ふくかぜの しるくもあるかな をぎのはの そよぐなかにぞ あきはきにける
吹く風の しるくもあるかな 荻の葉の そよぐなかにぞ 秋はきにける
吹く風ではっきりとわかる。荻の葉が風にそよぐ音の中に、秋はやって来たのだ。
萩に吹く風に秋を感じるという歌は、100、378 にも出てきましたね。貫之が好んだモチーフなのでしょう。特に 378 と本歌はよく似ています。
をぎのはの そよぐおとこそ あきかぜの ひとにしらるる はじめなりけれ
荻の葉の そよぐ音こそ 秋風の 人に知らるる はじめなりけれ
(100)
いつもきく かぜをばきけど をぎのはの そよぐおとにぞ あきはきにける
いつも聞く 風をば聞けど 荻の葉の そよぐ音にぞ 秋は来にける
(378)