漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 501

2024-08-29 05:54:00 | 貫之集

ふくかぜの しるくもあるかな をぎのはの そよぐなかにぞ あきはきにける

吹く風の しるくもあるかな 荻の葉の そよぐなかにぞ 秋はきにける

 

吹く風ではっきりとわかる。荻の葉が風にそよぐ音の中に、秋はやって来たのだ。

 

 萩に吹く風に秋を感じるという歌は、100378 にも出てきましたね。貫之が好んだモチーフなのでしょう。特に 378 と本歌はよく似ています。

 

をぎのはの そよぐおとこそ あきかぜの ひとにしらるる はじめなりけれ

荻の葉の そよぐ音こそ 秋風の 人に知らるる はじめなりけれ
100

 

いつもきく かぜをばきけど をぎのはの そよぐおとにぞ あきはきにける

いつも聞く 風をば聞けど 荻の葉の そよぐ音にぞ 秋は来にける
378