日本の教育が東京大学を頂点とする進学優先の『進学校』から個性重視の『名門校』へと流れが変わります。脳にも好影響を与える中学・高校での運動や感性を磨くことはとても重要です。勉強を詰め込むガリ勉教育だけではもはや世界で太刀打ちできない。日本の大学の世界教育ランキングは低迷しています。打破すべく物差しを変え東京大学や京都大学ですら2016年から推薦で入れるのです。1990年共通一次実施時もそうでしたが、大学受験のシステムが変わるときには現在女子高校のトップ『桜蔭』が大躍進したように高校受験がなく長期で対策が出来る「私立中高一貫校」が圧倒的に優位です。2020年大学入試で『到達度テスト』が実施される時には新しい『東京大学よりある意味、凄い名門校』が誕生するでしょう。
以下抜粋コピー センター試験に変わる「到達度テスト」は、基礎編に当たる「高等学校基礎学力テスト(仮称)」と発展編に当たる「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」の2段階で行われるという。簡単に言えば、前者は高校で学ぶべき基礎が身に付いているかどうかの確認、後者は大学に入学するために必要な学力が身に付いているかを確かめる。これらを高校在学中に複数回受験できるようにして、自分の納得がいくスコアを大学に提出するという構想だ。
こうなると中高一貫校生には有利な展開となりそうだ。中高一貫校では、中学生のうちに高校での履修内容にまで踏み込んで学習する場合が多く、学力の仕上がりが早い。例えば兵庫県の名門、灘校の生徒たちは、高校1年生の1月に、高校2年生用のセンター模試を受験する。その時点で、センター試験に対応できるだけの学力が身に付いてしまっているのだ。
少なくとも「高等学校基礎学力テスト(仮称)」に関しては、灘に限らず、多くの中高一貫校で早々に満点を取ってしまう生徒が続出するのではないだろうか。「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」についても早い段階でハイスコアをたたき出す生徒が出そうだ。早めに「到達度テスト」をクリアしてしまえばその分、各大学の個別選抜(現在の2次試験)対策に時間をかけられる。
各大学の個別選抜においては、「小論文」「面接」「集団討論」「プレゼンテーション」「調査書」「活動報告書」「資格・検定試験」などの成績、各種大会などでの活動や顕彰の記録などを活用するという方針が検討されている。簡単に言えば、新卒の就職活動のような形式だ。これが本当のAO入試(アドミッション・オフィス入試)である。
一部の大学で、AO入試が単なる生徒の早期囲い込み施策として利用されてしまっているため、このところ評判が悪いが、欧米の大学ではこの方式が主流であるし、慶應湘南藤沢などではこれがうまく機能している。2016年からは東大と京大が推薦入試枠を設けることも発表されている。「脱ペーパーテスト」へ向けての布石と考えられる。
新しい大学入試制度は中高一貫校に有利
中高一貫校では高校受験対策の必要がないから、中学のうちは目先の1点、2点を気にせずに学習できる。理科の実験・観察、社会のフィールドワークやディスカッションに時間をかけ、英語や数学、国語など、受験の主要科目においても、調べ学習やレポート形式の課題が多い。みずから課題を発見し、解決の手段を探り、論文にまとめる訓練を繰り返している。「詰め込み」とは真逆の「真のゆとり教育」を行っているのだ。
そうやって特に中学のうちに学力の土台を広げておくから、最後の1年間、受験勉強をがんばれば、効率良く高い学力が身に付くのだ。だから大学入試で結果を出すことができる。
さらに、名門校と呼ばれるようないい学校ほど、実は大学受験に特化した授業をしていない。まさにリベラル・アーツと呼べるような、教科横断型のアクティブラーニングを行っている場合も多い。大学レベルと思えるような内容のものまである。海外研修を行う学校もある。
これらの学びの体験はそのままAO入試で求められる学力の素地となる。
名門校と呼ばれるような学校の生徒たちは「ペーパーテストの達人」というイメージをもたれているが実際は、彼らはペーパーテストだけができるのではない。総合的な学力の一部として、ペーパーテストでも高い成果を上げることができているのである。各種国際科学オリンピックや英語スピーチ大会、数学オリンピックなどで活躍する高校生に、名門校と呼ばれるような学校の生徒が多いことが、その証左と言えるだろう。