漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

28-2 正式結果

2016-12-17 14:38:24 | 本試験
 さきほど、28-2 の正式結果が届きました。結果は 177 点で、自己採点より2点マイナスでした。四字熟語で、正解したつもりの 【砥礪切磋】 が誤答とされていました。記憶にはないのですが、【磋】 を 【嗟】 とでも書いたのかもしれません。(復習していて、時々やらかす間違いなので。)

 合格率がどのくらいになるのかわかりませんが、受検者全員の平均が 106.1 点ということですから、実はそれほど易しくもなかったのかもしれませんね。



 28-3 まであと7週間。皆さん、引き続き頑張っていきましょう。



「月 Moon」 のあれこれ その2

2016-12-12 22:21:00 | 雑記
 月のお話し。その2です。

 満ちては欠け、欠けては満ちる月の振る舞いは、それこそ洋の東西を問わず、人の心を揺さぶり惑わせてきたのでしょう。とりたてて信仰心などはない私ですが、それでも月信仰に誘(いざな)われる人の気持ちは、なんとなくわかるような気がします。

 そんな感傷に浸りながら、きょうはさまざまに名付けられた月の呼び名をまとめてみましょう。


【新月】
 実際には見えない月ですね。「新月」は英語の「New Moon」から。欠けていってついに見えないまでになり、そこからまた「新しい月」が生まれて満ち始める、という意味ですね。

【繊月】
 新月の翌日の月のことともいい、また三日月のこととする場合もあるようです。

【三日月】
 別名「朏魄(ひはく)」ですね。「朏」一字でも「みかづき」。

【弓張り月】
 月齢7日頃の「上弦の月」と23日頃の「下弦の月」、どちらも指す言い方のようです。
 天体の月とは関係ありませんが、「り」を除いて「弓張月」と書けば、これは源頼政が鵺(ぬえ)退治に使ったとされる強弓のこと。ついでに「椿説弓張月」は「南総里見八犬伝」と並ぶ滝沢馬琴(曲亭馬琴)の代表作。むかしむかし受験生のころ、読んだこともなくて内容も知らないのに、一所懸命作者と作品名を覚えたものでした。(笑)

【十日夜の月】
 「とうかんやのつき」 「十日夜」は、「辞典」にも見出し語として掲載されていますね。

【十三夜月】
 満月に次いで美しいとされてきた月。樋口一葉の小説にもあり、また、中島みゆきや鈴木雅之の曲の題名にも使われています。

【小望月】
 「こもちづき」 満月の前夜の月。

【満月】
 「望月」「十五夜」「盈月」など、呼び名もさまざま。

【十六夜】
 「いざよい」 ここから数日間の月の呼び名がなんとも日本的な風情に満ちている、といつも思います。

【立待月】
 「たちまちづき」 まだ早い時間、立って待っているうちにもう出てくる月。

【居待月】
 「いまちづき」 のぼるのが遅くなって、立って待つにはちょっと疲れるから座って待つ月。

【寝待月】
 「ねまちづき」 寝て待たなければならないほど、出が遅い月。「臥待月」とも。

【更待月】
 「ふけまちづき」 夜更けにのぼる月。

【二十六夜】
 江戸時代、十三夜、十五夜とならんで代表的な月見の対象とされた月とのこと。しかし、のぼるのは午前3時頃といいますから、月見もなかなか大変です。(汗)

【三十日月】
 「みそかづき」 「晦日」と書いて「みそか」または「つごもり」。「つきがこもる」から「つごもり」。

【有明の月】
 よく耳にする言い方ですね。特定の日の月ではなく、満月よりあとの月の総称。
 



 ちなみに今日(12/12)は、満月に次いで美しいという「十三夜」のようです。確認せずに帰ってきてしまいましたが、月は出ていたのかな・・・


「月 Moon」 のあれこれ

2016-12-11 11:45:51 | 雑記
 これを書いている時点(10:30くらい)で私のところは気温7℃。寒くて晴天という冬らしい気候ですが、北海道では引き続き大雪やふぶきの様子。被害が出るようなことのないよう、お祈りしております。


 さて、きょうは「月」にまつわるあれこれを。暦の月ではなく、天空に浮かぶ月、Moon の方です。まずは「月」そのものの異称から。


1. ぎょくせんきんと
2. ぎょくとぎんせん
3. ようだい
4. こうが
5. せんじょ


1. 【玉蟾金兎】
2. 【玉兎銀蟾】   (いずれも 「漢検 四字熟語辞典」 P.159)
 月に棲むと言われる 「うさぎ(兎)」 と 「ひきがえる(蟾)」 を配し、月そのものを表す四字熟語。どちらもまだ本試験で出たことはないみたいですね。
3. 【瑶台】   (「漢検 漢字辞典」 初版 P.1517/第二版 P.1533)
 「瑶」は 「たま」 または 「たまのように美しい」 の意。
4. 娥】  (486/490)
5. 【蟾蜍】   (904/912)
 【娥】 という女性が、夫から不死の薬を盗んで月に逃げ、「蟾蜍」(ガマ) に身を変えて月の精となったという故事から、【娥】 も 【蟾蜍】 も月そのものを表す言葉となった。
 【】 の異体字に 【嫦】 があって 【嫦娥】 とも書き、こう書いた場合は一般には 「じょうが」 とも読むようです。ただし、「じょう」 は後に生じた俗な読みで、漢検では異体字としての 【嫦】 は認識していますが、読みとしては 「こう」 のみとなっていますから、もし読み問題で 【嫦娥】 が出されたら 「こうが」 と回答した方が無難でしょう。
 関連で、 【月中蟾蜍(げっちゅうのせんじょ)】 という四字熟語もあります(「漢検 四字熟語辞典」 P.179)。こちらは 「月にすむというひきがえる」 の意で、「月」 そのものを表すという解説をしている辞書やサイトは見つけられませんでした。



6. 三日月の異称   ひはく
7. 月の満ち欠け   きえい


6. 【朏魄】   (1266/1278)
 26-3 の音読み問題で出題されたのは、まだ記憶に新しいところ。そのうち書き取りでも出そうな気がします。
7. 【虧盈】   (281/284)
 前後を逆にした 【盈虧(えいき)】 も「辞典」の見出し語で、こちらは更に記憶に新しく、 27-1 の 「語選択・書き取り」 問題として出題されています。



 続いて、「月」 を風流なものとして取り上げた四字熟語。
 
8. こうふうせいげつ
9. こうげつせんり
10. しょうふうろうげつ
11. ちょうふうろうげつ


8. 【光風霽月】   (「漢検 四字熟語辞典」 P.197)
 「心が清らかでわだかまりがなく、爽快であること。」
9. 【皓月千里】   (189)
 「明るく輝く月が、遠くまで照りわたるさま。」
10. 【嘯風弄月】   (261)
11. 【嘲風哢月】   (340)
 「漢検 四字熟語辞典」 によると、前者は 「自然の風景に親しみ、風流を好んで楽しむこと」 で後者は 「風や月を題材にして詩歌を作ること」の意。結局同じことを言っているようでもありますが、前者は 「楽しむこと」 で後者は 「詩歌を作ること」 ですから、違うといえば違います。ネットや他の辞書でも、区別をしているようでもあり、同じものと扱うようでもありで、良くわかりませんでした。(汗)
 ついでにもう一つ、「漢検 四字熟語辞典」 の見出しは、前者は 「弄」 で後者は 「哢」 ですね。どちらの項目にも 「~とも書く」 といった記載がありませんから実際に出題されたら悩ましいところですが、見出しは書き分けられていても、【嘯風弄月】 の項の類義語欄には 【嘲風月】 などと書かれてもいますから、まあどちらを書いても大丈夫なのでしょう。ちなみに過去3度出題されている 【嘯風弄月】 ですが、問われたのは3回とも 【嘯風】 の方でした。



 は、島根県立大学e漢字  の漢字フォントを使用しました。


電子マネーがあれば大丈夫!

2016-12-09 23:07:27 | 雑記
 「財布不携帯出張」から無事に帰宅しました。(笑)
 現金をまったくもっていないという不安感と、店に入るとまず「SUICAは使えますか?」と聞く挙動不審者であり続ける若干のストレス(?)はありましたが、なんだかんだ、なんとかなるものです。「キャッシュレス社会」などと言われつつあるだけあるかな??

電子マネーがあれば大丈夫?!

2016-12-08 09:41:49 | 雑記
 きょう、あすの日程で福岡に出張に来ています。それ自体は珍しくもなんともない日常的なことですが、財布を丸ごと自宅に忘れて出てきてしまったことに、羽田についてから気づきました。(汗)

 戻る時間などあるはずもなく、そのまま福岡まで来ましたが、現金はもちろん、キャッシュカードもクレジットカードも全部財布の中・・

 さて、電子マネー(スイカ)だけで出張がしのげるのか。実証実験(?)の始まりです。 (^^;