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 625

2024-12-31 05:53:03 | 貫之集

わすられず こひしきものは はるのよの ゆめののこりを さむるなりけり

忘られず 恋しきものは 春の夜の 夢の残りを さむるなりけり

 

忘れられない、恋しいものは、春の夜の夢のような美しくも儚い時間が失われて、まさに夢のように消え去ってしまったことだ。

 

 第五句「さむる」は「冷むる」で、熱が冷める意。美しく儚い恋の思いでを切なく思い起こしての詠歌ですね。

 

 今日は大晦日。今年1年、貫之集の名歌におつきあいいただいてありがとうございました。
 このまま継続できれば9月頃には最後の歌のご紹介にたどり着けるかと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。



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