北の風に吹かれて~独り漫遊記~

町歩きを中心に、日々の出来事を綴ります。 
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下水道を避ける

2017-01-30 20:39:56 | 道外旅行記



東京駅丸の内口にある地下道への出入口。
ここから、「ブラタモリ」で散策したルートを辿ってみました。








入っていきなり目に飛び込んできたのが、天井一面の丸い穴。
これは、1937年(昭和12年)の地下道開業当時からある物で、当時はまだ照明が設置されていなかったことから、薄暗い地下道に外光を入れるために、こうした穴が開けられたのだそうです。





階段を下りたところにあるアーチ状の梁。
これもまた、当時から変わることなく残されています。





歩きながら、私の頭の中では、「ブラタモリ」でいつも流れるBGMが流れています。(笑)





さて、地下道まで下りてみました。
写真の先から手前にかけて、下り勾配になっているのがわかると思います。








さらに進んでみました。
写真左側から右側にかけて、下り勾配になっています。





同じ位置から反対側に向けて一枚。
今度は逆に上り勾配になっています。
そう、この位置が一番低いのです。





上へ向けて一枚。
この場所は、新丸ビルと隣のビルとの接合部分になっていますが、実はこの真上には道路が走っていて、道路と地下道との間には、下水道が走っています。

この場所が一番低くなっている理由というのは、上にある下水道管を避けるために、下水道管の管径(管の直径)プラスアルファ程度の延長分、高低差が設けられています。
下水道と地下道とでは下水道の方が古いそうで、地下道を設置する際、一定の深さを保ちながら道を整備するためには、この位置で下水道を避けるために、多少の勾配を設けざるを得なかったとされています。
そりゃそうでしょうね、地下道を水平にするために下水道管の位置を調節するとなると莫大な費用がかかるだろうし、また、水道管や下水道管には、「土被り」と言って、地表面から一定の深さ以上でなければ設置できないという基準があるので、その辺の調整も困難であったということもあるのかなと思います。

大勢の人が行き交う都心の地下道。
勾配があることは何となく意識していても、その意味する所までは考えないのが通常だろうと思います。

謎の勾配があるのはここだけではなく、東京駅の地下では、新しい地下鉄の開業や新しいビルの完成が相次ぐ中で、まるで迷宮のように地下道が整備され、その結果、既存の施設を避けるために、こうした不自然とも思える勾配が随所に見られるようになっています。
番組で紹介されたのはこの辺りだけど、また今度、色々と考えながら地下道を散策してみようと思います。
こういう事情を知ると、普段何気なく歩いていて、「この勾配は何だろう?」と考えてみるのも面白くなりそうです。
コメント
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