ふるさとと なりにしならの みやこにも いろはかはらず はなはさきけり
ふるさとと なりにしならの 都にも 色は変らず 花は咲きけり
ならのみかど
旧都となってしまった奈良の都にも、色も変わらずに花が咲くことだ。
作者の「ならのみかど」は第51代平城天皇のこと。即位は806年と平安遷都後ですが、在位わずか3年で嵯峨天皇に譲位し、自身は上皇となって旧都である平城京に移り住みました。その後、再度政権の掌握に動きましたが嵯峨天皇側との権力争いに敗れ(810年「薬子の変」)ました。ただその後も「太上天皇」の称号は維持され、一定の処遇は受けていたようです。824年没。