『新版 古今和歌集』 高田祐彦 訳注 角川ソフィア文庫
もともとは、和歌というものに人並以上の関心があったわけではなかったのですが、言葉や日本語とその周辺を学習していく中で接する機会が増え、一度それなりにきちんと触れてみたいなと思うようになっていました。特に最近は、日本語にある無数の言葉の中でも、漢語よりもやまとことばに魅かれる思いが強くなっていて、高校時代に「やまとうたは 人の心を種として・・・」とさわりを習った古今和歌集仮名序を思い出してもいました。
ということで、入っていきやすそうに見えた書籍を購入しました。1,100首を超える歌とその解説・現代語訳、読み通せるかどうか、正直あまり自信はない(汗)のですが、少しずつでも、じっくり味わってみたいと思います。
「古今和歌集 仮名序」(冒頭部分)
やまとうたは、人の心を種として、よろづの言の葉とぞなれりける。世の中にある人、ことわざしげきものなれば、心に思ふことを、見るもの聞くものにつけて言い出せるなり。花に鳴く鶯、水に住むかはずの声を聞けば、生きとし生けるもの、いづれか歌をよまざりける。力をも入れずして天地(あめつち)を動かし、目に見える鬼神(おにがみ)をもあはれと思はせ、男女の仲をもやはらげ、たけき武士(もののふ)の心をもなぐさむるは歌なり。