彼は長い間、うつと闘っている。
もう4~5年前からであろうか、朝出社してからでも机にうつ伏して寝ていることが多くなった。
薬の性なのか、それともうつ症状なのか、午前中は自己コントロールが難しいようである。
なかなか改善しないからなのか病院を変え、今は大学病院に通って薬をもらっているようである。
そんな彼がこのところ一段と症状が悪化してきたのか、仕事上のトラブルが多くなったようだ。
先日もお客さんからの注文を聞き、返事をしていたのに忘れてしまっていて大きなクレームになった。
どちらかと言えばアナログタイプ、記憶を頼りの仕事だから、症状の悪化と比例してミスが多くなる。
トラブルが多発すれば、社内外の後処理が多くなって周りの社員や仕入れ先にも負担がかかる。
また、彼の営業手法でもあるのだが、得意先の若い連中と頻繁に酒を飲む。
アルコールを飲む時は薬の服用はまずいのだが、宴席で自分を保つため薬は止めないようである。
すると薬の効き方が過剰になるのか、飲み会が進むに従って異常にハイな状態になるようである。
そのために相手と口論になったり、騒いだりして客先からは顰蹙を買い敬遠されているようでもある。
最近そんな話も色々と聞こえてくる。
彼は会社ではオーナーと隣り合わせで座っている。そのため頻繁にオーナーから声がかかる。
しかし最近はそのオーナーの問いかけに返事を返さない事が多いらしい。
本当に聞こえなかったのか、面倒で無視しするのか、それともとっさに反応できなかったのか、
普段は穏やかなオーナーもその時はきつい口調になるようである。「オイお前、聞いているのか!」
先日は営業会議の席で寝てしまったようだ。
6人のこじんまりした会議、その会議の席で寝られてはさすがにオーナーも皆に示しがつかない。
「やる気がないのなら、この場から出ていけ!」と、その会議室を追い出されてしまったようである。
彼の性格は「強いものに弱く、弱いものに強い」典型的な順列型のタイプである。
だからオーナーの言うことには服従であり、そのことで気に入られ、評価もされてきた。
しかしそれが彼を天狗にさせ「俺こそ、次代を担う男だ!」と自負をし横柄さを助長していった。
彼の実力がそれに伴っていればある程度は会社の中での地位は定まってくるのであろう、
しかしいい加減な仕事ぶりは周りにも敬遠され、次第に浮いた存在になって行ったように思う。
そしてオーナーの依怙贔屓は社内の不満が募り、会社の調和をも乱す結果になっている。
彼の中の妄想にも似た虚像と、地に落ちた実像のギャップは年々大きくなったのかもしれない。
彼を見ていると、人に内在する性質や性格(基本ソフト)が周りの環境や変化について行けなく
なって破綻したとき時、うつは発症していくのだろうということが推察できる。
オーナーは彼に病院も紹介したこともあり、今の状況は充分に承知しているはずである。
当然、鬱に対する知識もあって、彼に対してはなるべく自由にさせ、あまり注意もしていなかった。
そして仕事のミスや客先とのトラブル、はたまた報告書の書き方までもホローしてやっていた。
そんなオーナーも最近は彼の仕事ぶりや言動に苛立ちを隠さず、態度も冷たくなったように思える。
あまりに長く改善がないからなのか、それとも仕事上でのトラブルが頻発してきたからだろうか
オーナーの彼に対しての微妙な変化を感じとった社員は、同じように彼へのスタンスを変えて行く。
今までは「虎の威をかる」横暴な言動に、どちらかと言えば皆が泣き寝入りしていた部分もあった。
しかし最近はあからさまに非難するようになり、責任を追及するようになり、反発し始めたのである。
「あんな奴の仕事は手伝わない」「あいつのために迷惑させられる」「お客さんが怒っているぞ!」
その輪はどんどん広がって行き、彼に対する攻撃の包囲網が出来上がってきたようにも感じる。
そしてますます彼の状況は悪くなっていき、彼も彼で疎外感を募らせていくのだろう。
これが病気による周期的なものであればいいのだが、立ち直れなければやがて仕事も難しくなる。
昔、養鶏場で聞いた話だが、
何十羽も一緒に放し飼いされたニワトリの中の弱った1羽にあるニワトリが突いて傷をつける。
そうすると、周りのニワトリがそれにならって、そのニワトリをつつき始める。つつかれれば逃げる。
だんだんそれが激しくなって、その傷が大きくなり血が出てくる。そうするとさらにつつきが激しくなる。
そのニワトリはおびえ逃げまどい、餌も取れずに弱ってしまい、とうとう死んでしまうそうである。
誰かが、面白がってつつく。それが合図で皆がつつき始める。それがいじめなのだろう。
今回の場合、彼を庇護していたオーナーが彼をたたいた。
それをきっかけにして、誰かが彼のミスを叩く、叩かれても自分のミスだから反発できない。
会社も人間集団、言いかえれば動物の集団でもある。
自分の立場を良くすために、常に自分の障害になる存在を叩いておこうとするのだろう。
それは意識していなくても自然にそうなって行く。やはり本能的なものがそうさせるのだろうと思う。
そんな時彼の性格が災いしているのか、誰もが手を差し伸べず、誰もが彼を助けない。
養鶏場の主人が言った「そうなったらそのニワトリは隔離するしかないですね」
これ以上攻撃がひどくなるようであれば、一時的にでも会社を休ませた方がいいのかもしれない。
もう4~5年前からであろうか、朝出社してからでも机にうつ伏して寝ていることが多くなった。
薬の性なのか、それともうつ症状なのか、午前中は自己コントロールが難しいようである。
なかなか改善しないからなのか病院を変え、今は大学病院に通って薬をもらっているようである。
そんな彼がこのところ一段と症状が悪化してきたのか、仕事上のトラブルが多くなったようだ。
先日もお客さんからの注文を聞き、返事をしていたのに忘れてしまっていて大きなクレームになった。
どちらかと言えばアナログタイプ、記憶を頼りの仕事だから、症状の悪化と比例してミスが多くなる。
トラブルが多発すれば、社内外の後処理が多くなって周りの社員や仕入れ先にも負担がかかる。
また、彼の営業手法でもあるのだが、得意先の若い連中と頻繁に酒を飲む。
アルコールを飲む時は薬の服用はまずいのだが、宴席で自分を保つため薬は止めないようである。
すると薬の効き方が過剰になるのか、飲み会が進むに従って異常にハイな状態になるようである。
そのために相手と口論になったり、騒いだりして客先からは顰蹙を買い敬遠されているようでもある。
最近そんな話も色々と聞こえてくる。
彼は会社ではオーナーと隣り合わせで座っている。そのため頻繁にオーナーから声がかかる。
しかし最近はそのオーナーの問いかけに返事を返さない事が多いらしい。
本当に聞こえなかったのか、面倒で無視しするのか、それともとっさに反応できなかったのか、
普段は穏やかなオーナーもその時はきつい口調になるようである。「オイお前、聞いているのか!」
先日は営業会議の席で寝てしまったようだ。
6人のこじんまりした会議、その会議の席で寝られてはさすがにオーナーも皆に示しがつかない。
「やる気がないのなら、この場から出ていけ!」と、その会議室を追い出されてしまったようである。
彼の性格は「強いものに弱く、弱いものに強い」典型的な順列型のタイプである。
だからオーナーの言うことには服従であり、そのことで気に入られ、評価もされてきた。
しかしそれが彼を天狗にさせ「俺こそ、次代を担う男だ!」と自負をし横柄さを助長していった。
彼の実力がそれに伴っていればある程度は会社の中での地位は定まってくるのであろう、
しかしいい加減な仕事ぶりは周りにも敬遠され、次第に浮いた存在になって行ったように思う。
そしてオーナーの依怙贔屓は社内の不満が募り、会社の調和をも乱す結果になっている。
彼の中の妄想にも似た虚像と、地に落ちた実像のギャップは年々大きくなったのかもしれない。
彼を見ていると、人に内在する性質や性格(基本ソフト)が周りの環境や変化について行けなく
なって破綻したとき時、うつは発症していくのだろうということが推察できる。
オーナーは彼に病院も紹介したこともあり、今の状況は充分に承知しているはずである。
当然、鬱に対する知識もあって、彼に対してはなるべく自由にさせ、あまり注意もしていなかった。
そして仕事のミスや客先とのトラブル、はたまた報告書の書き方までもホローしてやっていた。
そんなオーナーも最近は彼の仕事ぶりや言動に苛立ちを隠さず、態度も冷たくなったように思える。
あまりに長く改善がないからなのか、それとも仕事上でのトラブルが頻発してきたからだろうか
オーナーの彼に対しての微妙な変化を感じとった社員は、同じように彼へのスタンスを変えて行く。
今までは「虎の威をかる」横暴な言動に、どちらかと言えば皆が泣き寝入りしていた部分もあった。
しかし最近はあからさまに非難するようになり、責任を追及するようになり、反発し始めたのである。
「あんな奴の仕事は手伝わない」「あいつのために迷惑させられる」「お客さんが怒っているぞ!」
その輪はどんどん広がって行き、彼に対する攻撃の包囲網が出来上がってきたようにも感じる。
そしてますます彼の状況は悪くなっていき、彼も彼で疎外感を募らせていくのだろう。
これが病気による周期的なものであればいいのだが、立ち直れなければやがて仕事も難しくなる。
昔、養鶏場で聞いた話だが、
何十羽も一緒に放し飼いされたニワトリの中の弱った1羽にあるニワトリが突いて傷をつける。
そうすると、周りのニワトリがそれにならって、そのニワトリをつつき始める。つつかれれば逃げる。
だんだんそれが激しくなって、その傷が大きくなり血が出てくる。そうするとさらにつつきが激しくなる。
そのニワトリはおびえ逃げまどい、餌も取れずに弱ってしまい、とうとう死んでしまうそうである。
誰かが、面白がってつつく。それが合図で皆がつつき始める。それがいじめなのだろう。
今回の場合、彼を庇護していたオーナーが彼をたたいた。
それをきっかけにして、誰かが彼のミスを叩く、叩かれても自分のミスだから反発できない。
会社も人間集団、言いかえれば動物の集団でもある。
自分の立場を良くすために、常に自分の障害になる存在を叩いておこうとするのだろう。
それは意識していなくても自然にそうなって行く。やはり本能的なものがそうさせるのだろうと思う。
そんな時彼の性格が災いしているのか、誰もが手を差し伸べず、誰もが彼を助けない。
養鶏場の主人が言った「そうなったらそのニワトリは隔離するしかないですね」
これ以上攻撃がひどくなるようであれば、一時的にでも会社を休ませた方がいいのかもしれない。
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