『名も無く豊かに元気で面白く』

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❝日本人は世界で一番不眠症❞毎日”6時間睡眠”の人「酔っ払いながら仕事をしてるのと同じ」

2024-06-05 05:28:17 | 日記
筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構 機構長の柳沢正史教授はノーベル賞の有力候補とも言われており、睡眠学の分野においてその存在を知らない人はまずいない。
功績のひとつが、1990年代後半の「オレキシン」の発見だ。眠気の制御に関わるこの神経伝達物は、「デエビゴ」と「ベルソムラ」といった新たな睡眠薬の誕生に大きく貢献した。これらは従来の睡眠薬と作用機序が異なり、依存性がまったくない。iPS細胞を発見した京都大学の山中伸弥教授も時差ボケ対策に使用しているほどだ。
「睡眠は、私たち人間に与えられたギフトです」と柳沢教授は断言する。
「すべての哺乳類の中で、人間だけが長く深く続けて眠ることができる。極端な単相性睡眠なのです。あくまでひとつの学説ですが、人間に特徴的なこの深く連続した睡眠が、私たちと他の霊長類を隔てたとも言われています。睡眠は、私たちの脳の発達に大きく関係しているのです」(以下、「」内は柳沢教授)
ところが、日本の睡眠状況は最悪だ。OECDの調査によると、日本の平均睡眠時間は7時間22分で、OECDに加盟する33ヵ国の中で最下位。各国平均の8時間25分よりも、1時間短い。
「日本の睡眠時間の短さは完全に社会的なものです。人種的・地理的な理由では決してない。働き方改革が進んでいるとはいえ、いまだに日本では睡眠を犠牲にした長時間労働が美徳とされている。要するに、アウトプットを評価する制度が根付いていないことが大きな要因です」
現在、睡眠の謎解きは少しずつ進んでいる。昨今の研究では、「6時間未満の睡眠」でも、脳の認知機能を低下させることが明らかになっている。厚労省の調査によれば、睡眠時間が6時間未満の人の割合は、男性 が37.5%、女性 が40.6%。いずれも4割近い。
認知症のリスクが高まる
「徹夜明けの脳の状態は、アルコール血中濃度が0.1%の状態と同等。酔っ払っているのとほぼ同じです。4時間睡眠を5日間続けても、6時間睡眠を10日間続けても、同じレベルに達します。
日本の働き世代では6時間未満の睡眠を続けている人がごまんといる。酔っ払いながら一生懸命仕事をしているようなもので、本来のパフォーマンスを発揮できていません」
睡眠不足のリスクは、大きく分けると短期と長期の2つがある。まず、日々の生活や仕事に直結する前者のリスクにはどのようなものがあるのか。
「脳全体のパフォーマンスが低下します。情報の処理速度が遅くなり、記憶力も悪くなる。クリエイティビティに大事なひらめきの力も落ちるとされています。
心理面に与える影響も大きいです。感情のコントロールが効きづらくなって怒りっぽくなりますし、また利他行為もしなくなる。簡単に言えば、イヤな奴になってしまうのです」
また、長期的にも恐ろしいリスクは山ほどある。健康そのものに対してダメージを与えるのだ。
「うつ病のリスクが確実に上がります。それからメタボにもなりやすくなる。4時間睡眠を2週間続けるだけで、内臓脂肪が11%増えるという研究報告もあるくらいです。
中高年世代では、認知症のリスクが上がることも報告されています。認知症の原因物質として考えられているアミロイドベータは、睡眠不足が続くと脳に蓄積しやすくなるというデータがあります」
健康な生活を送るには睡眠時間は欠かせませんね。

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