6月9日(木)晴【多摩大学での坐禅】 (多摩大学のキャンパス)
昨日は、藤沢の湘南台にある多摩大学に行ってきました。ここには多摩大学のグローバルスタディーズ学部があります。東京都多摩市の方には経営情報学部があります。1989年に開設された大学です。グローバルスタディーズ学部は2007年に開設されました。現在の学長は寺島実郎氏です。
マンモス校とはちがい、学生数は多くありませんので、先生たちは個々の学生をよく把握している感じがあります。この度、坐禅指導のために、准教授の小松加代子先生の依頼で伺ったのですが、キャンパスを歩いていても、学生が親しく先生に挨拶をしてきたり、話しかけてきたりと印象的でした。
★受講生は30名ほどで、坐蒲はありませんが、それぞれ座布団かクッションを持参しての坐禅です。なかなかしっかりと座っています。
★お話、坐禅、経行を4回ほどやりまして、最後にまたお話をしました。実に2時間半の授業でしたが、学生さんたちはとても熱心に授業を受けてくれたことに、感心してしまいました。受講生の学生さんに質問したり、質問を受けたりしながらの坐禅指導をしました。
あの世を信じている学生さんが多かったです。私も、見えている範囲はごく狭い世界で、見えていないエネルギー界があると信じています。こう言いますと、禅僧なのにおかしいという人がいますが、私は宗教者として、そう思っています。
将来の夢について尋ねましたが、まだ具体的に何をしたいという夢は聞けませんでした。そうすぐに人前で言えないのかもしれません。一人だけバンドをやっていて、音楽活動をしたいという学生さんがいました。音楽で食べていけるようになるのは、かなり大変でしょうから、自分の生活設計もきちんとやって、音楽も続けていけるとよいですね。なんでも情熱を傾けられることがあることは幸せでしょう。苦しいかもしれませんが、幸せな苦しみではないでしょうか。
背筋を真っ直ぐ伸ばして生きて欲しい。
皆さん、しっかりと坐っています。面壁にするよりも今回はこのようにしましたが、こうして全員が隣を感じながら、静かに共に坐れたことが印象的だったようです。(皆さんから掲載許可を頂きました。撮影小松先生。)
皆さん、坐禅は初めてだったそうですが、坐禅についてそれぞれ抱いていた イメージとは少し違ったようです。坐禅をした後で、すっきりしたという感想が何人かありました。いつも動き回っているので、静寂の時間を持てたことを喜んでくれた人もいました。「静寂」を体験できることは、きっとこれからの人生にも、役に立つかもしれません。世の中のめまぐるしい変化に振り回されずに、それぞれが、それぞれの人生を丁寧に「Going my way.」ですね。
一生はアッと言う間に過ぎ去る、とこの歳になると痛感しています。二十代の若い日々を思い出せば、先が分からずに苦悩する日々でした。その時代を通過して、今があります。
最近高校時代の卓球部だった友人たちと会ったり、来週は大学時代の映画研究会の友人たちと会う予定です。同じ時間と同じ空間を味わった友だちこそが、人生の宝だと思えるようになったのも、歳をとってからです。若い人たちは、今の友人たちとの時間を大事に過ごして欲しいと思います。こうして、一時ですが、一緒に坐禅をしたことも、いつか思い出の一頁になることでしょう。
このような授業を計画してくださった小松先生と、大学に、あらためてお礼を言いたい気持ちです。
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★上の写真は体育館です。この中で畳を敷いて坐禅することができました。体育館の前にはご覧のように緑の芝生がきれいでした。緑に囲まれた、静かな、勉学に適したキャンパスで、若者たちはどんな青春を送っているのでしょう。楽しんだり苦しんだりしながら成長してほしいと願いました。素直な若者たちに接して、私にとっては楽しいひとときでした。
学生さんたちにとっては、はたしてどうだったでしょうか。
現代は多くのカルト教団がありますが、純粋な若者たちが、地獄に堕ちるなどと脅かされる教団に勧誘されないためには、宗教を避けるのではなく、かえってしっかりとした知識を若者たちが持つことが大事だと思います。小松先生の授業では、そのような具体的な指導もされているそうで、学生にとっては有り難いことだと思いました。
一昔前までは、いや二昔前の話になるでしょうか、保護者たちは、学生運動に子どもたちが入らないように願っていましたが、現在はカルト教団に子どもたちが入ってしまわないかという心配があります。純粋な人ほど、勧誘される危険があります。地獄に堕ちることを脅しにするような教団に入ることは危険です。でも勿論人に迷惑をかけるような悪いことは、しないことがよいのは当然のことです。仏教でもキリスト教でも「懺悔」(仏教的にはさんげ、キリスト教的にはざんげと発音します)が大事です。分かりやすく言えば「反省、反省」です。常に反省しつつ、毎日、元気に生きましょう。
カルト教団を恐れるあまり、全ての宗教を怖がられるようになってしまっては残念ですから、我が宗門でいえば、坐禅のススメをしていきたいですね。(学生運動も、全てが駄目というわけではなく、真剣に日本のことを憂い、考えていた多くの若者が行動していました。今、あの純粋な情熱はどこに行ってしまったのでしょう。勿論内ゲバなどの暴力は否定しますが。)
(どなたも、禅寺にお参りして、お願いしたら、坐禅のできるお寺もありますし、坐禅会を定期的にしているお寺も、気がつけばあちこちにありますから、遠慮無く門を叩いてみてください。)
(実は多摩大学に行く途中で、「松乃家」というおいしいおそば屋さんに寄りました。そこのご亭主が、坐禅しているお寺を知りたいというので、藤沢にある友人のお寺を紹介しました。坐禅をしてみたいけれど、どこでできるのかわからないという方々もいるようです。是非、インターネットで「曹洞禅ネット」というサイトがありますので、お調べください。もしくは、ここにコメントして下されば私が調べてもよいです。)