『存在・感情・政治-スピノザへの政治心理学的接近-』
が届いた。
木島泰三先生に紹介してもらった河村厚氏の論文集だ。
「政治心理学」という学問のカテゴリーがよく分かっていないので、正直ぴんとこない。河村氏が引用している『政治論』(岩波文庫によれば『国家論』)第一章第四節のこの部分
「私は、人間的諸感情、たとえば愛・憎・怒・嫉妬・名誉心・同情心および他の様々の激情を人間の本性の過誤としてではなく、かえって人間の本性に属する諸性質として観じた。これらのモノはたとえ不快なものであるとしても、やはり必然的存在てあって、一定の諸原因を有しており」
というところから政治や社会を考察し、そのことに精神の喜びを感じる、というスピノザに賭金を張ってみたいという感じだ。
まあ、果たして「政治心理学」がなんぼのものかは、読んでみてのお楽しみだが、河村厚氏の営為はまことに興味深い。
読み物ではないので簡単に読了、というわけにはいかないが、しばらくこの本とおつきあいさせていただきつつ、考えてみたい。
とくに、レヴィナス批判に(スピノザに代わって)応えているところ、コールバーグとスピノザにおける「臨床」の問題など、ワクワクしそうなテーマが後半には並ぶ。
じっくり読み進めてみたい。
感想は後日!
木島先生のご紹介に感謝しつつ。