漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0854

2022-03-02 05:41:42 | 古今和歌集

ことならば ことのはさへも きえななむ みればなみだの たきまさりけり

ことならば 言の葉さへも 消えななむ 見れば涙の 滝まさりけり

 

紀友則

 

 同じ消えてしまうならば、命だけでなく言葉も消えてほしいと思います。父の残した歌を見ると、涙が滝となって流れてしまうので。

 詞書には「惟喬親王の、父はべりけむ時によめりけむ歌ども、と請ひければ、書きて送りける奥によみて書けりける」とあります。「父」は友則の父を指し、惟喬親王の求めに応じて、父が生前詠んだ歌を書いて送る際に、末尾に書いた歌ということです。第三句の「なむ」は他者への願望を表す終助詞ですね。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。