<函館市>「魅力度トップ」「幸福度最下位」 民間調査で正反対、議会でも論議 /北海道
大変寂しいというか残念というか・・・。
「幸福度」という尺度は人それぞれかと思うけど、人口減少数が全国で四番目に多いというのは、正直驚いた。
進学者数が幸福度の判定項目にあるようだけど、雇用の問題だってあるからね。
先日、就職を希望しているものの、地元函館ではなく札幌の企業を志望している高校生の談話として、「ここ(函館)は観光の町だから・・・」というのが新聞に載っているのを読んだのだけど、何だか、これが全てを物語っているような気がする。
新聞紙上でも、この高校生の談話はここで終わっていたが、この先は、言わずとも想像がつくというもの。
リンク記事にもあるように、この問題は市議会にも取り上げられ、市としても、どうやら本腰を入れて対策を講じるとも取れるが、このことに関して、思い出すエピソードを一つ。
「太陽にほえろ!」第50話「俺の故郷は東京だ!」という回での話。
九州から上京してきた若い男女に殺人の嫌疑がかけられ、マカロニ刑事は二人の無実を信じて奔走するが、状況は二人にとって不利で、ついにはボスも、二人を「重要参考人」と位置付けてしまう。
捜査一係の部屋で事件について議論が交わされる中、マカロニは、ゴリさんや長さんが、「東京は刺激が強すぎる」(それ故に二人が犯罪に走ってしまったという、いささか飛躍的な論拠)という趣旨のことを口にしたのに対し、「東京が悪いって言うんですか!」と食って掛かり、いきなりどうしたのかと咎められると、「東京は俺の故郷です。それだけですよ。」と言い残して、部屋を出て行ってしまった。
そんなマカロニを見送ってボスがこう呟く。
「『東京は俺の故郷だ』か・・・。俺も東京生まれだが、そんなこと久しく考えたことなかった。東京がこんなにも薄汚れて、人々の心がギスギスしているのは、この町の人間が誰もこの町を愛さないせいかもしれんなあ・・・」
注:1973年放送のドラマの中の台詞です。
この後は、真犯人が逮捕され、二人の無実が証明されるという、定番と言えば定番の展開で終わるのだが、ここで注目したいのは、引用したボスの台詞の意味するところ。
別に、函館の町が薄汚れて、人々の心がギスギスしているなんてことはないと信じているが、「町を愛する」、もう少し簡単に言うと、「町に関心を持つ」ということが、「幸福度」を向上させるためには大事になってくるのではないだろうか。
自分の町に関心を持ち、それがやがて「町を愛する」という気持ちに発展していけば、議会や行政が打ち出す施策にも、市民を惹きつける魅力が伴い、やがては「幸福度」の向上に繋がって行く。
抽象的すぎるかもしれないけど、少なくとも私はそんな風に思う。(と言うか、思いたい。)
自分にとって「第二の故郷」と言えるまでになった函館。あとどのくらい住むことになるかわからないけど、いつか離れる時「住んで良かった」と思えるよう、この町に関心を持つということを常に意識していきたいと思う。