「弁当屋さんのおもてなし しあわせ宅配篇」の第4巻。
この巻の第一話「くま弁ポテサラ五十年史」に、主人公の久万雪緒が、くま弁のオーナー、熊野鶴吉のはとこを訪ねて函館を訪問するシーンがあり、こう書かれています。
目星を付けていた人気店でハンバーガーに齧りついて空腹を満たしてから、車を運転して近郊の温泉地へ向かう。そこで熊野のはとこは民芸品を扱う店をやっているとのことだった。
今も店が同じ場所にあることはインターネットで確認済みだが、路面電車の終点近くにあるその店に辿り着くまで、雪緒は不安だった。果たして店はそこにあり、今も営業中だった。
ハンバーガーのお店は九分九厘「ラッキーピエロ」とみて間違いないでしょうし、路面電車の終点近くにある温泉地は、函館山の麓の谷地頭という可能性も0ではないと思うけど、普通に考えて湯の川温泉のことでしょう。
ということで、フィクションの世界ではありますが、実際の函館市内に当てはめた場合、このお店のある場所はどの辺と考えるのがよいか、ちょっと探りを入れてみました。
函館市電の起終点である「湯の川」停留所。
函館市中心部と、旧南茅部町エリアとを結ぶ幹線道路にあります。
この幹線道路沿いにもお店は沢山ありますが、もしこのシーンが映像化されることを考えると、幹線道路よりは、そこから少し中へ入った所にあると考える方が、風情があっていいのではと思いました。
小説の中では、雪緒は自分の車で函館入りしていますが、もしも映像化されることがあったら、車ではなく市電で訪れるという展開にしてほしいと思います。
可能ならば、市電の中のシーン(雪緒が窓から函館の街並みを眺めるシーンなど)も描いてほしいです。
幹線道路から一歩中に入った小さな通り。
シャッターが降りている建物も多いけれど、小さな商店街の一角と考えてよい雰囲気があります。
こういう場所もあります。
営業しているお店も少なく、賑わいという状態にはほど遠い感じですが、商店街として栄えていた歴史が感じられる場所だということはわかるので、この通り沿いのどこかと考えるのがよいかなと思いました。
小説では、先程引用した部分以上に細かい描写はないので、小説のファンとしては、想像するだけで楽しいものがあります。