『哲学大図鑑』三省堂のお薦め
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を、メディア日記に書きました。
この本、おもしぇえです。
なんだろう、今までのスタンダードな哲学史とか早わかり紹介とは違っていて、一つ一つの哲学者の勘所を丁寧に教えてくれる本になっています。
もちろん、見開き2ページ~4ページ(カント・ニーチェ・マルクスは6ページ)ですから、書けることは限られている。
当然、その限られた中で何を書くか、何を書かないか、がこういう本のポイントなんだけど、遠近法が昔と確実に変わってきたのを感じるのです。
数千年の時を経ても、かつての哲学者たちが向き合った課題は「問い」として意義深いよねっていう「生きたサンプル」を提供してくれている、その感じがいいんだなあ。
それは、書かれている内容の深さというより、デザインの問題のような気もする。
本の装丁もそうだし、大きさもそうだし、図解(マップ)もそうだし、語られ方もそうだし。
そう、哲学とその周辺が、いよいよ最近、「語られ方」に関心を抱きだしたっていうか、そういう感想を持っています。
だから最近、哲学が面白いのだと思う。
それは、かつての哲学なるものの有効期限が切れたということなのか、そういう哲学の「文体」に興味を持つ人が増えたというだけなのか、私自身の関心がそういうところに向かいだした、というだけなのか分からないけれど。
哲学も、文章として読み得る、としなたら、これほど幸せなことはありません。
なにせ哲学っていうのは、用語の定義が超絶技巧的に面倒で、絶対「読めない」もの、っていう固定観念があったからねえ。
専門家が読むときには、当然そこをクリアしなければ何も言えないっていうことはあるんだろうけれど。
その辺りも面白い課題が埋まっていそう。
哲学の文体問題、これも宿題ですね。