漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

28-1 の問題をやってみました

2016-06-28 22:03:30 | 本試験
 帰宅するとようやく 28-1 の問題と標準解答が届いていましたので、さっそくやってみました。結果は、

(一) 30/30点
(二) 36/40点
(三)  8/10点
(四) 28/30点
(五) 10/10点
(六) 10/10点
(七) 14/20点
(八) 16/20点
(九) 26/30点

 計 178/200点


となりましたが、自宅の部屋で何のプレッシャーも緊張感もない状態での点数ですから、実際に本試験を受けていたら恐らく160点代でしょう。感覚としては、前回の 27-3 から大幅に難化。合格率は半分以下になるのではないかと感じました。(ちなみに、27-3 の合格率は16.8%でした。)


 取り急ぎ問題を解いたというところで、まだ詳しく調べてはいませんが、概観したところでは、

・表面(一~四)は比較的易しい。特に(一)。
・形式が変わった書き取りは、国字が減ったので理屈では難しくなったと言えますが、実際の今回の問題は、素直な設問が多いように思います。
・(四)の四字熟語、問2の形式が変わりましたが、1級四字熟語を網羅していれば 【提耳面命】 以外は正解できますから、ここは28点を確保したいところ。
・「漢検 漢字辞典」第二版で新たに収録された読みの出題は今回もなかったようです。熟字訓・当て字もすべて過去問か、「辞典」巻末索引からの出題でした。
・(七)の対義語類義語、(八)の故事諺はかなり難しかったように思います。(八)は過去問にあったものも、前回出題時にかなり正答率が低かったであろう問題ばかりですね。
・(九)文章題は、読みは易しく感じましたが、書き取りは逆にかなり難しかったです。

といった印象でした。


 昨年度が全体に易しかった反動なのかどうかはわかりませんが、漢検協会さんは相も変わらず、難易度を一定範囲に収めるつもりはないみたいですね(苦笑)。まあ何度も書いていますが、私たち受検者がなすべきことは、各回の難易度の変化などに惑わされることなく、コンスタントに「160点」を取れるだけの力をつけ、それを維持・向上することだけですね。

 週末にかけてになるかと思いますが、今回もいつものように、個々の問題を少し詳しく振り返ってみたいと思います。その際にはまたおつきあいください。







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10 コメント

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待ってました (月に惟う)
2016-06-29 22:42:33
こんばんは、さすがの得点ですね。
おそらく実際に会場で受検されても、得点は変わらないと思います。緊張感で思い出せないこともあるかもしれませんが、途轍もない閃きも緊張感がないと出ませんし。プラスマイナスゼロということで。

ところで以前、質問させていただきたい旨を申し上げましたが、次のとおりです。
(七)ー5の宥免、(八)ー2の反間は、過去に出題されたことがある熟語なのでしょうか?漢検漢和辞典に掲載されているのは確認しましたが、個人的には初めて出会う言葉だったもので気になりました。こういう語を辞典から拾っていくのは厄介だなと感じています。時間的な余裕もないので、どうしても1級・準1級対象漢字を含む言葉の習得が優先になっています。それらでさえ網羅できていないというのに。

ただ、凛太郎様の今回の所感を読み、改めて基礎に立ち返っている現在を大切にしようと思いました。まさに過去問演習と四字熟語辞典の読み返しで、先日の自己採点以来、続けております。28-1では四字熟語で2問落としてしまいましたから。目下の迷いは、持っていない過去問について国会図書館を利用するか否かです。やらなかった後悔から生じる不安感は、いざというとき力を発揮できない要因になりますから。
凛太郎様は初合格後はどういったことをされていましたか?割ける学習時間はほぼ同じでしょうから、大変興味があります。よろしければご教授ください。
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「辞典」を渉猟すべきか? (凜太郎)
2016-06-30 01:15:55
月に惟う さま

さっそくコメントいただきまして、ありがとうございます。
実際の本試験で受けるのと、自宅で気楽にやってみるのとどちらが高い得点が得られるか? 確かにプラスマイナス両面がありますね。自宅の方が点が高くなる、というのは現時点での私の正直な実感ではあるのですが、人により性格により、実際はさまざまなのかもしれません。

さて、お問い合わせの件ですが、結論から言えば「宥免」「反間」いずれも過去問にはないと思います。少なくとも私の手元にある、12-1 以降にはありませんし、「完全征服」にも「分野別」にもありませんから、28-1 での新出問題だと思います。ちなみに私もこの2つは正解できませんでした。

という結果からおわかりのように、また、何度か本ブログの記事でも言及させていただいています通り、私は「漢検 漢字辞典」全体を通読する、という勉強は、これまでしたことがありません。多くのリピーターの方々と見解を異にするであろうことですが、私は160~175点くらいまでを目標とするのであれば、「辞典」を1ページ目から通読するといった学習を行う必要はないと考えていますし、私自身のこれまでの戦績が、その証明にもなっていると思っています。誤解されると困るのですが、辞典の通読という勉強法を否定する意図はまったくありません。そういうことを実行する気力と時間があるのであれば、行うに越したことはありません。ただ、「175点」を取るのに通読が「必須」か、と言えばそうではないと思いますし、実際に私自身はやっていない、ということです。それだけの時間と気力があるのなら、通読よりも過去問の渉猟と1級四字熟語の網羅を優先する方がよほど効率的と思います。「通読」は、過去問と1級四字熟語を自分のものとし、その上でさらなるレベルアップを目指して180点、190点を目標に置く段階になってからで十分ではないでしょうか。

あくまで私見ですので、ご参考まで。なお、過去問については6年分をお持ちであれば、それ以上古いものは「完全征服」と「分野別」で十分に補えると思います。これも古い過去問をすべて入手するに越したことはないですが、「必須か?」と言えば、私はそうは思いません。当ブログでもご紹介した、ここ最近の本試験問題の分析結果からしても、そう言えると思います。

長くなりました。私が実際に取り組んできた勉強法については、また改めて記事にしたいと思います。

引き続きよろしくお願いいたします。
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ありがとうございます! (月に惟う)
2016-06-30 13:57:42
凛太郎様

貴重なお時間を割いてのコメント、恐れ入ります。

やはり初出ですか。「安堵」というのも変ですが、問題集や過去問の見落としであったら、学習上の大きな穴があった、ということになりますので、少しホッとしました。それまでの読書遍歴や人生経験で、その言葉が常識の範疇に入るかどうかは人により様々ですから、難易度の評価は本当に難しいですね。熟字訓などはその好例のように思います。

漢検辞典の渉猟や過去問への意識も大変参考になりました。「辞典全ページを全て渉猟」は今の生活下では難しいので、辞書に当たる際にその見開きページはせめて熟読玩味するに留め、いつか合格をキープできるようになったら改めて考えようと思います。そんな日は来ないかもしれませんが(笑) 過去問は、当面の間は手持ちの6年分の1級と準1級を味わい尽くそうと思います。

4ヶ月毎に本番を迎えるわけですから、熟なすべきテーマに悩みます。前回に比べてここが進化したという確固たる自信を持って臨めるのが理想ですが、新しい知識の獲得(攻め)のためには、どうしても習得済み語彙の確認(守り)が疎かになりがちです。そのバランスを常に意識して取り組まねばならない、と今回思い知りました。螻蛄を逆に書いたり、蛆虫の「虫」が抜けたり。わかったつもりが全然わかっていなかった、ということがよくわかりました。記憶に定着するまでは、ひたすら忘却との闘いですね。自己嫌悪に陥ることも数ですが、努力を積み重ねようと思います。

今後ともご指導のほどよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

遅い昼休み中にスマホより。
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おつかれさまです (凜太郎)
2016-06-30 21:21:45
月に惟う さま

2時近くになってお昼休みとはお忙しそうですね。
そんな中でコメントを返していただき、ありがとうございます。私は、漢検1級合格の一番の秘訣は、自分にフィットした学習スタイルをみつけてそれを確立し、貫くことだと思っています。合格やその後の得点アップの方法に唯一絶対の「正解」などはないのですから。僅かながらでも、そんな「自分の道」を見つけるためのヒントに拙ブログがなることができれば幸いです。

引き続き、お互いに頑張って参りましょう。
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Unknown (まさ)
2016-07-12 10:37:05
はじめまして。

漢検漢字辞典の新しい読みとはどのようなものなのでしょうか?

今手元に一版があり、それで勉強していて大丈夫か、多少不安があります。

特に語句の追加などがなければこのまま行こうと思うのですが、一版と違いはありますか?
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漢検漢字辞典 第二版 (凜太郎)
2016-07-12 21:55:23
まさ 様

はじめまして。ご来訪ありがとうございます。

「新しい読み」とは、「漢検 漢字辞典」初版には掲載がなく、第二版で新たに掲載された読み(大部分は訓読み)のことですが、それがどこから来たかと言えば、漢検の公式な出題・採点基準である「漢検要覧」です。正式には「漢検要覧」の内容が漢検の出題範囲であるはずなのですが、「漢字辞典」初版には、「要覧」よりはるかに少ない数の読み(特に訓読み)しか掲載されていませんでした。それが第二版になって大幅に掲載数が増えたということです。ただ、本試験では、14-3 以降先日の28-1 にいたるまで、「漢字辞典」初版に掲載されていない読みはただの1度も出題されたことはありません。第二版が出版されて、いずれ初版になく第二版にある読みも出題されるようになると推測する人は多いですが、実際にはこれまでのところそうはなっていません。読みだけでなく、熟語についても若干の増補はありますが、そちらは取り立てて言うほどの量ではありません。

ですので、結論から言えば、初版をお持ちであれば、必ずしも第二版を購入する必要はないのではないかと、個人的には思います。第二版からの出題を実際に確認されてからでも十分ではないでしょうか。

私見ですが、まさ様の参考になれば幸いです。

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Unknown (まさ)
2016-07-13 13:08:16
お返事ありがとうございます。

要覧は持っていないですが、精選演習の巻末で読みは充分なのかな?と感じました。

漢検漢字辞典の二版は紙が薄くて、マーカー引くと裏に抜けそうなので、一版が使えるなら使おうと思います

ですが一級の前に、先月受けた準一級の合否が明日出るので、それ次第では一級はまだ先になってしまいますが(笑)
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Unknown (凜太郎)
2016-07-13 20:36:56
まさ 様

精選演習の巻末の資料は「要覧」と同じですよ。御覧いただくとわかると思いますが、精選演習の巻末には、「辞典」初版に記載のない読みがたくさん載っています。第二版では、載っている読みが大幅に増えてはいますが、それでも全部ではありません。

それはさておき、まさ様の準1級の合格を心よりお祈り申し上げます。良い知らせをお待ちしております。
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Unknown (まさ)
2016-07-26 19:55:04
遅くなりましたが、191点で合格でした。

ありがとうございます。
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おめでとうございます! (凜太郎)
2016-07-26 20:45:21
まさ 様

高得点での準1級合格、まことにおめでとうございます。
これで1級チャレンジャーの仲間入りですね。一緒に頑張ってまいりましょう。 ^^
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